ウイスキーのカスクとは?カスクの種類やそれぞれの違いも解説!

ウイスキーにまつわる言葉「カスク」についてお調べでしょうか。

カスクはウイスキー造りになくてはならない存在です。カスクには複数の種類があり、使用する種類によって、ウイスキーの香りや味わいが変わってきます。

この記事では、

・カスクとはどのようなものか
・カスクの種類
・カスクに関する用語

をご紹介します。

ウイスキーのカスクとは

ウイスキーのカスクとは

カスクとは、ウイスキーの貯蔵・熟成に使う木製樽のことです。

カスクを使用することで、ウイスキーが琥珀色になり、豊かな香味や味わいが生まれます。

また、スコッチウイスキーやアイリッシュウイスキーでは「カスク」と呼ぶのが一般的ですが、ほかのウイスキーでは別の名称で呼ばれることがあります。

たとえばジャパニーズウイスキーでは、カスクを「熟成樽」と呼ぶことも。バーボンウイスキー(アメリカンウイスキーの代表格)やカナディアンウイスキーでは、「バレル」と呼ぶこともあります。

カスクの種類

カスクの種類
 

カスクは、使われる木材によって種類が分かれます。

ここでは、代表的な以下3種類のカスクについて、それぞれの特徴を見ていきましょう。

・バーボン樽
・シェリー樽
・ミズナラ樽

バーボン樽

バーボン樽とは、「バーボンウイスキーを貯蔵するための樽」もしくは、「過去にバーボンウイスキーを貯蔵していた古樽」のことです。

バーボン樽は現在、カスクの中では主流の存在です。バーボン樽を使用したウイスキーは、カラメルやバニラのような甘い味わいを特徴としています。

また、バーボンウイスキーを貯蔵するための樽は「アメリカンホワイトオークと呼ばれる木材を使った“新樽”であること」が条件です。

そのため、1度使用されたバーボン樽が、バーボンウイスキーの熟成に再び使われることはありません。

1度使用されたバーボン樽は、スコッチウイスキーの熟成に使われることが多く、スコッチウイスキーのおよそ90%でバーボン樽が使用されています。このように、ウイスキーの熟成では、もともと貯蔵されていたお酒の風味を活かすために古樽が使われることも少なくありません。

ミズナラ樽

ミズナラ樽は、ジャパニーズオークとも呼ばれる木材「ミズナラ」を使用した樽です。

ミズナラ樽で熟成したウイスキーの特徴は、「伽羅(きゃら)」や「白檀(びゃくだん)」の香りに例えられるような、オリエンタルな香りです。

近年、日本を象徴するフレーバーとして人気が集まっています。

ミズナラ樽の製造には手間がかかり、ほかのカスクと比べて生産量が多くありません。そのため、ミズナラ樽で熟成された銘柄は、価値が高く評価される傾向です。

シェリー樽

シェリー樽は、スペインの伝統的な酒精強化ワイン「シェリー酒」の熟成に使用していた古樽を指します。

酒精強化ワインとは、醸造工程中にアルコールを添加することでワイン全体のアルコール分を高めた、保存性のあるワインです。

シェリー樽を使用したウイスキーは、果実由来の甘い香りと味わいが特徴です。

実は、シェリー樽はカスクの始まりとされています。カスクによる熟成が始まった当初は、比較的入手しやすかったシェリー樽ですが、現在は需要の増加により希少となっています。

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「カスク」に関するウイスキー用語

「カスク」に関するウイスキー用語

ウイスキー好きの方は、ウイスキーのボトルラベルなどに、以下のような言葉が表記されているのを見たことがあるかもしれません。

・シングルカスク
・ダブルカスク
・トリプルカスク
・カスクストレングス

これらの言葉は、一体どのような意味を持つのでしょうか。詳しくご説明します。

シングルカスク

シングルカスクとは、単一の樽で熟成された原酒のみを瓶詰めしたウイスキーを指します。

シングルカスクは、この後ご紹介する「カスクストレングス」で瓶詰めされるのが一般的です。カスクストレングスで瓶詰めされることにより、樽で熟成されたそのままの味わいを楽しめます。

ダブルカスク

ダブルカスクとは、2種類の樽で熟成させた原酒をブレンドしたウイスキーのことです。

たとえば、「ヨーロピアンオークのシェリー樽」と「アメリカンオークのシェリー樽」の2種類を使用しているケースが挙げられます。

2種類の樽で熟成させた原酒をブレンドすることで、バランスの取れた味わいが生まれます。

トリプルカスク

トリプルカスクは、3種類の樽で熟成させた原酒をブレンドしたウイスキーのことです。

ダブルカスクと同様、複数の樽で熟成させた原酒を絶妙にブレンドすることで、バランスの取れた奥行きのある味わいになります。

カスクストレングス

カスクストレングスとは、樽から出したままのアルコール度数のことです。

ウイスキーは一般的に、瓶詰めされる前に水を加え、アルコール度数を40度ほどに下げます。しかし、カスクストレングスで瓶詰めされたウイスキーは水が追加されないため、アルコール度数が55〜60度ほどと高いのが特徴です。

カスクに着目するとウイスキーの楽しみ方が広がる

カスクに着目するとウイスキーの楽しみ方が広がる

ウイスキーの貯蔵・熟成に使われる木製樽「カスク」は、ウイスキー造りで重要な役割を果たしています。

カスクは、使われる木材によって種類分けされます。カスクの種類によって味わいや香りに違いが生まれる点は、ウイスキーの奥深さといえるかもしれません。

カスクにご興味のある方は、異なる種類のカスクを使用したウイスキーを飲み比べ、それぞれの違いを確かめてみてはいかがでしょうか。

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