- 骨董
- 2024.03.10
ジョルジュ・ルオーの買取価格は?作品の特徴や代表作、ルオーの略歴などを解説

「ジョルジュ・ルオーの作品はどれくらいの価格がつく?」
「ジョルジュ・ルオーの芸術作品について知りたい」
など、ジョルジュ・ルオーについて知りたい方のために作品の価値などについて解説します。
代表作や福ちゃんがお買取した「秋」という作品についても紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
ジョルジュ・ルオーについて

ジョルジュ・ルオーは、「20世紀最大の宗教画家」として名高いフランスの画家です。
聖書を題材とした作品を中心に、独特な色彩と力強い表現で人々の心を揺さぶる絵画を数多く生み出しました。
独自の芸術を追い求め、超越した次元に行き着いたジョルジュ・ルオーの略歴や作品の特徴をご紹介します。
略歴
ジョルジュ・ルオーは、1871年にフランスのパリに生まれました。
少年期からエドゥアール・マネ、ギュスターヴ・クールベなど、19世紀を代表する画家の作品に触れ、深い感銘を受けます。14歳になると装飾美術学校に通い、ステンドグラス職人であるエミール・イルシュの元で修行を積みながら、画家としての夢を追い求めました。
19歳のときに、フランスの高等美術学校であるエコール・デ・ボザールに入学したルオーは、フランス象徴主義の巨匠「ギュスターヴ・モロー」と出会い、その指導を受けます。モローの深い洞察と精神性に触れたルオーは、独自の芸術性を開花させ、モローを生涯の師と仰ぎました。
モローに対する敬愛の念が止まらないルオーは、1903年にモローが死去した後、彼の旧居を「ギュスターヴ・モロー美術館」として開放。自身が初代館長として務めながら、画家としての活動を行いました。
1907年の初個展で多くの芸術家に衝撃を与えたルオーは、道化師、娼婦、宗教的な主題など、さまざまな題材を力強い色彩と独特な表現で描き上げました。とくに、キリスト教への深い信仰に基づいた宗教画は、教会からも絶賛を浴び、ジョルジュ・ルオーの名声を確立したのです。
1955年にはフランス人画家として初めて聖グレゴリウス勲章を受賞し、世界的な名声を得ます。晩年は、ますます輝きを増した色彩を用いて穏やかさを表現する作品を多く残し、1958年に86歳で生涯を閉じました。
作品の特徴
ジョルジュ・ルオーの作品は、重量感のある黒い輪郭と原色を使用した鮮明な彩色、厚塗りの絵具による独特な質感が特徴です。
明快な線と色彩は、彼が青年期に修行していたステンドグラスの影響を受けたといわれています。
ルオーが作家人生の初期に描いた、娼婦や道化師などの作品は、社会の不平等や不道理の中を生きる人々の苦悩などが描かれています。
最も注目度が高い作品は、ジョルジュ・ルオーが作家人生の後期に描いた、キリスト教を主題とした作品です。
キリストの顔を描いたものが多く見られ、何度も描くことで神への愛と信仰、苦しみを抱える人々への慈悲を表していたといわれています。
また、完成した作品に加筆を続ける完璧主義な一面や、納得いかない300点以上の未完成作を焼却処分する徹底ぶりは、ルオーのストイックな制作姿勢を示す逸話として有名です。
ルオーの作品は、画家としての情熱が漲り、見る者を圧倒する力強い魅力を放っています。その独自の表現は、多くの人の心を捉え、時代をこえて愛され続けています。
ジョルジュ・ルオー「秋」の買取価格

福ちゃんでは、ジョルジュ・ルオーの「秋」という作品をお買取した実績があります。
本作は、版画家としても圧倒的な才能を持っているルオーの銅版画です。
水彩画のように「面」で濃淡を表現する技法の「アクアチント」が用いられています。
アクアチントはピカソも使用したといわれており、随所で明暗をわけてどこか静謐な空気感を漂わせる演出が可能です。
ルオーの特徴である太い輪郭線と裸体群像、円熟期のルオーの真骨頂が見て取れることから、87,000円という価格でお買取いたしました。
ルオーの「秋」という作品は多くあります。その中でも、色がついたカラー作品は、さらに評価が高くなる傾向です。
ジョルジュ・ルオーの代表作

- ✔︎ 聖顔
- ✔︎ ミセレーレ
- ✔︎ マドレーヌ
ルオーの作品は、独特な色彩と力強い表現で、見る者の心を揺さぶります。
ルオーの代表作としてとくに有名なのは、キリストの顔を描いた「聖顔」や版画集の「ミセレーレ」、晩年の作品である「マドレーヌ」です。
それぞれの代表作を、ルオーの人生と合わせてご紹介します。
キリストの苦悩と慈愛を表現した「聖顔」
ルオーにとってキリストは、苦しみを受けながらも人類を愛する、特別な存在でした。
「聖顔」は、そのようなキリストの顔を大きく描いた作品です。十字架を背負い、苦痛に耐えるキリストの表情は、見る者の心に深く訴えかけます。
ルオーは、ヴェロニカ伝説から着想を得て、キリストの顔を布に焼きつけるという表現を用いています。この表現方法は、キリストの苦しみを人々に伝えようとする、ルオーの強い意志を感じさせるものです。
戦争の悲惨さを描いた大作版画集「ミセレーレ」
1914年に勃発した第一次世界大戦は、ルオーに大きな衝撃を与えました。
「ミセレーレ」は、戦争によって苦しめられる人々の姿を58点の銅版画で表現した大作です。ルオーの銅版画最高傑作といわれています。
暗く重厚な色彩と力強い線描は、戦争の悲惨さをリアルに描き出しています。同時に、苦しみの中にあっても希望を失わない人々の姿も表現された作品です。
晩年の希望を象徴する「マドレーヌ」
「マドレーヌ」は、ルオーが晩年に描いた作品です。サーカスの女道化師マドレーヌを鮮やかな色彩で表現しています。
晩年のルオーは、キリスト教への信仰を深め、作品にも希望や喜びが表れるようになりました。
「マドレーヌ」は、苦しみを乗り越えて希望を見出したルオーの晩年の心境を象徴する作品といえるでしょう。
ルオーの代表作が語る物語
ルオーの代表作は、単なる絵画作品ではなく、彼の魂の叫びであり、人間の苦悩と希望を体現するものです。
それぞれの作品が語る物語から、ルオーが伝えようとしたメッセージを感じ取ってみてください。
「わたしが一番きれいだったとき」に出てくる「ルオー爺さん」

戦後を代表する詩人、「茨木のり子」。彼女の代表作「わたしが一番きれいだったとき」は、「フランスのルオー爺さんのようにね」という一節で締めくくられています。
ルオー爺さんとは誰か?
ルオー爺さんとは、ジョルジュ・ルオーのことです。
茨木のり子さんは、自らの詩に残すほど、ルオーの作品に深く魅了されていたといわれています。
なぜルオーに惹かれたのか?
茨木のり子さんは19歳で終戦を迎え、戦争の傷跡が残る社会の中で、自立心を持ちながら力強く生きてきた女性です。
ルオーの作品は、社会の矛盾や苦悩を表現しながらも、希望を失わない強さを持っています。
茨木のり子さんは、ルオーの作品に共感を覚え、自身の生き様を重ね合わせていたのではないでしょうか。
国境を越えて語り継がれる作品
ルオーの作品は、国境やジャンルを越えて、人々の心に深く刻み込まれています。
茨木のり子さんのように、ルオーの作品から希望や勇気を受け取った方は数多くいらっしゃいます。
私たちに深い感動を与えてくれるルオーの作品は、これからも人々に語り継がれ、希望の光を灯し続けるでしょう。
現在も愛されるジョルジュ・ルオーの芸術作品

ジョルジュ・ルオーは、20世紀最大の宗教画家として名高いフランスの画家です。現在も多くの代表作が世界中の人々を魅了し続けています。
フランス象徴主義の巨匠、ギュスターヴ・モローに師事したルオーは、独自のタッチと色彩で社会の不正義を描き出す画家として活躍しました。
初期の作品は、黒く太いラインと重々しい色使いが特徴です。娼婦や道化師など社会の底辺の人々をモチーフに、苦悩や悲しみを表現しました。後年はキリストの情熱を主題にした作品を多く手がけました。苦しみの中にあっても希望を失わない人間の強さを、力強い筆致で描き出したのです。
晩年になると、豊潤な色彩を用いた穏やかな印象の作品も制作しました。時代の移り変わりとともに、ルオー自身の心境も変化したことが伺えます。
福ちゃんでは、ルオーの「秋」という作品を87,000円でお買取いたしました。
現在も高い評価を受けているルオーの作品は、高価買取を期待できる絵画の1つといえます。
国内外に販路を持つ福ちゃんは、絵画を含む骨董品の買取に強く、作品に対して適切な価格をご提示することが可能です。
お手元にジョルジュ・ルオーの作品をお持ちの方は、ぜひ福ちゃんにご相談ください。
無料査定を行っておりますので、お気軽に買取サービスをご利用いただけます。
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