ワインの当たり年とは?最近のワインは高く売れる?
「今年は◯◯の当たり年です」というフレーズを、一度は耳にしたことがあると思います。当たり年とは、農作物の収穫や利益が多い年などを指しますが、近年では物事がうまくいった年など「縁起の良い年」としても使われるようになりました。
当記事では、さまざまな当たり年の中でも「ワインの当たり年」について詳しく解説いたします。産地ごとのワインの特徴や、近年のワイン相場についても解説いたしますので、お手持ちのワインと見比べてご覧ください。
目次
ワインの当たり年とは
同じ銘柄のワインでも、価値は年々変動します。要因として、ワインの原料であるブドウの出来や、収穫量が毎年大きく変わるためです。
そして、ワインの当たり年とは、生産者にとってワイン造りに適したブドウが、最高の状況で実った年を指します。
当たり年の基準
当たり年の基準は、ワインの原料であるブドウの出来によって変わります。
ブドウは雨量や気温などの気候条件によって、味が大きく左右されます。
天候は毎年一定ではないため、良質なブドウを作るには、ブドウに適した気候条件がいかに揃うかが「当たり年」になるカギなのです。
ヴィンテージワインとは
ワインにもヴィンテージと呼ばれるものがございます。
ヴィンテージという言葉は、古くて価値が高いものと認識されがちですが、元々はワイン業界の言葉で「ブドウの収穫年」を指します。ワインボトルのラベルに、「1990」や「2005」などの数字が表記されているのをご存知でしょうか。
これらの数字は、特定の年に収穫されたブドウのみを使用したワイン、「ヴィンテージワイン」であることを表しているのです。
さらに、ヴィンテージワインの中でもとくに優れた味わいのワインを「グレートヴィンテージ」と呼び、別名で「当たり年」と呼ぶこともあります。逆に数字の表記がないボトルは、「ノンヴィンテージワイン」と呼び、あらゆる年のブドウをブレンドして造られています。
ヴィンテージチャート
当たり年のワインを知りたくても、1年ごとに調べていたらキリがないですよね。そこで、目安となるのが「ヴィンテージチャート」です。
ヴィンテージチャートとは、生産地ごとにブドウの収穫年(ヴィンテージ)やワインの品質を専門家が一般的に評価し、ひと目で「当たり年」か「不作の年」かを確認できる図表のことです。
ヴィンテージチャートによる評価は、同じ生産者のワインでも「当たり年」と「不作の年」では、大きく市場価値が変わります。しかし、ヴィンテージチャートは絶対的なものではございませんので、ワイン選びの際はあくまでも1つの参考情報として捉えておきましょう。
当たり年は生産地によって違う?
上記で、「当たり年」のワインを造るには、ブドウ栽培に適した気候条件が重要だと述べました。しかし、産地によって気候が異なるため、イタリアがワインの当たり年だとしても、スペインも同じ当たり年とは限りません。
下記では、国別に「産地の特徴」やこれまでの「主な当たり年」についてご紹介いたします。
フランス
フランスは、世界のワイン産地の中でも「ワイン王国」として有名です。シャンパーニュ、ブルゴーニュ、ボルドーなど、フランスは世界中でも質の高いワインを生産し続けています。
フランスの土地は、多くが石灰質(水捌けの良い土壌)のため湿気に弱いブドウの栽培に適しており、良質なワインを造る環境が整っているのです。また、フランスでは地域の特徴を生かしたブドウ栽培、ワイン造りを行っているため、多様性や品質の面で世界中から愛され続けています。
1989年 / 1990年 / 2000年 / 2005年 / 2009年 / 2015年
とくに2005年と2009年は、ボルドー地方やブルゴーニュ地方の赤ワインが最高の出来となりました。
イタリア
小都市国家の集まりだったイタリアは、それぞれの小都市がワインを生産していた歴史から、世界で一、二を争うワイン生産国となりました。
イタリアの産地は、温暖で日照時間も長いことからブドウが完熟しやすい気候となっています。また、ブドウの生育期にほとんど雨が降らないため、湿気を嫌うブドウにとって最適な環境です。
1985年 / 1990年 / 2000年 / 2004年 / 2010年 / 2016年
2010年と2016年のトスカーナ州とピエモンテ州は、長期熟成に向いたワインが多く生産され、現在では価格も上昇しています。
日本
ここ数年で、日本のワインは人気が高まっています。ワインは日本全国で造られており、山梨、長野、北海道、山形が主な産地です。
日本の気候は、ワイン産地が集まるヨーロッパと比べて雨量が多く、湿度が高い環境です。しかし、季節の移り変わりが多い環境の中でも、それぞれの土地に合ったブドウの栽培に取り組んでいます。
1992年 / 2002年 / 2012年
日本のワインは、まだヴィンテージチャートや当たり年の評価などの情報が多くありません。そのような中、2012年のワインは雨量や日照時間などの天候条件がすべて揃い、長期熟成が見込める良質なワインが多く造られました。
ワインの大当たり年!
下記では、ワインを詳しく知らない方でも抑えておきたい、グレートヴィンテージ(ワインの大当たり年)をご紹介いたします。
1945年
1945年は、第二次世界大戦の終戦後、各地の生産者がワイン造りに力を入れました。また、この年は1年を通して天候に恵まれたため、ヨーロッパ全体で良質なブドウを収穫できました。そのため、1945年のワインは、20世紀の中でも素晴らしい当たり年の1つといわれています。
一度はお目にかかりたい代物ですが、80年前のヴィンテージワインとなると存在自体の希少性に加え、有名銘柄であればその価格は計り知れないでしょう。
1990年
1990年は、世界中の産地で大当たり年となりました。春先から収穫期まで完璧な天候が続いたことから、ブドウがよく熟し収穫量も豊富なヴィンテージとなっております。
ワイン王国であるフランスでも「歴史に残る世紀のヴィンテージ」と称されており、世界中の銘醸地でビックビンテージとなりました。
2000年
2000年は、記念すべき「ミレニアム(世紀が変わる年)ヴィンテージ」となりました。この年はとくに、ボルドー全域(フランス南西部のワイン産地)で文句なしのヴィンテージとなり、1990年に匹敵する出来栄えといわれています。
また、ミレニアムヴィンテージの付加価値もあり、五大シャトーをはじめとするワインなどは、非常に高値がつきました。
シャトーとは、フランスのボルドー地方でブドウ畑を所有し、栽培から瓶詰めまで一貫してワイン造りを行う醸造所のことです。そして、五大シャトーとは、61箇所のシャトーを1級〜5級にランク分けし、それらの中からとくに優れた1級を持つ5箇所のシャトーを指します。
2005年
2005年は、フランス全域で2000年以来のグレートヴィンテージとなりました。夏は非常に乾燥していたこともあり、上質な渋みと酸をもたらす素晴らしいワインが産出されたのです。
中でも、オーストラリアの銘醸地であるバロッサ・ヴァレーや、フランス東部のブルゴーニュのワインは大当たり年として知られ、いずれも高値で取引されています。
超熟タイプのワインも多く生まれ、高級ワインであれば2040年まで飲み頃が続く代物も。
最近のワインは高く売れる?
ヴィンテージとは、「ワインの原料であるブドウの収穫年を表す言葉である」とご説明いたしました。
しかし、ヴィンテージの古く良質なものというイメージから、「ワインも古いものが高いのでは?」と思われている方が多いように感じます。
ですが、毎年ブドウの品質が変わるように、ワインの価値はブランド性、ヴィンテージ、希少性などいくつかの付加価値によって決まるとされています。
2010年〜のワインはほとんど当たり年!?
2010年以降のヴィンテージチャートでは、毎年のように高評価のワインが産出され続けています。1つの要因として、技術の進歩により毎年安定したブドウの収穫ができていることが挙げられ、2010年以降のヴィンテージはほとんどハズレ年がありません。
一方で、地球環境の変化による霜害や洪水などの急激な自然災害の影響で生産量が減り、一部の地方ではワイン価格が毎年高騰しています。
近年のワイン相場
近年、ワインの相場は上昇傾向にあります。上記でもご説明した自然災害の影響以外に、ワインには欠かせないボトルやコルクの価格が急上昇したことを受け、結果的にワインが値上がりしてしまうのです。
しかし、ワインにはそれぞれ飲み頃が決まっており、飲み頃を過ぎてしまうとワイン本来の価値や味わいを失ってしまいます。そのようになってしまわないように、お手持ちのワインの飲み頃を調べておきましょう。
ヴィンテージチャートを利用する方法もございますが、評価はあくまでも目安ですので、不安な方は専門業者に相談することをオススメします。
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まとめ
ここまで、ワインの当たり年や近年のワイン相場についてご紹介いたしました。
ワインの当たり年とは、ワインの原料であるブドウが生産者にとって最高の状態で収穫できた年を指します。また、近年のワイン相場は上昇傾向にありますが、それぞれのワインによる飲み頃や価値を知っておくことも大切です。
ワインの価値を知るには、ヴィンテージチャートで調べることも1つの方法ですが、あくまで一般的な評価になります。そのため、より詳しく知りたい方は専門業者に相談してみてはいかがでしょうか。
福ちゃんでは、オールドヴィンテージ(古いヴィンテージワイン)から最近のワインまで幅広く査定させていただき、価値に見合った価格をご提示いたします。
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