王一亭(おういってい)の芸術作品や白龍山人としても活躍した略歴など紹介
「王一亭の芸術作品について知りたい」
「王一亭の作品は価値が高い?」
など、王一亭について調べている方のために、略歴や作品の特徴などを解説します。
福ちゃんで実際にお買取した作品の買取価格もご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。
目次
王一亭(おういってい)について
王一亭は、清代末期から中華民国初期まで、上海を中心に活動した、近代中国美術界を代表する巨匠です。
実業家・銀行家・政治家・書画家など多彩な顔を持ち、各分野で非凡な才能を発揮しました。
下記より、王一亭の生涯(略歴)と、書画家としての功績を詳しくご紹介します。
王一亭(おういってい)の略歴
王一亭は、1867年に上海で生まれました。本名を「王震(おうしん)」といいます。
「一亭(いってい)」は字(あざな)であり、一般的には王一亭の名で有名です。15歳で銀行ボーイとして働きはじめ、合間に外国語を学んだという逸話は、彼の向上心と勤勉さを物語っています。
その後、船舶運輪・保険・電気事業など、さまざまな分野で活躍。留まることを知らないハングリー精神で、上海の商業界で名を馳せたのです。
中華民国が建国された1912年には農商務大臣に就任し、革命派としての活動にも熱心に取り組みました。
晩年は「白龍山人」と号し、1938年に72歳(満70歳)でその生涯を閉じました。
書画家としての王一亭(おういってい)
王一亭は、山水画・人物画・花鳥画・仏画など、多岐にわたる分野で優れた作品を残した画家です。伝統にとらわれない自由な発想と力強い筆運びは、「天衣無縫、雄健渾厚」と評されるほど、見る者を圧倒します。
とくに花卉山水画に力を注ぎ、年齢とともにその技術は飛躍的に向上しました。晩年は仏教への信仰が深まり、毎日仏画を描いて過ごしたという逸話も残されています。
王一亭の書画への情熱は青年時代からであり、当初は「任頤(じんい)」に師事して絵画を学びました。
その後、文人画家「呉鎮(ごちん)」から山水画の手ほどきを受け、さらに「呉昌碩(ごしょうせき)」と親交を深めることで、独自の画風を確立していきます。
呉昌碩は王一亭の作品に落款を施したこともあるほど、師弟関係を超えた「強い絆」があったといわれています。
王一亭(おういってい)「花石図」の買取価格
福ちゃんでは、王一亭が手がけた「花石図」という掛け軸をお買取した実績があります。
花石図は、王一亭が得意とした山水図の作品の1つです。素朴な線から豊かな表現を生み出す、王一亭の特徴が顕著に表れており、見る者を惹きつける魅力があります。
今回お買取した作品は、経年によるシミが少し見られたものの、全体的には良好な状態を保っていたことから45万円でお買取いたしました。
王一亭は親日家としても知られており、日本国内には多くの作品が残されています。近年、国内で発見された王一亭の作品はコレクターなどから注目されており、高額買取される可能性が高いといえるでしょう。
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親日家だった王一亭(おういってい)
王一亭は、日本に多くの友人を持つ親日家として知られています。1923年に発生した関東大震災では、日中関係が緊迫した状況下で真っ先に救援活動を主導し、日中友好の架け橋となる役割を果たしました。
王一亭は、震災で亡くなった人々を追悼するために、「鎮魂の鐘」を日本に寄贈しました。これは、当時としては非常に画期的な行動であり、日中関係改善の大きなきっかけとなったのです。
また、中国仏教会とともに「仏教普済日災会」を組織し、犠牲者の法要を行いました。被災者への深い思いやりと、日中友好への強い願いが込められた行動といえるでしょう。
王一亭の支援活動は、物資の救援だけではありませんでした。書画を寄贈したり、展覧会を開催して収益を寄付したりするなど、多角的な支援を行ったのです。
これらの活動を通じて、王一亭は関東大震災の復興に大きく貢献し、日中関係の礎を築いた人物として高く評価されています。
王一亭の義援活動は、日中両国の歴史に深く刻まれています。彼の行動は、国境を越えた友情と、困難を乗り越えようと努力する人々の姿の象徴として、時代を超えて語り継がれるでしょう。
実業家の余儀を超える王一亭(おういってい)の芸術
王一亭は、銀行家や実業家など、多才な人物として知られる一方、青年時代から熱中した書画においても画家としての才能を開花させました。
任頤・呉鎮・呉昌碩といった名だたる画家に師事し、とくに呉昌碩とは師友以上の関係を築いたといわれています。
山水画・人物画・花鳥画・仏画など、幅広いジャンルで優れた作品を生み出し、花卉山水を最も得意としました。晩年は仏教への信仰を深め、多くの仏像画を残しています。
親日家としても知られ、1923年の関東大震災では救援や復興に尽力。日中関係を象徴する人物としても有名です。
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