金城一国斎(きんじょういっこくさい)の買取価格|広島の漆芸一家の歴史や7代の功績について解説

「金城一国斎の作品はどれくらいの価値があるのか?」
「金城一国斎はどんな作品を作ったのか?」


など、金城一国斎について知りたい方のために、歴史や作品の特徴についてご紹介します。

5代一国斎の作品買取価格や、7代一国斎手がけた、美しい蒔絵(まきえ)グラスなど、気になる情報も満載です。

ぜひ参考にしてください。

金城一国斎(きんじょういっこくさい)について

金城一国斎(きんじょういっこくさい)について

金城一国斎は、広島県を拠点に活動する漆芸家です。

江戸時代から続く金城一国斎家系は、広島県指定の伝統的工芸品である「一国斎高盛絵」を代々受け継ぎ、守り続けています。

ここからは、金城一国斎家系の歴史と作品の特徴をご紹介します。

金城一国斎(きんじょういっこくさい)の歴史

金城一国斎の歴史は、江戸時代まで遡ります。

初代「沢木正平」は1811年、尾張徳川家の小納戸御用塗師(お抱え塗師となり、金城一国斎を名乗ったのが歴史の始まりです。

初代は伊勢の松坂白粉町(現在の三重県)に生まれ、大坂で漆技を習得した後、名古屋に移住し尾張藩に召し抱えられました。

初代には3人の息子がおり、それぞれが金城一国斎を名乗りましたが、現在の7代目金城一国斎の系譜を辿ると、次男の「中村一作」が2代目となります。

2代目は、鎌倉や長崎など各地を遍歴しながら、独自の技法「高盛絵(たかもりえ)」を考案した人物です。

高盛絵は、漆を筆で盛り上げて立体的な装飾を施す技法で、平面的な加飾とは一線を画します。

眼病治療のために広島を訪れた2代目は、江波焼の陶工「池田金五郎」の長男である「木下兼太郎」に漆技を伝授し、1854年に兼太郎が3代目となりました。

広島県が拠点となるのは、この頃からです。

3代目は、2代目が考案した高盛絵を技術として完成させ、数々の賞を受賞。

その後、一子相伝で金城一国斎の技法が受け継がれていきます。

4代目は高盛絵に色彩を加え、5代目は蒔絵を習得して高盛絵をさらに発展させました。6代目は伝統を守り後世に伝え、7代目は彫漆や切金を加え、新たな高盛絵を創造しています。

金城一国斎は、伝統を守りつつ、代替わりの度に漆芸を進化させてきた一家です。

金城一国斎(きんじょういっこくさい)が手がける作品の特徴

金城一国斎の作品は、「高盛絵(たかもりえ)」と呼ばれる独特の技法によって生み出されています。

高盛絵は、漆と砥の粉を練り合わせた高盛漆を筆で盛り上げ、立体的な装飾を施す技法です。

日本では金城一国斎のみが受け継ぐ伝統技法であり、その精緻な技術と鮮やかな色彩は国内外で高い評価を得ています。

金城一国斎の作品は、四季の花鳥風月を主なテーマとしています。

春は桜や牡丹、夏は朝顔や金魚、秋は紅葉や萩、冬は雪景色など。季節の移ろいを美しい色彩で表現しています。

伝統的な高盛絵技法を守りつつ、現代的な感覚を取り入れた作品は、見る人の心を惹きつけてやまない魅力があります。

5代金城一国斎(きんじょういっこくさい)「茶道具」4点セット買取価格

5代金城一国斎(きんじょういっこくさい)「茶道具」4点セット買取価格

福ちゃんでは、5代金城一国斎が手がけた茶道具4点、「棗」「香合」「香筒」「茶杓」の買取実績があります。

5代金城一国斎は、本名を「池田勝人」といい、1906年に4代金城一国斎の三男として生まれました。

当時日本を代表する漆芸家であった「赤塚自得(あかつかじとく)」に師事し、金蒔絵を習得した後、父である4代から高盛絵を学んだのです。

父と共に広島県無形文化財に指定されるなど、高い技術と芸術性を誇る漆芸家として活躍しました。

後に、師から一字もらい、「自勝」と号します。

今回の買取作品には、金城一国斎作品の特徴である「高盛絵」と「蒔絵」の技法が存分に活かされています。

それぞれのお品物に、草花や昆虫が立体的に表現されており、見るだけでなく触れることでも楽しめる作品です。

総合的な価値を評価し、当作品を14万円で買取いたしました。

⚠︎CAUTION!
ご紹介している買取相場はあくまでも 目安 です。実際の買取価格は保管状態や市場の需給バランスなど、さまざまな要因で変動します。詳細は骨董品買取業者にご確認ください。

7代が継ぐ現在の金城一国斎(きんじょういっこくさい)

7代が継ぐ現在の金城一国斎(きんじょういっこくさい)

現在の金城一国斎は、7代目が受け継いでいます。

7代目の経歴や、G7の首脳に贈られた蒔絵グラスについて、ご紹介します。

7代金城一国斎(きんじょういっこくさい)の経歴

7代目は、1965年に広島県で生まれました。本名は「池田昭人」です。

幼い頃から父である、6代金城一国斎に師事し、伝統的な高盛絵技法を習得しました。

1983年には香川県漆芸研究所入所し、漆芸家としの道を本格的に歩み始めます。

1991年に5代と6代を相次いで亡くし、26歳の若さで7代目金城一国斎を襲名しました。

襲名後は、伝統を守りつつ、現代的な感覚を取り入れた作品作りに励みます。その後、日本伝統工芸展に20回入選するなど、作家として頭角を表していきます。

2011年には広島県指定無形文化財「一国斎高盛絵」技術保持者に認定され、高盛絵の技術を確固たるものにしました。

現在、7代目は伝統技法に独自の工夫を加え、唯一無二の高盛絵作品を生み出すことに尽力しています。

G7の首脳に贈られた蒔絵(まきえ)グラス

2023年5月19日から3日間に渡って開催されたG7広島サミットでは、出席した各国の首脳に、7代金城一国斎が手がけた「蒔絵グラス」のペアセットが贈られました。

このグラスは、持ち手から台座にかけて、片方が赤く、もう片方が緑に色づく鮮やかなデザインが特徴です。台座には、広島を象徴する紅葉や錦鯉が金蒔絵の技法で美しく描かれています。

グラスの台座に施された蒔絵は、世界で唯一の技術で閉じ込められており、日本の歴史と文化を楽しめる、究極の作品といえるでしょう。

日本で唯一の漆技「高盛絵」を伝える金城一国斎

日本で唯一の漆技「高盛絵」を伝える金城一国斎

金城一国斎は、広島県を拠点とする漆芸一家です。

江戸時代から続く長い歴史を持ち、日本で唯一「高盛絵」と呼ばれる技法を受け継いでいます。

高盛絵は、漆を盛り上げて立体的な文様を描き、色彩を施す技法です。代々一子相伝で受け継がれてきた伝統技術であり、金城一国斎作品の特徴の1つとなっています。

現在は7代目が金城一国斎を名乗り、伝統的な高盛絵技法に独自の工夫を加えた作品作りに取り組んでいます。古き良き伝統を守りつつ、時代に則した新しいものを生み出す感性は、金城一国斎代々受け継がれてきたものです。

2023年5月に開催されたG7広島サミットでは、7代目が手がけた蒔絵グラスが各国の首脳に贈られ、その技術と芸術性が世界に認められました。

福ちゃんでは、5代金城一国斎が制作した茶道具4点を買取した実績があります。

高盛絵や蒔絵などの技法が用いられた、存在感あふれる作品として高く評価させていただきました。

骨董買取に強みのある福ちゃんでは、金城一国斎が築いた漆芸の歴史、日本の伝統文化への貢献。そして、新たな時代を創造する現在の金城一国斎の活動などを考慮し、国内外の需要を的確に見極めた査定額のご提示が可能です。

金城一国斎の作品買取をお考えの方は、ぜひ福ちゃんにお任せください。

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