オメガのコーアクシャルって何のこと?初心者でもわかりやすい解説
オメガに興味を持ち始めるとよく耳にするのが、コーアクシャルです。
コーアクシャル機構やコーアクシャルムーブメントなど、呼び方もさまざまでよくわからないという声も。
● コーアクシャルとは?
● コーアクシャルの何がすごいの?
● マスタークロノメーターとは?
など、この機会にしっかりと押さえておきましょう。
初心者にもわかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
目次
コーアクシャルとはオメガだけのムーブメントのこと
コーアクシャルとはオメガだけが採用している脱進機(エスケープメント)のことです。
ムーブメントを動かすエンジンのように最も重要な役割を果たしており、正式名は「コーアクシャル・エスケープメント」。一般的に、コーアクシャル機構やコーアクシャルムーブメントと呼ばれています。
コーアクシャルを採用することで、ムーブメントを構成するパーツの摩耗を削減してくれるため、時計が故障しにくい、という特徴があるのです。
コーアクシャルを採用しているおかげで、オメガの時計はオーバーホールのサイクルが一般的な機械時計よりも長くなっています。
コーアクシャルは何がすごくて何ができる?
コーアクシャルが時計によい影響を与えているのは理解できますが、具体的に何が優れているのでしょうか?
以下に、コーアクシャルによる主な利点を挙げています。
● パーツの摩耗が少ない
● 耐磁性に優れている
● オーバーホールのサイクルが長い
順にわかりやすく説明していきます。
パーツの摩耗が少ない
コーアクシャルの採用により、ムーブメントを構成するパーツの摩耗が削減されるのが主な利点です。
脱進機を構成するパーツがコーアクシャル特有の形状や数、重ね方になっており、パーツ同士のエネルギーが分散されます。その結果、摩擦が軽減され、安定した状態を長期間保てるようになるのです。
耐磁性に優れている
耐磁性に優れているのも、コーアクシャルの利点の1つ。機械式時計は磁気の影響を受けやすく、故障や精度の低下につながる原因でもあります。
オメガでは、磁気の影響を受けやすいパーツや脱進機部分に非磁性の素材を使用し、耐磁性を強化。マスターコーアクシャルとして、15,000ガウスの耐磁性を実現しています。
オーバーホールのサイクルが長い
オメガのコーアクシャルは、オーバーホールのサイクルが一般的な機械式時計より長いのが特徴です。
機械式時計は、パーツの摩耗による故障や精度の低下を防ぐために、3~4年、または5年ごとにオーバーホールを受けるのが一般的。コーアクシャルの場合は、オーバーホールが8~10年に1度の割合で済みます。
これは、前述の「パーツの摩耗が少ない」にある通り、コーアクシャルによってパーツの摩耗が削減されるからです。
コーアクシャル特有の機構によって、長期間注油をせずとも摩耗のリスクが軽減され、精度においても安定した状態を保てます。
コーアクシャルの仕組み
コーアクシャルと通常の脱進機の違いは、アンクルという部品の形状です。脱進機は、ガンギ車・アンクル・テンプで構成されており、アンクルに付いている2つの爪がガンギ車の回転を司っています。
コーアクシャルはアンクルの爪を3つに増やすことで、ガンギ車の回転を抑える際の摩耗を減らし、ほかのパーツにおける摩耗も軽減するのを可能にしました。
さらにコーアクシャルの進化とともに軽量化が進んだおかげで、テンプとの連携もスムーズになり、精度の安定化にも貢献しています。
コーアクシャルの歴史を振り返ってみよう
コーアクシャルは、1974年にイギリス人の時計技師であるジョージ・ダニエルズによって考案されたものです。
ただし、複雑な構造から商品化する企業が見つからず、オメガを傘下にするスウォッチグループがコーアクシャルの技術を買い取りました。
以下に、オメガのコーアクシャル搭載の軌跡や歴史的モデルを一覧表にしてご紹介します。
1999年 | 初のコーアクシャル搭載モデル デ・ビル コーアクシャル発表 |
2002年 | シーマスター アクアテラ発表 |
2007年 | コーアクシャル専用のムーブメントとしてキャリバー8500を開発 |
2008年 | シリコン製ヒゲゼンマイ採用 |
2014年 | マスターコーアクシャル誕生 15,000ガウスの耐磁性を実現 |
2015年 | マスタークロノメーター採用 |
コーアクシャルはオメガ以外でも採用が可能です。
しかし、製造コストや構造的に困難が生じるなどさまざまな理由から避けられており、現在も「オメガのコーアクシャル」としての呼び名で知られています。
マスタークロノメーターについて
マスタークロノメーターとは、マスターコーアクシャルのために設定された認定規格のことです。
初めて搭載されたのは、2015年発表のコンステレーション グローブマスターでした。
なお、マスタークロノメーターには厳しい認定基準が設けられています。クロノメーター認定後、スイス連邦計量・認定局(METAS)による8つのテストを通過しなければなりません。
8つのテストには、精度や耐磁、パワーリザーブ、防水が含まれ、15,000ガウスの耐磁性や日差5秒以内などの精度が試されます。
オメガのコーアクシャルまとめ
オメガのコーアクシャルについて、わかりやすいように解説いたしました。
いかがでしたか。
コーアクシャルとは、パーツの摩耗を少なくしてくれる画期的な脱進機のことです。耐磁性に優れ、オーバーホールのサイクルも長くなるなど、利点も多くあります。
このように優秀なオメガの時計も、飽きてしまったり使わなくなったりすることもあるでしょう。その際は、オーバーホールもせずにしまい込むよりも、売却してほかの時計の資金にするのもオススメです。
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