中国切手「クロテン」とは?クロテン切手の価値やデザインを徹底解説
美しい毛皮を持つ「クロテン」は、中国では「三宝」と称されるほど貴重な動物です。
そのクロテンを描いた中国切手が、1982年に発行されました。クロテンの保護を訴える目的で発行されたこの切手は、コレクターの間で高い人気を誇っています。
「クロテン切手の価値が知りたい」
「クロテン切手の発行枚数やデザインは?」
「切手帳に貼られたクロテン切手にも価値はあるの?」
このような疑問をお持ちの方へ。
当記事では、クロテン切手のデザイン・発行枚数・特徴・切手帳の価値まで、詳しく解説していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、クロテン切手の魅力や価値に触れてみてください。
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目次
そもそも「クロテン」とは?
「クロテン切手」は、1982年に中国で発行されました。
この切手が発行された目的は、絶滅の危機に瀕している「クロテン」という動物の保護を訴えるためです。
中国では「紫貂」と記されるクロテンは、美しい毛皮を持つイタチ科の動物で、その希少性から「東北三宝(人参、鹿茸、貂皮)」の1つに数えられています。
― 「クロテン」はどのような動物? ―
クロテンとは、どのような動物なのでしょうか。
下記に情報をまとめてみました。
・生息地: 東アジアの寒冷な地域(シベリア、中国北東部、朝鮮半島北部、北海道など※)
・大きさ: 体長30~40cm程度(中型の猫くらい)
・特徴:細長い体と短く太い尾
・黒褐色の毛皮(頭部は茶褐色、喉元は黄白色)
・食性: ネズミなどの小動物、松の実、ベリー類
・生息環境: 密な針葉樹林や針広混交林
※日本は北海道にのみ、亜種の「エゾクロテン」が生息
かつて、クロテン(セーブル)の毛皮は、その美しさから中国の貴族や高官の間で珍重され、高値で取引されていました。
日本でも、高級毛皮として珍重された時代があったものの、乱獲によりその数は激減。
現在では、クロテンの絶滅すら危ぶまれています。
クロテン切手は、単なる切手ではなく、中国の自然保護に対する強い意志を表明したものでもあるのです。
「クロテン切手」のデザインと特徴
1982年6月20日に発行された中国切手「クロテン」は、その名の通り、愛らしいクロテンの姿を捉えた2種類の切手セットです。
日本では、当切手は「クロテン」という名称で親しまれています。しかし中国では、それぞれのデザインに「警」と「扑」という名が付けられています。
額面と発行枚数は、以下のとおりです。
✔ 8分切手:発行枚数1187.96万枚
✔ 80分切手:発行枚数268.16万枚
それぞれのデザイン詳細について、解説いたします。
8分切手「警」:警戒態勢のクロテンを描写
8分切手「警」は、1187.96万枚発行されました。
大きな木の根元に潜むクロテンの姿が描かれており、その警戒態勢がひしひしと伝わってきます。ピンと立った耳、鋭く前を見据える目つき、そして身をかがめて首を突き出した姿勢。
その姿勢からは、周囲の状況を注意深く観察し、わずかな変化にも即座に対応できるよう、常に緊張感を保っている様子が伺えます。背景には森林と岩が描かれ、クロテンの生息環境である自然の風景が表現されています。
80分切手「扑」:狩猟本能をむき出しにするクロテンを描写
268.16万枚発行された80分切手「扑」は、クロテンが獲物に飛びかかる瞬間を捉えたダイナミックなデザインが特徴。
「扑」は、「飛びつく」「飛びかかる」といった意味を持つ言葉です。まさにその言葉どおり、前足を伸ばし、後ろ足を曲げ、全身を使って力強く飛び出そうとするクロテンの姿が印象的です。
高く上げた頭、勢いよく伸びた尾、そして獲物に集中した眼差しからは、狩りの瞬間の迫力と緊張感が伝わってきます。
この2枚の切手は、クロテンの「警戒」と「攻撃」という対照的な側面を描き出すことで、この動物の生態と野生における生存戦略を効果的に表現しているのです。
▼中国切手「クロテン」の詳細
・発行日:1982年6月20日
・額面:8分、80分
・切手デザイン:全2種類
・発行枚数:268.16万枚~1187.96万枚
・編号:T68
「クロテン切手」の価値と切手帳の買取について
1982年に発行された中国切手「クロテン」は、発行枚数が多いため、単片では希少価値が高いとはいえません。
しかし、状態が良い「良品」は年々減少しており、コレクターの間で需要が高まっています。
とくに、2種類のデザインが切り離されていない「2種連刷」の状態であれば、額面以上の査定額を期待できます。
切手帳は高評価
クロテン切手は、切手帳としても発行されました。
この切手帳は、バラ切手と比べて希少価値が高く、コレクターズアイテムとしての人気も非常に高いお品物です。状態によっては、バラ切手の5~7倍程度の価格で取引されることもあります。
もしお手元に「クロテン切手帳」をお持ちであれば、一度査定に出してみることをオススメいたします。
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まとめ
古くから美しい毛皮を目的とした狩猟の対象となっていたクロテン。
その結果、個体数が激減し、絶滅の危機に瀕していました。しかし、新中国成立後、政府は野生動物保護条例を制定し、クロテンを「国家一級重点保護野生動物」に指定。
狩猟は禁止され、保護活動が強化されました。
1982年に発行された「クロテン切手」は、このような背景のもと、国民の野生動物保護意識を高めるために発行されました。2種類の切手には、クロテンの特徴的な姿が生き生きと描かれ、その生態や重要性を視覚的に訴えかけています。
興味深いことに、この切手は当初1981年に発行される予定でした。
しかし、諸事情により1年遅れて発行されたため、1982年発行でありながら、切手のデザインには「1981年」の年号が記されているという珍しい特徴があります。
「クロテン切手」は、単なる切手ではなく、環境保護や生物多様性の維持といった、重要な社会的メッセージを伝える役割を担っていました。そして今日では、コレクターの間で貴重なコレクション品としてだけでなく、中国の野生動物保護の歴史を物語る重要な証として、その価値を高めています。