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シャネルの歴史は1910年、ココ・シャネルがパリにオープンした「シャネル・モード」という帽子ショップから始まりました。
当時の帽子は装飾の多い派手なものが主流だったのに対して、「シャネル・モード」はシンプルでありながらもデザイン性の高い帽子を販売したことで人気を得ます。
この成功を受け、ココは5年後にオートクチュールブティックをオープン。帽子だけではなくファッション全般のデザインを行うブランド「シャネル」が誕生しました。

シャネルがその名を大きく知らしめるきっかけとなったのは、ジャージ素材を使用した婦人服。男性の下着に使われていたジャージ素材の柔軟性に目をつけたココは、着る人がのびのびと過ごせる婦人服を生み出しました。
また、単に素材が斬新だっただけでなく、腰とお腹を締めつけて女性の自由を制限するコルセットを完全に廃したこともポイントのひとつです。美しさを追求する陰で抑圧されてきた女性の自由を開放し、よりイキイキとした自由度の高いファッションスタイルを提案したこと。これがシャネルの大きな功績のひとつといえるでしょう。
そのほか、当時は喪服でしか使われることのなかった“黒”を前面に押し出した「リトル・ブラック・ドレス」を発表。シックでクールな美しさを表現し、ブランドの地位を確立させました。

デザイン性の高さと“女性の解放”をコンセプトに作られたアイテムを発表したこと。
シャネルが多くの人に支持されている理由はそこにあるといえますが、デザイナーであるココ・シャネル自身のカリスマ性と美貌もまた、ブランドイメージの向上に一役買っていたといわれています。

そんなシャネルは戦後、自由で実用的な女性のファッションが流行していたアメリカでも多くの人の支持を集めます。特に、シャネルの香水をハリウッド女優マリリン・モンローが愛用していることを公表したことでその名は一気に高まり、世界的な名声につながりました。
そのセクシーなルックスで世界を魅了していたマリリン・モンローは、人気絶頂期の1952年、あるインタビューで「寝るときに着るものは？」と聞かれてこう答えたのです。「シャネルの香水No.5を数滴」
2013年には、当時のマリリン・モンローの映像や音声を使用したキャンペーンフィルムを発表。伝説的なエピソードとともに、今もなお失われないシャネルというブランドの輝きを伝えています。