希少価値の高いインド古銭!ヴィクトリア女王「ライオンとヤシの木」モハール金貨を徹底解説
歴史の重みと芸術性を兼ね備えた、イギリス植民地時代のインドで流通していた「モハール金貨」。
「ヴィクトリア女王」の肖像に加え、象徴的な「ライオンとヤシの木」のデザインは、コレクター注目の的です。
その価値は、単なる金銭的な価値にとどまりません。モハール金貨には、イギリス帝国の野望・ヴィクトリア女王の威厳・インドの伝統文化が複雑に絡み合い、当時のインド亜大陸における政治・経済状況を如実に物語る歴史的価値が刻まれています。
今回は、著名な彫刻家「ウィリアム・ワイオン」が手がけたモハール金貨の魅力と、その希少性から生じる市場価値について徹底解説いたします。
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目次
ヴィクトリア女王「ライオンとヤシの木」モハール金貨とは?
「ヴィクトリア女王」と「ライオンとヤシの木」のデザインで有名な、「モハール金貨(Mohur)」。
「モフール金貨」や「モフル金貨」とも呼ばれる、貴重なアンティークコインです。
この金貨は、19世紀のインドにおいてイギリス東インド会社が発行したもので、当時のインドにおけるイギリスの支配と経済的影響を色濃く反映しています。
「モフール金貨」は、もともとムガル帝国やその他のインドの王朝で使用されていた金貨で、非常に価値の高い通貨として広く認識されていました。
イギリス東インド会社は、この伝統的な金貨を模した「新しいモハール金貨」を1841年に発行。発行の意図は、インドにおけるイギリスの統治と、経済的安定を象徴することでした。
この金貨の発行には、いくつかの重要な目的もあったのです。
まず、インド全土で統一された通貨システムを確立すること。そして、商取引や税収の効率化を図ることです。また、金貨としての価値も含むため、金と銀の交換比率を安定させる狙いもあったのです。
とくに、この時期は金と銀の市場価格が大きく変動していたため、モハール金貨は経済の安定に欠かせない存在でした。
モハール金貨の歴史
モハール金貨の歴史は、1540年から1545年にかけてインドを統治した「シェール・シャー・スーリー」によって、初めて導入された時代に遡ります。
この時期、東インド会社は徐々にインド亜大陸での影響力を拡大し、19世紀半ばには実質的にインドの大部分を統治するほどだったのです。
東インド会社と、ムガル帝国やその他のインドの王朝は、モハール金貨とともに、銀貨(ルピー)や銅貨(ダム)も導入。モハール金貨は、「15銀ルピー」と同等の価値に設定されました。
これらの出来事は、「3金属制」による貨幣制度の統一を目指したもので、インド全土に広まっていきました。
「ライオンとヤシの木」モハール金貨の特徴とデザイン
この金貨のデザインは、イギリスコインの彫刻を数多く手がけた「ウィリアム・ワイオン」によるものです。
彼の最も有名な作品の1つである「ウナとライオン」と同様に、このモハール金貨も、その美しいデザインが目を引きます。
表面デザイン:当時の君主であるヴィクトリア女王
表面には、イギリス女王である「ヴィクトリア」の肖像が描かれています。
この肖像は、優雅で威厳ある女王の姿を細部まで丁寧に表現しており、特徴的な髪型や表情が鮮明に描かれているのが特徴です。
その周囲には、「VICTORIA QUEEN 1841」の文字が刻まれています。また、首の切れ目部分には彫刻家のイニシャルを示す、「W.W.(ウィリアム・ワイオン)」が小さく刻まれている点も見逃せません。
裏面デザイン:ライオンとヤシの木
裏面には、ヤシの木の前を力強く進むライオンが描かれています。
上部には「EAST INDIA COMPANY(東インド会社)」の文字が円弧状に刻まれ、この金貨がイギリス東インド会社によって発行されたことを示しています。下部に見えるのは、「ONE MOHUR(1モハル)」という額面の表示です。その下には、ペルシャ語で同じ意味の「yek ashrafi(1アシュラフィー)」が刻まれています。
この金貨は、イギリス帝国とインドの歴史的な関係性を象徴する点も評価されており、細部にわたる精巧な彫刻技術と、当時の政治的・文化的背景を反映したデザインが特徴です。
▼ヴィクトリア女王「ライオンとヤシの木」モハール金貨の概要
・品位:金91.7%
・重量:約11.66g
・直径:約26mm
・厚さ:約1.65mm
・額面:1モハール(MOHUR)
・発行枚数:442,000枚
・発行年:1841年銘
・発行国:イギリス領インド
モハール金貨を高く売るためには?市場価値について
ヴィクトリア女王「ライオンとヤシの木」モハール金貨は、その歴史的価値と希少性から、古銭の買取市場で高い人気を誇っています。
市場価値は、発行年・状態・希少性などによって大きく変動するものの、保存状態の良いものはとくに高額で取引される傾向にあります。
金貨の価値を左右する要素として、まず挙げられるのが「保存状態」です。
傷や汚れが少ないことはもちろん、輝きが保たれているかどうかも重要です。摩耗が少なく美しい状態のモハール金貨は、コレクターの間で高い評価を得ているため、買取価格も高くなります。
そして、ヴィクトリア女王「ライオンとヤシの木」モハール金貨の希少性をさらに高めているのが、インドからの輸出が禁止されている点です(※執筆現在)。
一度インドに戻ったモハール金貨は国外に出ることがなく、市場に出回る数が限られています。そのため、状態の良いものは非常に希少価値が高く、高額査定にも期待できるでしょう。
これらの要素から、モハール金貨を少しでも高く売却するためには、古代コインの買取実績が豊富な専門業者に査定を依頼することが大切です。
「買取福ちゃん」では、専門的な知識と経験を持つ査定士が在籍し、モハール金貨をはじめとする、さまざまな古代コインの買取実績が豊富です。
貴重な古銭を丁寧に査定し、お客様にご納得いただける価格をご提示いたします。
ご売却をお考えの際は、ぜひ「買取福ちゃん」にご相談ください。
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まとめ
ヴィクトリア女王「ライオンとヤシの木」モハール金貨の発行は、東インド会社の統治・経済政策・そして当時の国際的な金融情勢が複雑に絡み合った結果でした。
この金貨は、植民地時代のインドにおける政治・経済・文化の交差点としての役割を果たしていた、といえるでしょう。
古銭買取においても、貴金属価値と希少価値のバランスによって市場価格が変動しやすい記念硬貨です。
もし売却をお考えのモハール金貨をお持ちでしたら、早めの査定で現在の価値を確かめてみることをオススメいたします。