スウェーデン王カール14世ヨハン金貨(1822年CB)の特徴や市場価値を解説
今回はスウェーデン王カール14世ヨハン金貨の特徴や市場価値について紹介します。「カール14世ヨハン」はスウェーデン国において歴史上とても重要な人物です。その時代に発行された金貨ということもあり、古銭買取市場でも人気の高いアンティークコインの一つです。
目次
スウェーデン王カール14世ヨハン金貨とは
スウェーデン王カール14世ヨハン金貨はスウェーデン王である「カール14世ヨハン(在位:1818年から1844年)」の時代に発行された金貨で、1818年から1829年ごろに鋳造されたものです。
カール14世ヨハンが統治している時代の「カール14世ヨハンが肖像で描かれている金貨」であり「ヨハン金貨」などと呼ばれているわけではありません。
このカール14世ヨハンはスウェーデン通貨の発展にも大きな影響を与えた人物でもあります。彼の統治期間中、スウェーデンは通貨制度を改革し、現代的な中央銀行を創設しました。
また、スウェーデン、ノルウェー、デンマークを含む北欧諸国の連合を形成し、スカンジナビア半島における政治的影響力を拡大させて北欧諸国間の経済的・文化的なつながりを促進しています。
他にも、国内での社会改革にも取り組み、貧困対策として学校や病院の建設を進めたり農村地域の発展にも注力したりするなどスウェーデンの民主主義の発展にも尽力した一面もあります。
このように、スウェーデン国内外での政治的・経済的な発展を推し進め、スカンジナビア半島における政治的影響力を拡大することに成功するなどの功績を残しています。
スウェーデン王カール14世ヨハン金貨(1822年CB)の特徴
スウェーデン王カール14世ヨハン金貨(1822年銘)の表面はカール14世の肖像画が横顔で描かれ、周りには「CARL XIV SVERIGES NORR・G・OCH V・K・」と刻まれています。これは「カール14世、スウェーデン王、ノルウェー王、ゴート人、ウェンド人」の意味です。
裏面には、円形のセラフィム騎士団チェーンの中にスウェーデンの3つの王冠が描かれた王冠付き盾。そして、チェーンペンダントの下には年代「1822」とミントマーク「C. B.」が描かれています。また、それらの側面には国王のモットーが「FOLKETS KARLEK MIN BELONING(民衆の愛が私の報酬)」と刻まれたデザインです。
▼カール14世金貨(1822年CB)の概要
・品位:97.6%(23K)
・重量:約3.47g
・直径:約21.5mm
・発行年:1822年銘
・発行国:スウェーデン
※カール14世ヨハン金貨は古い金貨のため、変形や欠けなどが見られるものがほとんどです。サイズや重量は目安程度に留めておきましょう。
スウェーデン王カール14世ヨハン金貨の買取価格アップのコツ
ここからは、スウェーデン王カール14世ヨハン金貨を売却するときに少しでも高く売るためのコツやポイントを紹介します。
金貨の状態は買取価格に影響あり
古銭買取では金貨の状態が買取価格に影響を及ぼすことがあります。カール14世ヨハン金貨は発行から数百年が経過しているため、良い状態で査定に出したほうが高値が付きやすい傾向にあります。
また、外国の古いコインなどでは21.6Kの金貨が多いですが、こちらのカール14世ヨハン金貨はそれ以上に純度の高い金貨です。さらには厚さもそこまでないため、保管時には変形に気をつけるようにしましょう。
古代の価値ある金貨は買取実績の多い専門業者を利用しよう
カール14世ヨハン金貨は古銭買取市場でもそこまで流通が多くないため、珍しいコインの部類に入ります。このような古い外国の金貨は、古銭買取に強い買取業者に査定してもらうのが良いでしょう。
福ちゃんでは海外の古い金貨でも買取対応できる専門知識をもった査定士が在籍しています。
古くて価値のある金貨は、単純に地金価値だけでなく希少性や国内外市場の需給などから総合的に判断してくれる買取業者を利用しましょう。
まとめ
今回紹介した「スウェーデン王カール14世ヨハン金貨」のカール14世ヨハンはスウェーデン王家ベルナドッテ朝の始祖であり「ベルナドッテ王朝」は現在のスウェーデン国王(カール16世グスタフ)まで続いています。(※執筆現在)
ベルナドッテ王朝の「ベルナドッテ」は世継ぎがいなかったカール13世の元へ養子に行く前のカール14世ヨハンの名前(改名前:バティスト・ベルナドット)から由来しています。
この「ベルナドット」は以前に福ちゃんコラムの「ナポレオン1世40リレ金貨」でも取り上げたナポレオン1世の配下にいた将軍です。ナポレオンのライバルと目されたりナポレオンの元婚約者と結婚するなど、非常に縁の深い関係性にあります。
つまり、生まれた時からナポレオン1世の配下にいるころは「ベルナドット」で、スウェーデン王のカール13世の養子となったときに「カール・ヨハン」に改名し、スウェーデン連合軍を率いてナポレオン軍を撃破。その後、カール13世が死去して国王に即位する際に「カール14世ヨハン」。
同一人物ながらたくさんの名前があるので、文字で読むと少し頭が痛くなってしまいそうですが、スウェーデンで今も続く王朝の始祖である重要な人物には間違いありません。
そんな時代に鋳造された金貨ということもあり、歴史的ロマンのつまったアンティークコインとしてコレクターからの人気も高めです。さらに、発行から200年以上が経過していることから現存している枚数も非常に少なく希少価値のあるものとなっています。
カール14世ヨハン金貨は古銭買取市場においても、発行年や状態によって多少価値の幅はあるものの、純度が高いことによる地金価値やデザイン性の部分などを考えると高価買取に期待できる金貨といえるでしょう。