薩摩切子とは|江戸切子との違いから歴史・特徴・買取まで
薩摩切子は、日本に古くから伝わるガラス細工です。
江戸切子と比べられることも多く、違いがわからないという声も耳にします。
そこでこの記事では、薩摩切子をメインに扱いながら、江戸切子との違いも検証してみました。
また、薩摩切子を高く買い取ってもらうコツもご紹介していますので、ぜひ今後の参考にしてください。
目次
薩摩切子とは
薩摩切子とは、江戸時代の末期に薩摩藩の元で誕生し、発展したガラス細工のことです。
美しい発色と細工技術の高さにより、薩摩切子は全国に広まっていきました。しかし、歴史の影響を受け、薩摩切子は一時、途絶えてしまいます。
ここからは、薩摩切子の誕生から衰退に至る歴史に触れてみましょう。
薩摩切子の歴史
薩摩切子は、薩摩藩10代藩主・島津家27代当主の島津斉興(しまづなりおき)の時代に誕生しました。斉興が、江戸からガラス職人を呼び、化学薬品の薬瓶を作らせたのが始まりです。
【繁栄】
1851年、28代当主として島津斉彬(なりあきら)が後を継いでから、薩摩切子は繁栄していきました。斉彬はガラスの着色に力を入れ、紅・藍・緑・黄・金赤・島津紫の6色を生み出します。
こうして誕生した美しい色の薩摩切子は、大名たちのみならず海外との交易品として知れ渡るようになりました。とくに紅色の発色は、日本で薩摩藩だけが成功しており、「薩摩の紅ガラス」として重宝されたといわれています。
【衰退】
1858年に斉彬が急死し、薩摩切子は衰退へと向かいます。1863年の薩英戦争では工場が焼け落ち、1877年の西南戦争の頃、とうとう薩摩切子の技術は途絶えてしまいました。
【復活】
大阪や鹿児島で薩摩切子の復刻を望む声が上がり始め、1985年に復元作業が始まります。現存する数少ない薩摩切子と写真を元に、復元作業が行われ、難しいといわれる紅色の発色にも数年かけて成功しました。
現在では薩摩切子の工房も増え、伝統の技術を受け継ぎながら、新しい技術も開発されています。
薩摩切子の特徴
薩摩切子は、以下のような特徴があるため、美しさがひときわ際立っています。
● ぼかし
● 鮮やかな色
● クリスタル
これら薩摩切子の特徴について、詳しく見ていきましょう。
ぼかし
薩摩切子の特徴の1つに、色ガラスのカットに浮かぶ、ぼかしがあります。
ぼかしは、無色のガラスに色ガラスを重ねる、色被せ(いろかせ)ガラスによるものです。なお、薩摩切子の色被せガラスは手作業で行われ、ガラスが厚くなります。
そのため、厚いガラスをカットすることで無色のガラス層に近づき、美しいぼかしが生まれるのです。
鮮やかな色
紅・藍・緑・黄・金赤・島津紫の鮮やかな色も、薩摩切子の特徴です。
カットによるぼかしの影響で、これらの色に深みやあたたかみが出るのも、薩摩切子ならではの魅力といえるでしょう。
クリスタル
薩摩切子は、クリスタルガラスで作られているのが特徴です。
クリスタルガラス特有の透明度や、カットによって生まれる光の輝きに魅力を感じる人が多くいます。なお、復活以前の薩摩切子には45%の酸化鉛が使用されていましたが、現在は食品衛生法にのっとり、25%未満です。
薩摩切子は色で値段が変わる?
薩摩切子は、色によって値段が変わるといわれています。
実際、金赤・島津紫・紅・黄色などは、ほかの色に比べると値段が高い傾向です。金赤と島津紫には、純金を混ぜて発色させるため、値段も高くなります。
紅・黄色は発色が難しく、中でも紅は、高い技術を必要とする困難な色です。
薩摩切子と江戸切子の違い
ここでは、薩摩切子と江戸切子の違いについて見ていきます。
以下に記した4点が、薩摩切子と江戸切子の主な違いです。
● ぼかし
● 模様
● 厚さ
● 歴史背景
以上の違いを、わかりやすいように表にしてみました。
パッと見ではわからない違いも、表にすることで理解しやすくなります。薩摩切子と江戸切子を見分ける際は、ぜひ参考にしてくださると幸いです。
薩摩切子
ぼかし | カットにぼかしが浮かんでいる |
模様 | 複雑にカットが入り豪華 |
厚さ | 厚く重厚感がある |
歴史 | 薩摩藩の保護により発達 |
江戸切子
ぼかし | ぼかしがない カットは無色 |
模様 | シャープですっきり |
厚さ | 薩摩切子ほど厚くない |
歴史 | 江戸の町民文化により発達 |
薩摩切子を高く買い取ってもらう3つのコツ
最後に、薩摩切子を高く買い取ってもらう3つのコツをご紹介します。使わなくなった薩摩切子を売りたい方は、ぜひ参考にしてください。
● 薩摩切子の価値を熟知した業者を選ぶ
● 購入時の箱や付属品も忘れずに査定に出す
● 早めの査定で価値を最大限に
ご自宅に眠る薩摩切子を、次の誰かの手に渡したいとお考えでしょうか?
薩摩切子には、その美しい輝きと歴史に裏打ちされた確かな価値があります。しかし、その価値を最大限に引き出すためには、重要なポイントを3つ押さえる必要があります。
1. 薩摩切子の価値を熟知した業者を選ぶ
薩摩切子は、繊細な技術と芸術性が融合した工芸品です。その価値を正しく評価するには、専門的な知識と経験が必要です。買取実績が豊富な業者を選ぶことで、適正な価格で買い取ってもらえる可能性が高まります。
2.購入時の箱や付属品も忘れずに査定に出す
作家名が記された箱や、購入時の付属品は、薩摩切子の価値を証明する重要な証拠となります。これらのアイテムを一緒に査定に出すことで、より高額での買取が期待できます。
3. 早めの査定で価値を最大限に
食器類は、一般的に新しいほど価値が高い傾向にあります。薩摩切子も例外ではありません。
もし売却を検討中であれば、早めに査定に出すことをオススメします。時間が経つほど価値が下がる可能性があるため、早めの行動が大切です。
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