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- 2025.02.26
美しきセーブル磁器の青を楽しむ！種類や歴史も詳しく知っておこう
セーブル磁器の美しさを語る上で、外せないのが「ブリュ・ド・ロワ（王家の青）」です。
深みのある青色は、セーブル磁器を気品高く昇華させ、王侯貴族たちを魅了しました。
今回は、「幻の陶磁器」と呼ばれるセーブル磁器の歴史を紐解きながら、ブリュ・ド・ロワの魅力に迫ります。
セーブルの美しい青色の楽しみ方や、現代の暮らしに取り入れるヒントもご紹介しますので、ぜひお役立てください。
目次
セーブル磁器の歴史
セーブル磁器の歴史は、1738年に創立されたヴァンセンヌ窯に始まります。
1759年、ヴァンセンヌ窯がパリからセーブルに移転したのを機に、名称を「フランス王立セーブル製陶所」と改め、新たな時代を迎えました。
ポンパドール夫人の庇護のもと、王立セーブル製陶所は贅を尽くしたロココ調の軟質磁器を製作し、王侯貴族を魅了しました。
1772年、フランスのリモージュでカオリンが発見されると、硬質磁器の生産にも着手。高品質な軟質磁器と硬質磁器の両方を製造し、国内外で高い評価を得ていました。
しかし、フランス革命の勃発により、王立セーブル製陶所は崩壊の危機に瀕します。その後、ナポレオン1世によって再建されますが、磁器のスタイルはロココ調から「重厚感のあるアンピール様式」へと変化を遂げました。
1876年には、国立セーブル磁器製作所として、セーブルの町内に移設。2010年からは、国立セーブル磁器製作所と国立陶磁器美術館が統合され、「セーブル陶芸都市」として新たなスタートを切りました。
現在も、伝統的な手作りの製法を厳守し、年間の生産数はわずか6000ピース。その多くはエリゼ宮（大統領官邸）やマティニオン邸（首相官邸）で使用されるため、一般への流通は非常に限られています。
そのため、セーブル磁器は「幻の陶磁器」と呼ばれ、世界中のコレクターから羨望の眼差しを向けられています。
セーブル磁器の青とは
セーブル磁器の魅力は、その洗練された美しさだけにとどまりません。とくに、セーブル独自の青色は、神秘的な美しさを放ち、世界中の人々を魅了しています。
セーブルの青は、単なる色合いではなく、高度な技術と情熱によって生み出される芸術作品です。その希少性も、セーブル磁器の価値を高める要因の1つとなっています。
セーブル磁器の青｜種類
何度も色と焼成を繰り返すことで生まれる深みのある青や、職人の技によって趣を引き出す青など、さまざまな表情を持つセーブルの青。
ここでは、セーブル磁器を代表する4つの青色をご紹介します。
● ファット・ブルー（王者の青）
● クラウデッド・ブルー（雲上の青）
● アガサ・ブルー（瑪瑙の青）
● ブルー・セレスト（空の青）
それぞれの青色が持つ、奥深い魅力に迫りましょう。
ファット・ブルー（王者の青）
セーブル磁器で最も有名な青色、ファット・ブルー。
「王者の青」とも呼ばれるこの色は、深みのある濃い青色が特徴です。
色塗りから焼成までを3度繰り返すことで、この深みのある青色が生まれます。さらに、24金の金彩が施されることで、王者にふさわしい品格と高級感を演出しています。
クラウデッド・ブルー（雲上の青）
雲のようなぼかし模様が特徴的な、クラウデッド・ブルー。
その幻想的な雰囲気は、多くの人々を魅了しています。
この独特のぼかしは、熟練の職人の手作業によって生まれるのです。
色塗りと焼成を繰り返した後、さらに色を重ね、専門の職人が丁寧に摩擦を加えることで、奥行きのある色合いと独特の風合いを生み出しています。
アガサ・ブルー（瑪瑙の青）
他の青色とは趣を異にする、淡い水色が特徴のアガサ・ブルー。
瑪瑙（めのう）のような透明感と輝きは、職人の特別な技術によって生み出されます。焼成後、職人が丁寧に磨き上げることで、他にはない唯一無二の青色が生まれます。
その美しさは、まるで宝石のようです。
ブルー・セレスト（空の青）
鮮やかなターコイズブルーが目を引く、ブルー・セレスト。
この色は、軟質磁器でしか表現できない色として知られています。
カオリンの発見後もセーブルが軟質磁器の製造を続けたのは、このブルー・セレストがあったからとも、いわれています。
セーブル磁器の青は楽しみ方も豊富
希少価値が高く、その美しさに圧倒されるセーブル磁器の青色。
どのように楽しめばよいのか、迷ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、セーブル磁器の青色をより身近に楽しむためのアイデアをご紹介します。
特別な日に楽しむ
セーブル磁器は、誕生日や記念日などの特別な日を彩るのに最適な食器です。
とくに、美しい青色のセーブル磁器は、特別な日をさらに特別な空間へと演出してくれます。
格式高いファット・ブルーやブルー・セレスト、美しく趣のあるクラウデッド・ブルー、明るくラグジュアリーなアガサ・ブルーなど、シーンに合わせて選んでみましょう。
インテリアとして楽しむ
神秘的な美しさを誇るセーブルの青は、インテリアとしても最適です。
ガラスキャビネットに飾れば、お部屋の雰囲気を格調高く演出できます。
ファット・ブルーやブルー・セレストでワンランク上の空間を。クラウデッド・ブルーやアガサ・ブルーで洗練された空間を演出するなど、青色によってさまざまな表情を楽しめます。
来客用に使用する
セーブル磁器の青色は、お客様へのおもてなしにも最適です。
希少価値を知っているお客様であれば、会話のきっかけにもなり、喜ばれることでしょう。
美しいセーブルの青色を囲んで、優雅なティータイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。
セーブル磁器の青で人生を豊かに
セーブル磁器の青は、希少価値だけでなく、世界的に高い評価を受ける美しさを兼ね備えています。
手に入れる機会に恵まれたなら、ぜひご自身の日常に取り入れてみてください。セーブル磁器だけが表現できる特別な青色が、人生をより豊かに彩ってくれるはずです。
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