アウガルテンの代表作・ビーダーマイヤーとは?ブランドの歴史も知りたい!
アウガルテンは、ウィーンで生まれた歴史のある高級磁器メーカーです。
マイセンの次に古い名窯である一方、ご存じのない方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、アウガルテンをテーマに取り上げ、ブランドの歴史をわかりやすくお話ししていきます。
人気のビーダーマイヤーについても解説しますので、これを機に、アウガルテンの食器を楽しんでみてください。
目次
アウガルテンとはどのようなブランド?
アウガルテンは、ヨーロッパにおける磁器製造で2番目に古い、由緒のあるブランドです。
誕生から現在に至るまで、職人による手作業を続けており、手描きの美しさは多くの人々を魅了し続けています。
また、長い歴史の中で、一度は閉鎖に追い込まれながらも復活を遂げたアウガルテン。
ここからは、アウガルテンの歴史をご紹介します。
アウガルテンの誕生
アウガルテンの歴史は、1718年に、クラウディウス・インノセンティウス・デュ・パキエが、ウィーンに設立した「ウィーン磁器工房 アウガルテン」から始まりました。
アウガルテンが誕生する9年前(1709年)には、マイセンが、ヨーロッパで始めて白磁の製造に成功します。
アウガルテンは、ハプスブルク家のカール6世(神聖ローマ皇帝/マリア・テレジアの父)から、25年間の磁器製造許可を与えられ、高品質な磁器を製作し続けました。
国営化
1744年、アウガルテンは国営化され、当時の君主であるマリア・テレジアが実権を握るようになります。
これを機に、ハプスブルク家の盾をモチーフにした紋章が、アウガルテンの商標として使われるようになりました。
なお、アウガルテンを代表するシリーズ「マリア・テレジア」は、狩猟の館・アウガルテン宮殿のディナーセットとして作られたものです。
繁栄から閉鎖へ
マリア・テレジアの没後、アウガルテンの経営は、1784年からゾルゲンタール男爵の手に移り、より成長を遂げていきます。
コバルトブルーや金粉を使った新しい手法を取り入れ、「クラージュ」「マリーアントワネット」「インペリアルガーデン」などが誕生しました。
また、ナポレオン・ボナパルトの婚礼(1810年)や、ウィーン会議(1814年~1815年)などでアウガルテンの磁器が用いられるなど、繁栄を極めます。
しかし、時代の流れとともに経営は下降線をたどり、1864年にアウガルテンは閉鎖を余儀なくされてしまうのです。
1918年には、第一次世界大戦の敗北により、ハプスブルク家が消滅します。
アウガルテン復活から現在
1924年、アウガルテンの工房が狩猟の館・アウガルテン宮殿に移されます。
「ウィーン磁器工房 アウガルテン」を改め、「アウガルテン」として復活を果たしたのです。
アールデコスタイルで人気の「メロン・サービス」や「デコ・ヴィエンヌ」なども、誕生しました。
現在は、時代に合ったシンプルで使いやすいシリーズも展開され、高級感やモダンな雰囲気が世界中で支持されています。
アウガルテンのビーダーマイヤーについて
アウガルテンの「ビーダーマイヤー」が誕生したのは、1805年~1864年頃のビーダーマイヤー時代。
水色のラインや小花が描かれた、上品で清らかな雰囲気のシリーズです。ゴールドの細いラインが水色のラインに沿うように添えられており、控えめなデザインの中に高級感が感じられます。
アウガルテンには名作と呼ばれるシリーズが数多くあり、中でも「ビーダーマイヤー」は、世界中で支持されているロングセラーです。
なお、ビーダーマイヤー時代は、華美な装飾を避け、簡素なスタイルに注目する市民文化が栄えました。
「ビーダーマイヤー」以外にも控えめな絵柄が生み出され、「スモールローズ」や「スキャタードフラワー」などのシリーズがあります。
ビーダーマイヤー リボン
ゴールドの細いラインと青い小花に、ピンクのリボンをまとわせた、やさしいデザインです。
リボンのうねる様子がピンク色の濃淡で表現され、キュートな印象を受けます。1800年頃に誕生したデザインといわれており、アウガルテン開窯275周年を記念して、1993年に復活しました。
ビーダーマイヤー ガーランド
白磁をより美しく見せるように、青い小花と小さな葉のリースが描かれたデザインです。
対になった2枚の葉はハートの形になっており、かわいらしさが感じられるでしょう。
また、細いラインやリースにゴールドを採用しているのがポイント。おとなしいデザインでありながら、高級感を醸し出しています。
まとめ
アウガルテンビーダマイヤーは、上品で清楚なデザインが魅力です。
ビーダマイヤー時代に流行した控えめな絵柄も、アウガルテンの熟練の技によって、高級感あふれる仕上がりとなっています。
特別な日のディナーや、大切なゲストへのおもてなしに、ぜひ食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、アウガルテンは中古市場でも高値で取引される人気ブランドです。もし、ご自宅に眠っているアウガルテンがございましたら、この機会に食器買取サービスを利用してみるのもオススメです。
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