着物作家・喜多川平朗とは?
着物を高く買い取ってもらう方法とは?
喜多川平朗とはどんな着物作家?
1898年、喜多川平朗は京都市に生まれました。
室町時代から続く老舗の織屋・俵屋に生まれた平朗は、若い頃は日本画家を志して京都市立絵画専門学校で学びましたが、学校を卒業後に兵役について数年を過ごし、1923年に除隊して京都に戻ると俵屋を継ぐことを決意します。
父のもとで学ぶかたわら、染織の歴史や古来の技術を学ぶことに注力しました。
というのも俵屋は古来、朝廷を中心に高貴な身分の人々が身につけていた着物に使われる「有職織物」を手がけていたからです。
そんな中、1928年には当時の昭和天皇が即位するにあたって行われた大典儀式用の装束や装飾品の制作を手がけ、注目されることになります。国会議事堂の装飾織物をはじめ、皇室や由緒ある神社に納める織物も数多く手がけました。
また同じ頃、当時の帝室博物館が進めていた古代の染織品の復元・模造事業に参加します。
有職装束の研究家・高田義男とともに主任をつとめ、奈良の正倉院や鎌倉の鶴岡八幡宮、また熊野速玉大社、熱田神宮などに納められていた神服や女衣、鎧直垂、陣羽織などの復元を手がけました。
太平洋戦争が勃発し、戦局が悪化すると平朗も兵士のひとりとして出征することを余儀なくされ、戦後すぐの頃は仕事にも恵まれませんでしたが、1953年に伊勢神宮の式年遷宮で使用される御神宝装束織物の制作をきっかけに再び注目されるようになります。
そして1956年、古来の織物を研究・復元する中で「羅」の再現に成功したことを評価されて重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されます。
また1960年には「有職織物」の分野でも人間国宝に認定されました。
1974年には、文化庁によって記録映画『有職織物-喜多川平朗のわざ-』が制作されています。
喜多川平朗の「羅」とは?
そもそも「羅」とは網のような薄物を意味する言葉で、古代の中国で身分の高い人々が身にまとう着物に使用されていました。
中国から多くの文化を取り入れていた日本でも、4世紀頃から朝廷を中心に輸入していた羅が使用されており、飛鳥時代に入ると国産の羅も多く制作されるようになり、室町時代に全盛期を迎えました。
しかし1467年、京都を混沌の渦に陥れた「応仁の乱」が勃発して事態が一変します。
長引く戦乱の中で多くの伝統・文化が失われましたが、羅の制作技法もそのひとつでした。
その後は長らく新たな羅が制作されることはなく、特別な機織り機を必要としない薄物の「紗」が使用されるようになったという歴史があります。
喜多川平朗は、そんな羅の復元に取り組みました。
前述のように、有職装束の研究家として知られていた高田義男と組んで事業に当たり、研究を重ねて古来の羅を現代によみがえらせることに成功しています。
1956年には、その功績をたたえられて「羅」の人間国宝に認定]されたことはすでに紹介した通りです。
喜多川平朗が手がけた羅の織物は現在、国立工芸館などに所蔵されているものを見ることができます。
喜多川平朗の作品紹介
ここでは、喜多川平朗の代表的な作品を
紹介したいと思います。
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唐草文上代羅
1959年に制作された羅の織物で、黒の地色に唐草文が浮かび上がるという趣向の作品です。
落ち着いた渋みのある雰囲気をたたえつつ、上代羅ならではの典雅な質感を持ち合わせているのが特徴といえます。
この作品は現在、国立工芸館に所蔵されています。 -
紅地菱花鳥文倭錦
こちらも同じく1959年に制作されたもので、ややくすんだ紅の地色に菱花鳥の文様をあしらった倭錦(やまとにしき)の作品です。倭錦は、物自体は通常の錦と大きく異なるものではなく、古代から朝廷や神社、神輿などの装飾に使用されていたものを指します。
こちらの作品も格調高い緻密な文様が優雅な雰囲気を醸し出し、日本古来の“和の美”を今に伝えています。
ちなみに、こちらの作品も現在、国立工芸館に所蔵されています。
喜多川平朗の着物買取は
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喜多川平朗は古来の有職織物の復元・模造を手がけた功績で主に知られていますが、すでに紹介したように、同時に古くから京都西陣でその名を知られた織屋・俵屋の17代目当主でもあります。
現在は国立工芸館などに所蔵されている美術品としての価値を持つ作品づくりに取り組む一方で、一般向けの商品も数多く手がけています。
特に帯づくりに積極的に取り組んでおり、中古市場でも多くの品物が出ています。中でも、デザイン性が高く状態の良いものであれば数万単位の高価買取が期待できます。
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