小林古径とは?作品の買取価格、犬や猫をモチーフにした代表作に加え、「小林古径記念美術館」をご紹介します

「小林古径ってどんな人?」
「小林古径の作品価格が知りたい」


など、小林古径や作品の価値について知りたい方のために、略歴や福ちゃんでの買取事例などをご紹介します。

代表作や移築復元した小林古径邸などの展示を行っている「小林古径記念美術」についても触れています。

ぜひ参考にしてください。

小林古径とは?

小林古径(こばやしこけい)とは?

小林古径(こばやしこけい)は、明治から昭和にかけて活躍した、日本画壇を代表する巨匠です。

その繊細な筆致と優美な色彩で描かれた作品は、見る者の心を深く魅了し、日本画の新たな時代を切り開きました。

そのような、小林古径の略歴と作品の特徴を解説します。

小林古径の略歴

1883年、現在の上越市にあたる新潟県中頚城郡に生まれた小林古径は、幼い頃に母を亡くし、10代で兄と父も亡くすという過酷な運命に直面します。

たった1人の家族となった妹と共に過ごした少年時代、小林古径は絵を描くことに慰めを見出しました。

1894年、小林古径は横山大観と同時期に東京美術学校で学んでいた「山田於菟三郎(やまだおとさぶろう)」に師事し、日本画の基礎を学びます。絵の道を志す決意を固めた小林古径は、1898年当時、新潟で活躍していた日本画家・「青木香葩(あおきこうは)」に師事し、歴史画の技法を習得しました。

翌1899年には上京し、挿絵や歴史画で高い評価を得ていた「梶田半古(かじたはんこ)」の門下に入ります。小林古径は持ち前の才能と努力で目覚ましい成長を遂げ、1904年には第1回再興日本美術院展に入選を果たし、日本画家としてのキャリアを華々しくスタートさせました。

1907年には梶田半古の塾頭となり、後に日本画壇の最高峰と称される「奥村土牛(おくむらとぎゅう)」の指導にもあたりました。1922年には、さらなる技術向上を目指して渡欧し、西洋美術を学んだのです。その際、大英博物館で中国画家・東晋の代表作『女史箴図巻』に感銘を受け、中国画の研究にも取り組み始めます。

1937年には新文展の審査員に就任し、1944年には東京美術学校教授として後進の指導にあたるなど、日本画壇において重要な役割を担いました。1951年には文化勲章を受章し、翌年には文化功労者となり、日本画家としての栄誉を手にしたのです。

波乱に満ちた生い立ちを乗り越え、日本画壇の巨匠へと登り詰めた小林古径は、1957年にこの世を去りました。その繊細な筆致と優美な色彩で描かれた作品は、今もなお多くの人々を魅了し続けています。

小林古径(こばやしこけい)作品の特徴

小林古径は、人々の生活における何気ない瞬間や、身近な動植物を題材にした作品を多く残しました。

彼の作品の特徴は、中国画を基盤とした繊細な線が緻密に描き込まれている点と、明るい色彩が用いられている点です。

小林古径の線描技術は「蚕の吐く糸のような」と評されるほど高度で、対象の美しさが明瞭かつシンプルに表現されています。

無駄のない線使いは作品に崇高な雰囲気を与え、日本画の新たな魅力を生み出すことに成功しました。

小林古径の作品は、繊細な線描と美しい色彩によって、見る者に深い感動を与えてくれます。また、身近な題材を題材としているため、親しみやすく、温かみを感じる作品が多いのも特徴です。

小林古径作「雛」の買取価格

小林古径(こばやしこけい)「雛」の買取価格

福ちゃんは、小林古径の「雛」という作品をお客様から買取した実績があります。

この作品は、シンプルな雛図ながら、小林古径の繊細な線描が見事に表現されている貴重なものです。雛図の掛軸は、一般的に2月4日の立春から2月の中旬にかけて飾るものですが、需要が限定的なため、高額でのお取引となることは稀です。

しかし、今回の作品は、東京美術倶楽部の鑑定証書付きで画集掲載品という希少価値の高いものでした。そのため、お客様にご満足いただける18万円という価格で買取いたしました。

小林古径は、日本画界に多大な貢献をした巨匠です。日本文化を継承しつつ、新たな文化を生み出すことに尽力しました。

そのような小林古径の功績も考慮し、今回の買取価格を決定させていただきました。

福ちゃんでは、掛軸などの骨董品買取を強化しております。ご家庭などに眠っているお品物があれば、ぜひ一度ご相談ください。無料で査定いたします。

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⚠︎CAUTION!
当記事でご紹介している買取相場はあくまでも目安です。実際の買取価格は保管状態や市場の需給バランスなど、さまざまな要因で変動します。詳細は骨董品買取業者にご確認ください。

小林古径の代表作

小林古径(こばやしこけい)の代表作

  • ✔︎ 髪
  • ✔︎ 犬(庭の一隅)
  • ✔︎ 猫

小林古径の代表作として、「髪」「犬(庭の一隅)」「猫」の3つを紹介します。

小林古径の代表作である「髪」は、女性の髪を繊細な線と色彩で描いた作品です。

1本1本丁寧に描かれた髪の毛は、まるで生きているかのような生命感を放ち、見る者を魅了します。この作品は、小林古径の線描技術と色彩感覚の真骨頂といえるでしょう。

小林古径作の「髪」は、国内初の裸体画切手のデザインになったことでも有名です。

中国画を研究し、古径自身の技術を加えて生み出された作品といわれています。

犬(庭の一隅)

1932年に制作された「犬(庭の一隅)」は、当時小林古径が愛していた2匹の犬がじゃれ合う姿を描いた作品です。

ふわふわの毛並み、愛らしい表情、そして生き生きとした躍動感。その姿からは、生命の尊さと美しさを感じる温かい雰囲気が伝わってきます。

小林古径は熱心な愛犬家であり、「犬(庭の一隅)」以外にも、多くの犬をモチーフにした作品を残したことでも有名です。

これらの作品は、犬の持つ愛らしさや生命力を見事に表現しており、現在でも多くの人々を魅了し続けています。

1946年に描かれた「猫」は、小林古径の代表作の1つとして知られています。

静寂な空間を思わせる素朴な背景に、しなやかな線で描かれた1匹の三毛猫。凛々しい表情とニヒルな笑みを浮かべるその姿は、見る者を惹きつけて離しません。

シャープな輪郭線によって表現された猫は、まるで神々しさすら漂う存在感を放っています。

小林古径は猫も愛しており、多くの猫をモチーフにした作品を残しています。

「猫」は小林古径の作品の中でも、とくに有名な作品であり、その人気は衰えることを知りません。

「小林古径記念美術館」について

小林古径記念美術館について

2002年に新潟県上越市に開館した「小林古径記念美術館」は、小林古径の作品をはじめ、上越市ゆかりの画家の作品を収蔵・展示する美術館です。

館内には、古径の代表作である「犬(庭の一隅)」「猫」をはじめ、数多くの作品が展示されています。

2016年から増築工事のため長期休館していましたが、2020年にリニューアルオープンしました。

また、敷地内には、国の登録有形文化財である旧小林邸が移築復元されています。小林古径が実際に暮らしていた邸宅を見学することで、彼の創作活動や人柄をより身近に感じられます。

小林古径の芸術に触れたい方、上越市の美術に興味がある方にオススメの美術館です。

上越市を訪れた際には、「小林古径記念美術館」で日本画の美を堪能してみてはいかがでしょうか。

小林古径記念美術館について詳しくはこちら↓
小林古径記念美術館 – 上越市ホームページ

線画を極め日本画壇を牽引した小林古径

線画を極め日本画壇を牽引した小林古径(こばやしこけい)

日本画壇を牽引した巨匠、小林古径(こばやしこけい)。 

新潟県上越市出身の小林古径は、1922年の渡欧をきっかけに中国画の魅力に触れ、その高い技術を融合させた独自の画風を確立しました。

代表作には、切手デザインにも採用された「髪」、愛犬を描いた「犬(庭の一隅)」、不敵な笑みを浮かべる「猫」などがあり、日常や動植物を題材とした作品を得意とした画家として知られています。

1951年には文化勲章を受章、翌年には文化功労者となり、日本画壇を牽引する存在として活躍しました。

福ちゃんでは、小林古径の「雛」という作品を18万円で買取した実績があります。

この作品は、立春から2月中旬に飾られる雛図の掛軸でしたが、お買取時期と需要が高まる時期にずれがありました。しかし、骨董品のプロの観点から、小林古径の経歴や付属品など幅広い視点で査定し、作品本来の価値を高く評価させていただきました。

福ちゃんでは、作品の状態や付属品の有無など目に見える部分だけでなく、作家の功績や需要の変動といった部分も考慮し、幅広い視野で査定を行います。

小林古径の作品売却をご検討の方は、ぜひ福ちゃんにお任せください。

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