- 古銭
- 2025.02.17
メキシコ石油産業国営化40周年記念プラチナコイン｜知られざる価値と日墨秘話に迫る
メキシコ経済史における最重要事項の1つ、石油産業の国営化。
1938年、当時の「ラサロ・カルデナス大統領」は、外国資本に依存していた石油産業を国有化し、国営石油会社「ペメックス（PEMEX）」を設立しました。この大胆な決断は、メキシコの経済的自立を大きく前進させ、国内外に多大な影響を与えたとされています。
当記事では、そのような歴史的出来事を記念し発行された希少な古銭、「メキシコ石油産業国営化40周年記念プラチナコイン」にフォーカス。当時の歴史とデザインの特徴、そして気になる市場価値までを徹底的に解説いたします。
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目次
希少なプラチナコイン「メキシコ石油産業国営化40周年記念」とは？
1975年に発行された「メキシコ石油産業国営化40周年記念」プラチナコインは、メキシコにおける「石油産業国有化」という、国家的な偉業を記念した特別な古銭です。
額面は2500ペソ、素材には贅沢にも純プラチナ21gを使用。さらに、2万枚の限定発行という希少性の高さも魅力です。
特筆すべきは、コインに「40周年記念」と刻印されているにもかかわらず、実際の国営化40周年は1978年である点でしょう。発行年の1975年は、まだ37周年にあたります。
さらに興味深いのは、このコインが主に日本市場向けに企画・配布されたという背景です。付属の証明書やパンフレットが日本語で作成されていることからも、その意図がうかがえます。
発行の背景には、1970年代の国際情勢、とくに1973年の第一次オイルショックが大きく影響していたと考えられます。
世界的な石油市場の混乱の中、メキシコは日本との関係を強化するとともに、石油産業の自主管理能力を国際社会にアピールしようとしたのではないでしょうか。
このコインは、当時の日墨関係と国際情勢を色濃く反映する、歴史的意義を持つ古銭といえるでしょう。
「メキシコ石油産業国営化40周年記念コイン」のデザイン解説
このプラチナに付属している説明書には、発売元「日本メキシコ文化協会」、後援「在日メキシコ合衆国大使館」の記載があります。
メキシコ国内での公式発行というよりは、日本市場での販売を主眼に置いた特別な記念硬貨であることがうかがえます。
それゆえ、第三者機関のカタログ上でもメキシコ造幣局製である旨の記載はほとんどみられず、業界では「ペソコイン型のプラチナメダル」として扱われる場合も。
まさに、希少な逸品です。
【表面】メキシコの石油産業と力強い国土デザイン
プラチナコインの表面には、メキシコの石油産業と国家の主権を象徴的に表現したデザインが採用されています。
中央に描かれているのは、メキシコ国土の地図上にそびえ立つ「石油採掘リグ（掘削塔）」です。その頂上には国旗が掲げられ、1938年の石油国営化によってメキシコ全土に石油産業が発展した様子が力強く表現されています。
コイン上部には額面を示す「2500 PESOS（ペソ）」と、素材を表す「21 Gr. PLATINO PURO（21グラム純プラチナ）」の刻印、下部には発行年「1975」が配されています。
【裏面】アステカ神話がモチーフ！メキシコの国章
プラチナコインの裏面には、「ESTADOS UNIDOS MEXICANOS（メキシコ合衆国）」の国章が刻印されています。
中央にデザインされているのは、アステカ神話に登場する「サボテンの上に立つワシが蛇をくわえた姿」です。このワシは、国家の起源を象徴するデザインとして、メキシコ国民に広く知られています。
ワシの周囲には、オークと月桂樹の枝が配置され、国家の団結と勝利を象徴しています。
▼「メキシコ石油産業国営化40周年記念」プラチナコインの概要
・品位：プラチナ99.95%
・重量：約21g
・直径：約28mm
・額面：2500ペソ
・発行年：1975年
・発行枚数：20,000枚
・国：メキシコ合衆国
気になる市場価値は？高額取引の理由を解説
「石油産業国営化40周年記念プラチナコイン」は、古銭市場で高額で取引される事例が多数報告されています。
市場価値を高めている主な理由は、以下の3点です。
✔ 高純度プラチナによる貴金属価値
✔ 発行枚数2万枚の希少性（枚数限定）
✔ 美しいプルーフ仕上げ
とくに、プラチナ相場が上昇する時期には、素材としての価値も連動して高騰するため、買取価格にも期待できるでしょう。
古銭買取に強みを持つ「買取福ちゃん」では、このような希少価値の高いコインの買取を強化しています。貴金属としての価値に加え、歴史的・コレクション的価値も考慮し、専門知識を持った査定士が丁寧に査定いたします。
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まとめ
「メキシコ石油産業国営化40周年記念」プラチナコインは、単なる貴金属以上の価値を持つ、歴史的・文化的なコレクターズアイテムです。
日本市場向けに発行されたという背景は、1970年代の日墨関係を現代に伝える役割もあります。
メキシコの石油産業国有化という歴史的な出来事を記念するこのコインは、今日でも石油資源と国家主権の関係を考える上で、重要な意味を持つ存在といえるでしょう。
