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- 2025.03.04
世界初のプロレタリア政権を刻む！中国切手「パリ・コミューン100周年」の価値と図案
突然ですが、「パリ・コミューン」という革命をご存知でしょうか？
1871年にフランスで起きたこの革命は、世界初の「プロレタリア政権」として歴史に名を刻んでいます。
中国はこの歴史的事件から100周年を記念し、特別な切手を発行しました。 印象的な色彩で革命の情景を表現した「パリ・コミューン100周年記念切手」は、コレクターの間で高い人気を誇ります。
当記事では、この切手の価値と図案の詳細を解説します。中国切手の奥深い魅力に触れていきましょう。
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目次
「パリ・コミューン100周年切手」とは？
中国切手「パリ・コミューン100周年」は、1971年に発行されました。
人類史上初のプロレタリア政権樹立という、歴史的快挙を成し遂げた「パリ・コミューン」から100年という節目を記念し、発行されました。
この切手シリーズは、パリ・コミューンの勃興から終焉までの流れを「4つの場面」で鮮やかに描写。
「革命の象徴である赤旗」「民衆による武装蜂起」「市民の団結」「革命政権の誕生」という、パリ・コミューンのエッセンスを凝縮したデザインが特徴です。
歴史的な意義に加え、芸術性の高いデザインと発行枚数の希少性から、コレクターの間で高い人気を誇る中国切手の1つです。
パリ・コミューンで何が起きたのか？
1871年3月18日、パリの労働者階級は武装蜂起を決行し、ブルジョワジー（※資本家階級）の支配体制を打倒しました。
この蜂起の背景には、ナポレオン3世の第二帝政下における、過酷な労働条件と社会的不平等に加え「普仏戦争での敗北」という、複合的な要因がありました。
3月26日には、国民自衛軍中央委員会の指導のもとでコミューン選挙が実施され、3月28日にパリ・コミューン委員会が正式に樹立。
新政権は、以下のような革新的な政策を次々と実施しました。
☑ 労働時間の短縮
☑ 企業の労働者管理
☑ 教育の無償化
☑ 女性の権利の拡大
しかし、フランス臨時政府（ヴェルサイユ政府）の激しい攻撃により、パリ・コミューンはわずか72日間で崩壊。多くの犠牲者を出した凄惨な「血の週間」を経て、鎮圧されました。
短命に終わったものの、パリ・コミューンが掲げた理想は、その後の社会主義運動や労働運動に大きな影響を与えました。また、現代の民主主義や社会保障制度の礎となる考え方も含まれており、歴史的に非常に重要な出来事として位置づけられています。
「パリ・コミューン100周年切手」の特徴とデザイン
中国切手「パリ・コミューン100周年」は、4種の図案で構成されています。
日本の切手カタログでは、4分切手を「コミューンの旗」、他の3種を「コミューンの状況」と表記していることが多いようです。
✔ コミューンの旗（額面4分、発行枚数500万枚）
✔ コミューンの状況（額面8分、発行枚数1,500万枚）
✔ コミューンの状況（額面10分、発行枚数500万枚）
✔ コミューンの状況（額面22分、発行枚数200万枚）
しかし、実際には他の3種もそれぞれ異なるテーマを持っており、中国国内や海外では以下のようなテーマ名で呼ばれることもあります。
✔ パリ・コミューンの赤旗
✔ パリの労働者階級とその他の労働者による武装蜂起
✔ パリ・コミューン宣言時の情景
✔ 国際広場に集まるパリ・コミューンの市民
それでは、それぞれの切手の図案を詳しく見ていきましょう。
図案「コミューンの旗（4分切手）」：革命の象徴
4分切手に描かれているのは、パリ・コミューンで実際に使用された赤旗です。
この赤旗にはフランス語で「フランス共和国 パリ・コミューン第9連隊 第117大隊」と記され、旗竿の先端には自由と解放を象徴する「赤いフリジア帽」が誇らしげに飾られています。
フリジア帽はフランス革命時代から続く自由の象徴であり、パリ・コミューンが労働者自身の手による新たな革命政権であることを力強く宣言しています。
この赤旗は、パリ・コミューンが掲げた革命精神を具現化し、世界中の労働者階級に希望と団結のメッセージを力強く発信するものでした。
図案「コミューンの蜂起｜労働者と市民の武装革命（8分切手）」：民衆の力
8分切手に描かれているのは、1871年3月18日にパリの労働者階級と市民が武装蜂起し、コミューン樹立を目指して戦った激動の場面です。
民衆は銃や旗を手に、バリケードを築きながら、ブルジョワ政府軍に勇敢に立ち向かいます。背景には、煙と混乱が渦巻く戦場の様子が描かれ、労働者たちの命を懸けた決意と不屈の精神がひしひしと伝わってきます。
この蜂起によって、パリの労働者はブルジョワ政府を打倒し、世界初のプロレタリア政権であるパリ・コミューン樹立に向けた大きな一歩を踏み出しました。
図案「パリ・コミューン成立｜労働者による新しい政権の誕生（10分切手）」：歴史的瞬間
10分切手に描かれているのは、1871年3月28日にパリ・コミューンが正式に成立した瞬間の「祝賀ムードが溢れる様子」です。
市庁舎前に集まった数万人の市民と兵士たちは、赤旗を高く掲げ、歓喜の声を上げています。中央にはパリ・コミューンの指導者たちが立ち、革命の勝利と新たな政治体制の誕生を高らかに宣言しています。
この歴史的な瞬間は、労働者が自らの手で政権を運営するという希望に満ちた未来を予感させ、後の社会主義運動にも大きな影響を与えました。
鮮やかな赤旗の色がアクセントとなり、見る人の目を惹きつけるデザインです。
図案「国際広場の集会｜革命の理想を掲げた最後の決意（22分切手）」：不屈の精神
22分切手は、パリ・コミューンの市民と兵士たちが「ヴァンドーム広場」に集結し、団結を誓う姿を描いています。
背景には赤旗が力強くはためき、人々の表情からは、コミューンを守るという揺るぎない決意と情熱が感じられます。彼らは、外部からの弾圧に屈することなく、最後までコミューンを守るという強い意志を示していました。
この場面は、パリ・コミューンの理念である「自由・平等・友愛」を象徴し、短命ながらもその精神が後世に受け継がれていくことを雄弁に物語っています。
▼中国切手「パリ・コミューン100周年」の詳細
・発行日：1971年3月18日
・額面：4分、8分、10分、22分
・切手デザイン：全4種類
・発行枚数：200万枚～1,500万枚
・編号：新3（革3）
「パリ・コミューン100周年切手」の市場価値
「パリ・コミューン100周年記念切手」は、発行当初は数百万枚が市場に出回りました。
しかし、発行から50年以上が経過した現在、保存状態の良い美品の数は限られており、とくに未使用の切手やシート切手は高値で取引されています。
4種の中では、額面8分の図案、ついで額面4分の切手に人気が集まっている傾向です。
また、長年の保管環境や紙質の影響により、切手の劣化が進みやすいため、経年劣化のないものほど市場価値は高くなります。
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まとめ
中国切手「パリ・コミューン100周年記念」は、世界初のプロレタリア政権の意義を視覚的に表現した、貴重なコレクターズアイテムです。
4種の切手それぞれが、パリ・コミューンの重要な場面を芸術的に描写し、革命の記憶を後世に伝えるという重要な役割を担っています。
その価値は、発行から50年以上を経た今日でも高く評価されており、とくに保存状態の良い切手は、芸術作品としてもコレクターから熱い視線を浴びています。
「パリ・コミューン」という歴史的な革命を象徴するこの切手の魅力を、ぜひ再認識してみてください。
