【イギリス】ブリタニア金貨1オンス(1987年銘)の特徴や市場価値を解説
今回は1987年銘のブリタニア金貨の詳細や特徴について紹介します。ブリタニア金貨はイギリスを代表する金貨で、古銭買取市場でも高値で取引されている金貨です。また、査定に出すときに買取価格をアップさせるポイントなども紹介していますのでぜひ最後までご覧ください。
目次
【イギリス】ブリタニア金貨1オンス(1987年銘)とは
ブリタニア金貨とはイギリスの王立造幣局が発行している金貨で、1987年から製造されています。
ブリタニア金貨は主に投資やコレクション目的で利用されており、品位はK22の金およびK24の金のものがあります。ただし、当初はK22の金貨のみで、K24の金貨は2013年以降に登場しました。
今回の福ちゃんコラムで取り上げるブリタニア金貨は1987年銘の「初年号金貨」となり、ブリタニア金貨の鋳造がはじまった初期の金貨となっています。
【イギリス】ブリタニア金貨1オンス(1987年銘)の特徴
ブリタニア金貨は1オンス、1/2オンス、1/4オンス、1/10オンスの4種類があります。2013年には5オンス、1/20オンスの2種類が加わりました。
金貨に加えて、同じデザインで銀貨やプラチナ貨も発行されています。ブリタニア金貨は世界中で取引されており、流動性が高く、投資家に人気があります。また、コインの美しさや歴史的意義から、コレクターにも高い需要がある金貨です。
ブリタニア金貨の表面には、英国の君主であるエリザベス2世(当時)が描かれており、その周りに「ELIZABETH・II・DEI・GRATIA・REGINA・F・D」「100 POUNDS」と文字が刻まれています。
裏面には、イギリスのシンボルでもある「ブリタニア女神」が描かれており、「ONE OUNCE FINE GOLD BRITANNIA」「1987」の文字がデザインされています。
ブリタニアは、古代ローマ時代に使われていたイギリス島(現在のイングランド、ウェールズ、スコットランドを含む)の呼び名です。ローマ帝国がこの地域を征服し、紀元前43年から約410年までローマの支配下にありました。ブリタニアは、ローマ帝国の重要な属州であり、多くのローマの軍事施設、道路、都市が建設されました。
また、ブリタニアは女性の擬人化像としても有名です。この女性の姿は、イギリスの自由と力を象徴するものとされており、古代ギリシャ神話のアテナやローマ神話のミネルヴァに似た姿で表現されることが多いです。
通常、ブリタニアはポセイドンのトライデント(三叉の槍)と盾を持ち、アテナの兜をかぶり、海や風を象徴するものが描かれています。オリーブの枝を持った姿も特徴的です。
現代では、ブリタニアはイギリスの象徴として広く認識されており、今回の金貨の他にも多くのイギリスの硬貨や紙幣にも描かれており、イギリスの文化や芸術、政治のシンボルとしても扱われています。
▼ブリタニア金貨1オンス(1987年銘)の概要
・品位:金91.7%(K22)
・重量:約34.1g(1オンス)
・直径:約32.69mm
・額面:100ポンド
・発行年:1987年銘
【イギリス】ブリタニア金貨1オンス(1987年銘)の買取価格アップのコツ
お手元にブリタニア金貨をお持ちで手放そうかと考えている場合は、少しでも買取価格をアップさせるために以下のポイントに注意して査定に臨みましょう。
金貨の状態を良好に保つ
金貨の価値はその保存状態に大きく影響されます。傷や汚れが少なく良好な状態であれば、買取価格も上がりやすくなります。金貨を保管する際は、適切なケースなどに入れ、湿度や温度の変化に注意して保管しましょう。
証明書がある場合には一式を揃えておく
証明書や専用ケースなどの付属品がある場合は、これらの付属品を一緒に持って行くことで買取価格が上がる可能性があります。もし第三者機関によってグレーディングケースに封入されている場合は、そのままの状態で査定に出すことがおすすめです。
地金価格が高いタイミングで売る
金貨の価値は金の市場価格にも影響されます。査定に出す前に現在の金の市場価格をある程度把握しておき、価格が高騰している時期を狙って査定に出すのも一つの手です。
古銭買取に強い「福ちゃん」に売る
金貨の買取価格は買取業者によって異なることがあります。福ちゃんでは知識豊富な査定士が多く在籍しているなど、金貨や古銭買取に力を入れています。
また、古い金貨の価値を正確に判断するためには専門知識が必要です。単純に地金価値だけで判断する買取業者も多いですが、希少性やデザイン性の部分など総合的に評価してくれる買取業者の方が高く買い取ってもらえる傾向にあります。
少しでも高く売りたいと考えている場合には、古銭買取の専門査定士がいる福ちゃんを利用しましょう。
まとめ
ブリタニア金貨は「地金型金貨」としてイギリスを代表する金貨の一つです。
このブリタニア金貨が発行されるようになった背景にはいくつかの要因があるとされていますが、大きな要因としては「クルーガランド金貨との競合」でしょう。
南アフリカのクルーガランド金貨は、1960年代から1980年代にかけて世界で最もポピュラーな金貨でした。イギリスはクルーガランド金貨に対抗して自国の金貨を発行し、国際金市場でのシェアを拡大することを目指していたのです。
また、同時に投資家からの需要も重なったのも見逃せない点です。金は古くから価値を保持する投資商品として知られており、インフレーションや経済不安に対するヘッジとして利用されています。
1980年代には世界経済がインフレーションと金利上昇に悩まされる中、投資家は金への投資を求めるようになっていました。これに応える形でイギリスはブリタニア金貨を発行し、投資家に高品質な金貨を提供しはじめます。
これら複数の要因が組み合わさり、1987年にイギリス王立造幣局がブリタニア金貨の発行を開始しました。以降、ブリタニア金貨は世界中の投資家やコレクターに広く受け入れられ、その人気が続いています。
なお、2023年からのブリタニア金貨ではこれまで肖像画として描かれていたエリザベス2世にかわり、国王「チャールズ3世」が描かれるようになっています。
このように、古銭買取市場においてブリタニア金貨は、常に安定した高い人気を保っている金貨です。地金価値に加えてデザイン性や希少性を加味すると、状態次第では高価買取の可能性が非常に高い金貨といえるでしょう。