ワイングラスの正しい持ち方とは?
「なんとなく持っている」「お店で恥ずかしい思いをしたくないから家でしか飲まない」 など、ワイングラスの持ち方に不安を持っている方は少なくありません。
そこで今回は、「ワイングラスの正しい持ち方」をテーマにお伝えしていきたいと思います。
これを読んでいただければ、もっとワインを楽しめること間違いなしです。
ワイングラスの「各部名称」
このあとの知識を深めるため、ワイングラスの「各部名称」から学んでいきましょう。
ワイングラスは「リム」「ボウル」「ステム」「プレート」の4つの構造になっています。
まず、飲み口にあたる場所を「リム」と呼びます。
唇が直接当たるため、「リップ」と呼ぶこともあります。
このリムの厚さは製造元によって異なりますが、リムが薄ければ薄いほど唇に近く、ワインを美味しく感じられるといわれています。
また、リムの直径がキュッと引き締まっているのは、「香りを逃がさない」という役割があるためです。
口元に当てたときに人間の鼻を丁度よく覆ってくれる大きさになるよう設計されており、ワインの香りを長く堪能できるといいます。
「ボウル」はワインが注がれる部分で、全体でみると「胴」にあたる場所になります。
ボウルの形状はさまざまで、一般的なものは洋ナシのような曲線を描くものが多いのですが、金魚鉢のように低く、かつ広めに設計されているものもあります。
余談ですが、これには深い理由があります。
1950年代後半、ワイングラスの有名メーカー『リーデル』の9代目社長クラウス・リーデル氏は「ワイングラスの形状によってワインの味が変わる」ということに気付きました。
以降、「ワインの味を最大限に引き出すワイングラスづくり」に注力したクラウス・リーデルは、ブドウの品種ごとに合わせたワイングラスを発表します。
これは、まさに「ワイングラスの革命」ともいえる出来事でした。
現在、「よりおいしく」と他メーカーでもいろいろな形状のワイングラスが作られていますが、当時は「思いもよらないものだった」といいます。
そして「ステム」は、英語では「茎」「軸」といった意味で、ワイングラスでは「脚」にあたる場所になります。
一般的なワイングラスの場合、ステムは長く、そして細く設計されています。
「力を込めたら簡単に折れてしまいそう」
そんな声が聞こえてきそうなこの設計ですが、これにより「持つ」「見る」という動作を可能にしています。
では「持つ」からご説明いたします。
ボウルは非常に薄いため、ステムがないと手の温度がダイレクトに伝わってしまいます。
しかし、ステムを持つことでこの手の温度が伝わることなく、「一番おいしい温度」で飲むことができます。
次に「見る」ですが、ワインは「目でも楽しむもの」といわれています。
ステムを持つことでボウルに注がれたワインだけを注視することができるようになるため、「ステムは細長いほうがいい」という声もあります。
最後は「プレート」です。
これは全体でみると「底」の部分で、ワイングラス全体を支える役割を担っています。一般的はボウルの直径と同じように設計されていますが、そうではないものもあります。
ワイングラスの持ち方
名称とその意味を理解していただいたところで、本題の「持ち方」をみていきましょう。
ワイングラスの持ち方には「日本式」と「国際式」があります。
日本式の場合、ワイングラスのステムを持つことが「良し」とされています。
親指で支え、人差し指、中指、薬指を添えれば完璧です。
先ほどステムの役割に「手の温度を伝えない」ということをお伝えしましたが、日本ではこれを重要視しており、また見た目が上品に、美しく見えるということから男女どちらも「ステム持ち」がマナーという位置づけです。
一方で諸外国では「ボウル持ち」が一般的となっています。
「ボウルに温度が伝わってしまうのでは……?」
そうです。
しかし、国際的なパーティーの場では立食形式が多く、不安定な「ステム持ち」をしていると、万が一人にぶつかった場合、お相手のお召し物や会場を汚してしまいます。
またパーティーの場は主催者やゲストとの会話を楽しむ場所であり、ワインのテイスティングをする場所ではありません。
こうした考え方から、本格的なテイスティングをするとき以外は「ボウル持ち」がマナーになっているのです。
結論、どちらが正しい?
日本で暮らす私たちは、どちらを取っても間違いということはありません。
しかし、あえて「正しい」という言葉を使うのであれば、状況を読んで持ち替えることが正しいといえます。
例えば結婚式。
披露宴の場では卓上をゲストが囲み、基本離席をせずに座っています。
よっぽどのことがない限り、大きなテーブルに置かれたワイングラスが倒れることはありません。こういった状況であれば「ステム持ち」でワインを召し上がるとよいでしょう。
とくに女性場合、所作も美しく見えるのでこちらがおすすめです。
しかし、披露宴が終了して立食式のパーティーへと場が変わった場合、そこでは「ボウル持ち」がよいでしょう。
リムに触れないように、そっと手を添えてあげると、ボウル持ちでも素敵な印象になります。
これは厳禁!
「乾杯!」
主催者が乾杯を発した時に、 ときどきワイングラス同士をぶつけて音を出す方がいます。
ですが、これはご法度です。
ワイングラスは薄いので、ぶつける力が強いと破損してしまう可能性があります。
ワインで乾杯をするときは、ワイングラスを自分の目の位置にまで上げ、「乾杯」と笑顔でいうだけで十分です。
ワイングラスの回し方
ワイングラスを回すことを「スワリング」といいます。
これをすると、ボウルの中のワインがより空気に触れやすくなり、酸化が進むことでワインがまろやかになり、口当たりがよくなるのです。
このようにワインの味・香りの変化を求めて行うのがスワリングなのですが、これにも作法があります。
回す数
回す数は2~3回です。
たくさん、そして大振りに回す必要はありません。
何度も大げさに回すことでボウルからワインがこぼれやすくなるうえ、「行儀がよくない」と思われてしまうこともあるため注意しましょう。
そして必ず、スワリングをする前の味、そして香りを確認したうえで行うようにしてください。
前述したとおり、スワリングは「変化を楽しむもの」。
はじめの香り、味を知らずにスワリングしてもまったく意味がありません。
そして、スワリングをしないほうがいいワインも数多く存在します。
披露宴では必ずといっていいほど登場するスパークリングワインは「スワリングをしない飲み物」です。
このように炭酸を含む飲み物はスワリングをしない傾向があるため、するべきワインのみで行うようにしてください。
方向
「時計回り?反時計回り?」
と気になる方もいらっしゃると思いますが、これはどちらでも問題ありません。回す方向によって味が変わることはありませんので、ご安心ください。
ただ一般的には右利きなら反時計回り、左利きなら時計回りです。
覚え方は簡単。自分側にワイングラスを引き寄せるようにして回す、と覚えておけばいいのです。こうすれば、勢いあまってしまったとしても被害は自分だけ、また最小限にとどめることができます。
まとめ
いかがでしょうか。
今回はワイングラスの持ち方についてまとめてみました。
そんなに難しいことは考えず、緊張しすぎず、ワインの世界を楽しんでみてください。
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