明治一分銀の買取相場。当時の価値やその他一分銀の紹介・見分け方
「明治一分銀って今でも価値ある?」
「明治一分銀の買取価格が知りたい」
という方のために、明治一分銀についてわかりやすく解説します。
特徴や歴史、現在の価値はもちろんのこと、他の一分銀も種類別に紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
目次
明治一分銀とは?特徴と歴史
まず、明治一分銀がどんなものなのかを詳しく説明します。
当時の価値や見た目などの特徴、歴史からの発行経緯を見ていきましょう。
一分銀ってそもそも何?何文?
一分銀とは、江戸時代の末に使用されていた硬貨です。
「一分」という額面で、当時は1/4両の価値で流通していました。
今でもよく聞く昔のお金の単位、「文」で表すといくらでしょうか。
1両が4,000文とされていたことから、1/4両相当の一分は1,000文ということになります。
明治一分銀の素材やデザイン
- ✔︎ 重さ:約8.6g
- ✔︎ 素材:銀 約80.7/その他 19.3(%)
- ✔︎ 寸法:約23×15×2(mm)
明治一分銀は表面に「一分銀」と彫られ、縁に桜が20個並んでいるのが特徴です。
縁に並ぶ桜から「桜」が一分銀の愛称になったといわれています。
また、裏面は銀貨製造における責任者の署名ともいえる「定 銀座 常是」とあります。
明治一分銀の発行経緯
明治一分銀が発行されたのは明治元年から明治2年といわれています。
江戸幕府の統治制度が崩壊し、時代は江戸から明治に移り変わる時期です。
新明治政府が誕生すると、銀貨の鋳造を司っていた「銀座」が差し押さえられ、新たな造幣局開設の動きとなりました。
造幣局開設までは仮の貨幣発行機関を設置し、翌年明治2年まで旧幕府の一分銀などを鋳造させたといいます。
明治一分銀はその際に鋳造が引き継がれた一分銀です。
明治一分銀の買取相場や高額査定がつきやすい特徴
明治一分銀は現在どのくらいの価値があるのか、買取相場を紹介します。
また、明治一分銀のなかには高額査定がつきやすい珍しい特徴を持っているものがあります。
買取相場と合わせて、高額査定がつく可能性がある特徴を見ていきましょう。
明治一分銀の買取相場
明治一分銀は銀の含有率が約80%と低く、99%の天保一分銀と比べると質が大幅に低下しています。
買取価格は状態などで左右されますが、数千円で売買されることが多いでしょう。
傷や汚れがない美品であれば、5万円前後の買取価格も期待できます。
明治一分銀の特徴で高額査定の可能性があるもの
- ✔︎ 跳分•••表面「分」の一画目が跳ねている
- ✔︎ 跳分跳銀•••跳分に加えて表面「銀」の一画目も跳ねている
- ✔︎ 非交差•••裏面「是」の八画目と九画目が重なっていない
明治一分銀のなかには、上記のような刻印されている文字が珍しい字体のものが存在します。
字体が珍しいと古銭としての価値が高まり、数万円での売買もあり得るでしょう。
特に跳分跳銀は10万円近い金額がつく可能性もあります。
しかし、そういった特徴を判別するにはプロの目が必要です。
素人では見落としや見間違いなどがあるため、プロの査定士に見てもらいましょう。
明治一分銀の異名まとめ
- ✔︎ 貨幣司一分銀(かへいしいちぶぎん)
- ✔︎ 川常一分銀(かわつねいちぶぎん)
- ✔︎ 亜鉛差一分銀(あえんさしいちぶぎん)
明治一分銀は、「明治一分銀」と呼ばれる以外にも上記3つの呼び方をされることがあります。
それぞれの由来などを見てみましょう。
貨幣司一分銀(かへいしいちぶぎん)の由来
明治一分銀は、新しい造幣局ができるまでの繋ぎで設置された貨幣発行機関で作られました。
一時的に明治一分銀の発行を担っていたのは「貨幣司」という貨幣発行機関です。
その経緯があり、明治一分銀は「貨幣司一分銀」と呼ばれることがあるといいます。
川常一分銀(かわつねいちぶぎん)の由来
明治一分銀は、裏面に彫られている「定 銀座 常是」の「常」という文字が特徴的です。
「常」の第一画から第三画までの部分が「川」という漢字に似ています。
その特徴から「川常一分銀」という異名を持っています。
亜鉛差一分銀(あえんさしいちぶぎん)の由来
質が良いとは言えない明治一分銀は、金でも銀でもない素材が約19%も含まれています。
一分銀としての品質が高い天保一分銀と比較すると、大幅に質が落ちているのが見てとれます。
亜鉛などを含有させることもあったため、「亜鉛差一分銀」という呼称がつけられました。
一分銀の種類
一分銀は、江戸時代から明治時代にかけて明治一分銀の他に3種類が流通していました。
鎖国終了時には標準貨幣として浸透していた「天保一分銀」と、開国の時期に発行された「安政一分銀」について見ていきましょう。
天保一分銀
天保一分銀は1837年から鋳造され始めた一分銀で、ほとんど銀で作られているのが特徴です。
後に安政一分銀が発行されると「古一分銀」と呼ばれるようにもなりました。
天保一分銀には裏面に「庄」と刻印された「庄内一分銀」があります。
庄内一分銀は、銀の含有量が少ない安政一分銀が発行され始めた際、銀貨として高品質な天保一分銀を一目で見分けられるようにしたものです。
通用中の天保一分銀に庄内藩が独自に刻印したといわれています。
通常の天保一分銀よりも「庄」の刻印がある庄内一分銀の方が希少性があり、買取価格が高くなるでしょう。
天保一分銀について詳しくはこちら↓
天保一分銀の価値や買取価格を解説!安政一分銀などその他一分銀も紹介
安政一分銀
長期間に及ぶ鎖国時代に終止符が打たれ、外交が再度始まった頃に発行されたのが安政一分銀です。
当時の日本は、天保一分銀と洋銀の両替を要求される事案が増え、ほどんど純銀の天保一分銀とそれ以下の洋銀では割に合わない背景があり、質を低下させた安政一分銀をつくることになりました。
安政一分銀は、天保一分銀の「古一分銀」という呼称に対し、「新一分銀」という呼称を持っています。
一分銀はどう区別する?見分け方を紹介
- ✔︎ 側面のデザイン
- ✔︎ 逆桜の位置
一分銀には明治一分銀の他に、天保一分銀と安政一分銀といった種類があります。
3種類の一分銀はほぼ同じ見た目をしていますが、「側面のデザイン」と「逆桜」がどこにあるかを見れば見分けられる可能性があります。
側面のデザイン
- ✔︎ 明治一分銀:刻印なし
- ✔︎ 天保一分銀:刻印あり・やすりがけなし
- ✔︎ 安政一分銀:刻印あり・やすりがけあり
明治一分銀と天保一分銀、安政一分銀は側面のデザインい違いがあります。
明治一分銀は、側面に刻印が打たれていません。
天保一分銀は上下の側面に2つ、左右の側面に3つ刻印が打たれています。
また、安政一分銀は上下左右の側面に3つずつ刻印が打たれており、さらにやすりがけがしてあるのが特徴です。
逆桜の位置
- ✔︎ 明治一分銀:中央部
- ✔︎ 天保一分銀:下部
- ✔︎ 安政一分銀:上部
逆桜とは、一分銀の額縁に並ぶ20個の桜飾りに1個から数個紛れている逆さまの桜です。
明治一分銀は逆桜が下部のどこか、天保一分銀は中央部のどこか、安政一分銀は上部のどこかにあるといわれています。
位置が曖昧なことや、桜が逆なのかそうじゃないのかなど、知識がないと見分けることができません。
自分で判断せず、古銭に強い買取業者に見てもらうと良いでしょう。
明治一分銀を買い取ってもらう方法
- ✔︎ フリマアプリ
- ✔︎ ヤフオク等のネットオークション
- ✔︎ 買取業者
明治一分銀は、フリマアプリやネットオークション、買取業者に出すという方法があります。
ネットオークションやフリマアプリは、家にいながら簡単に出品ができるため、手軽な方法として人気です。
しかし、どちらも個人間売買であることから、価値が適切に判断できないものを売りに出すのはリスクが伴います。
取引で揉めたり、相場より低い価格で手放すことになったりする可能性もあるでしょう。
買取業者は、古銭買取に強い業者を選べば、価値をしっかり買取価格に反映してもらえ、損なく取引できます。
売買を生業としているため、トラブルになることも少ないでしょう。
明治一分銀の買取は買取業者に依頼するのがベストです。
明治一分銀の買取は福ちゃんへ
明治一分銀は明治元年から約1年間鋳造された銀貨です。
江戸幕府が倒れ、明治時代へと移り変わる頃に発行されました。
明治一分には発行機関や文字や素材の特徴から、貨幣司一分銀や川常一分銀、亜鉛差一分銀とさまざまな呼び方があります。
買取相場は数千円といわれていますが、字体が珍しいものは数万円になる可能性もあるでしょう。
また、一分銀はどの種類か見分けるのが難しい場合があります。
そのため、査定や種類の判別などは古銭に関して精通している査定士に見てもらうのが確実です。
福ちゃんは古銭の取引実績が高く、あまたもの古銭を査定してきた光るプロの目を持つ査定士が在籍しています。
明治一分銀の買取は、ぜひ福ちゃんへどうぞ。
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古金銀とは?意味や種類別の価値を紹介!買い取ってもらう方法も
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