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- 2025.02.24
ブルーオニオンとは|マイセン・日本製・世界三大ブルーオニオンを徹底分析

「ブルーオニオン」と聞いて、まず思い浮かぶのは、世界的に有名なマイセンではないでしょうか。
実は、マイセンだけでなく、世界中には約50ものブルーオニオンが存在し、それぞれに異なる意匠と奥深い意味が込められているのです。
今回は、ブルーオニオンの歴史からその奥深い魅力まで、徹底的に解剖します。
日本製のブルーオニオンや、世界三大ブルーオニオンについてもご紹介していますので、ぜひ最後までお楽しみください。
目次
ブルーオニオンとは

ブルーオニオンとは、マイセンの絵付師「クレッチマー」がデザインした、中国風のパターンのことです。
1739年に発表されたこのパターンは、白磁にコバルトブルーの絵柄が映える、気品あふれる雰囲気が特徴です。
呉須(ごす)を使った中国の染付技法を参考に、ザクロや竹など中国の植物が描かれています。
ザクロがタマネギに
ブルーオニオンに描かれているタマネギのような植物は、実はザクロがモチーフでした。
当時のヨーロッパではザクロになじみが薄く、中国の皿に描かれたザクロを見ても、人々は身近なタマネギだと認識したようです。
初期のマイセンではザクロが忠実に描かれていましたが、時が経つにつれて徐々にタマネギへと変化していったといわれています。
意匠に込められた意味
ブルーオニオンには、タマネギに変化したザクロのほかに、竹・桃・ハスなどの植物も描かれています。これらの意匠は、東洋哲学に基づいたおめでたい意味を持つ、特別なモチーフです。
たとえば、ザクロは多産のシンボルとして繁栄を意味し、竹は節操のほか地位向上を表します。桃は延命長寿の象徴であり、ハスは清浄や再生を意味するのです。
ブルーオニオンは、これらの縁起の良い柄を組み合わせることで、さらなる幸運を招くといわれています。
世界三大ブルーオニオンとは

ブルーオニオンといえば、外せないのが「世界三大ブルーオニオン」と呼ばれる3つのブランドです。
● マイセン
● フッチェンロイター
● カールスバード
それぞれのブランドが展開する、ブルーオニオンの特徴を見ていきましょう。
マイセン
世界中で支持されるマイセンのブルーオニオンは、まさに元祖。
熟練の職人が手書きで描くため、1つとして同じブルーオニオンはありません。
釉薬をかける前の乾いた素地に顔料で描く作業は、高度な技術を要します。なぜなら、顔料がすぐに吸収されるため、変更ができないからです。
一点一点に宿る職人の技と魂が、マイセンのブルーオニオンを唯一無二の存在にしています。
1985年頃からは、竹の根元にブランドの剣マークが記されるようになりました。これは、マイセンのブルーオニオンであることを証明する印として、広く認識されています。
また、カップやプレートの縁には、突起や波打つようなデザインが施され、細部までこだわり抜かれた美しさが魅力です。
フッチェンロイター
ドイツの名窯「フッチェンロイター」は、1926年にマイセンからブルーオニオンの製造を引き継ぎました。
銅板転写とハンドペイントで仕上げられたフッチェンロイターのブルーオニオンは、一見するとマイセンのものと見間違えるほどよく似ています。
しかし、細かな部分に違いがあり、とくに「マイセンの剣マークの有無」で見分けることが可能です。
フッチェンロイターの歴史やブルーオニオンについては、下記の関連記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。
▼関連記事はこちら
『フッチェンロイターとは?歴史やブルーオニオンについて』
カールスバード
カールスバードは、チェコのボヘミア地方で誕生した磁器ブランドです。
ぽってりと丸みを帯びたフォルムと、濃いコバルトブルーが特徴のブルーオニオンは、温かみのある雰囲気が魅力。
世界三大ブルーオニオンの中でもリーズナブルな価格帯で、気軽にブルーオニオンを楽しみたいという方にオススメです。
カールスバードの食器には、「BOHEMIA」または「D」の文字が刻印されています。
日本製ブルーオニオンとは

ブルーオニオンは、ヨーロッパ生まれだけではありません。
日本の食器ブランドにも、美しいブルーオニオンが存在するのをご存じでしょうか?
滋賀県の「ブルーダニューブ」が展開していたブルーオニオンは、美濃焼の伝統的な技法を用いて作られていました。温かみのある白磁に、藍色の濃淡が美しいブルーオニオンは、和洋中どのような料理にも合わせやすいのが特徴です。
その品質と親しみやすさから、世界三大ブルーオニオンにブルーダニューブを加えて、「世界四大ブルーオニオン」と呼ぶ声もあるほどでした。
電子レンジや食器洗い乾燥機にも対応しており、普段使いに最適です。
「ブルーダニューブ」という名前は、藍色の「ブルー」とドナウ川の「ダニューブ」を組み合わせたもの。
ドナウ川がヨーロッパを流れるように、この食器が世界中に広まってほしいという願いが込められています。しかし、ブルーダニューブのブルーオニオンは、惜しまれつつも2022年6月に生産を終了しました。
現在では入手困難となっていますが、もし見かけることがあれば、手に取ってみてはいかがでしょうか。
日本の風土が生んだ、温かみのあるブルーオニオンの魅力を感じられるでしょう。
ブルーオニオンは日本の食卓にも合うパターン

マイセンを起源とするブルーオニオンは、東洋の神秘的な絵柄と美しさで世界中の人々を魅了し、今では約50ものブランドで展開されています。
コバルトブルーの濃淡だけで描かれた繊細な模様は、和洋中どのような料理にもマッチし、食材の色どりを引き立ててくれます。
また、華やかでありながら上品な雰囲気も魅力の1つ。テーブルコーディネートの主役として、食卓を華やかに彩ってくれるでしょう。
ティーカップやプレートなど、まずはお気に入りのアイテムから揃えてみてはいかがでしょうか?
大切なブルーオニオンを次の世代へ
長年ご愛用されてきたブルーオニオンには、多くの思い出が詰まっていることでしょう。
もし、手放すことをお考えであれば、その想いも含めて次の世代へつないでみませんか?
福ちゃんでは、お客様の大切なブルーオニオンを丁寧に査定し、次の持ち主へと橋渡しさせていただきます。
マイセンやフッチェンロイターなどのブルーオニオン以外にも、各種食器を喜んで査定いたします。
食器に精通した専門査定士が、その価値を踏まえた査定価格をご提示いたしますので、どうぞご安心ください。査定は無料です。査定後にお取引が成立しなかった場合でも、査定料やキャンセル料はいただいておりません。
食器を手放すことをお考えの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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