中国切手「童話(ボチャン)」を解説!中国初のタブ付き連刷切手の価値とは
子どもの頃の「勘違い」や「思い込み」から生まれた、ドタバタ劇を描いた中国の童話「ボチャン」。静かな湖にパパイヤが落ちた音に驚いたウサギが、森中にパニックを引き起こす物語は、どこか懐かしく、思わず笑みがこぼれるような温かさを感じます。
この愛らしい物語を題材にした「童話(ボチャン)切手」は、中国初の「タブ付き連刷切手」として、切手収集の世界でも大人気です。
当記事では、童話の世界観が鮮やかに表現された切手の魅力に加え、発行当時の時代背景や、切手買取における価値について徹底解説します。もしかすると、読者様のお手元にも、この貴重な切手が眠っているかもしれません。
ぜひ最後まで読み進めて、童話と切手収集の奥深い世界に触れてみてください。
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目次
「童話(ボチャン)切手」とは?
1980年6月1日、中国の子どもの日「六一児童節」に合わせて発行された、「童話(ボチャン)切手」。
子どもたちに人気の童話「ボチャン」を題材にした、心温まるエピソードが詰まった特殊切手です。
「ボチャン」のあらすじ:静かな湖畔で生まれた勘違いの大騒動
ある晴れた日、湖のほとりで熟したパパイヤが「ボチャン」と音を立てて水に落ちました。この音を聞いた臆病なウサギは、何か恐ろしいものが来たと勘違い。
「ボチャンが来た!」と叫びながら、一目散に逃げ出します。
ウサギの叫び声に驚いた他の動物たちも、何が何だかわからないまま、我先にと逃げ惑います。
森全体が「ボチャン」との恐怖に包まれる中、賢いライオンが動物たちに「落ち着いて!まずはボチャンが何なのか確かめよう」と呼びかけます。
ライオンに導かれて湖に戻った動物たちは、そこに落ちているパパイヤを見て大笑い。ただの勘違いだったと知り、安堵のため息をつきます。
何かが起こったとき、すぐに慌てて行動するのではなく、まずは落ち着いて状況を確認すること。そして、不確かな情報に惑わされず、自分の目で真実を見極めることの大切さ。
この物語は、子どもたちに大切なことを教えてくれます。
「童話(ボチャン)切手」のデザインと特徴
中国切手「童話(ボチャン)」は、4枚の切手が連なったシートで、物語の展開を順を追って楽しめます。
さらに、動物たちと文字が描かれた、額面のないタブが1枚付属しています。このタブは切手としては使用できないものの、国名や額面情報を省くことで、デザイン性を高め、コレクター心をくすぐる要素となっているのです。
シート全体は、4種類の切手とタブが10列に並び、合計50面で構成されています。
それぞれの切手は、物語の印象的な場面を生き生きと表現しています。
✔ ボチャン!(額面8分、発行枚数1,500万枚)
✔ ボチャンが来た!(額面8分、発行枚数1,500万枚)
✔ 逃げる前に正体を(額面8分、発行枚数1,500万枚)
✔ なんだパパイヤか(額面8分、発行枚数1,500万枚)
続いて、切手の各図案について解説します。
図案:ボチャン!
湖面に大きな波紋が広がり、水しぶきが勢いよく飛び散っています。
まるで何かが落ちた瞬間、「ボチャン!」という音が聞こえてきそうな臨場感。その波紋の中心には、落ちてきたパパイヤが浮かんでいます。
湖のほとりに描かれているのは、長い耳のウサギが驚き、慌ててその場を離れようとしている様子です。
この場面は、物語の始まりを告げる重要なシーンです。一体何が湖に落ちたのか?ウサギはなぜ驚いているのか?
読者の好奇心を刺激し、物語の世界へと引き込みます。
図案:ボチャンが来た!
「ボチャンが来た!」に描かれているのは、ウサギが必死に駆け抜けながら、恐怖に満ちた声で叫んでいる様子です。
その表情からは、何が起きたのかわからず混乱している様子が伝わってきます。ウサギの叫び声を聞いたキツネや猿たちも、驚きと不安で慌てふためいているのです。
森全体にパニックが広がり、緊迫感が高まっていく様子が、ひしひしと伝わってきます。
図案:逃げる前に正体を
この切手に描かれているのは、動物たちがパニックに陥る中、威厳に満ちたライオンが落ち着き払った声で、「慌てて逃げる前に、まずはその正体を確かめよう」と呼びかける様子です。
ライオンの表情には、深い知恵と冷静さが刻まれています。周囲の動物たちは、一瞬戸惑いながらも、ライオンの言葉に耳を傾け始めます。
混乱の中にも、状況を見極めることの大切さを訴えるライオンの姿が印象的です。
図案:なんだパパイヤか
湖畔に集まった動物たちは、湖に落ちたものの正体がパパイヤだとわかると、一斉に「ああ、なんだパパイヤだったのか」と安堵の声を漏らします。
再びパパイヤが湖に落ち、「ボチャン」という音が響く様子を見て、ライオンをはじめとする動物たちの顔には、安堵感と少しの恥ずかしさが浮かび、まるで笑い話のような温かい雰囲気が漂います。
この場面は、誤解が解けて安堵する瞬間を優しく描いた、心温まるシーンです。
▼中国切手「童話(ボチャン)」の詳細
・発行日:1980年6月1日
・額面:8分
・切手デザイン:全4種類
・発行枚数:1,500万枚
・編号:T51
「童話(ボチャン)切手」の価値と高価買取のポイント
中国切手「童話(ボチャン)」は、発行枚数が1,500万枚と比較的多いものの、その愛らしいデザインと物語性からコレクター人気が高く、市場価値も安定しています。
とくに、未使用の完全なシートや希少なタブ付きの状態では、コレクター人気が高く、高値で取引される傾向にあります。
高価買取のポイント
「童話(ボチャン)切手」を少しでも高く売るために、「高価買取のポイント」を3つお伝えします。
1.「未使用品である」こと
使用済み品よりも、未使用品の方が価値が高くなります。とくに、ヒンジ跡や目立った汚れがないものが高額査定の対象です。
ただし、初日カバーなど特別な消印がある場合は、使用済みでも高値がつく可能性があります。
消印の有無に関わらず、まずは切手の買取店にご相談ください。
2.「タブ付きである」こと
この切手は、切手シートの端に余白部分(タブ)が付いた状態で発行されました。
タブは切手コレクションの完全性を保つ上で重要な要素であり、タブ付きの切手は希少価値が高いため、買取価格も高くなる傾向にあります。
お手元にタブ付きの切手がある場合は、切り離さずに保管しましょう。
3.「切手帳である」こと
「童話(ボチャン)切手」は、中国初の切手帳としても発行されました。
切手帳は通常のバラ切手よりも価値が高く、状態が良ければ高値での買取が期待できます。
ー「童話(ボチャン)」切手をお持ちの方へー
もしお手元に「童話(ボチャン)切手」をお持ちでしたら、「買取福ちゃん」までぜひご連絡ください。
専門スタッフが丁寧に査定し、その価値に見合う買取価格をご提示いたします。
とくに、未使用品・タブ付き・切手帳は、高額査定を期待できますので、お気軽にお問い合わせください。
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まとめ
1980年代初頭、文化大革命後の中国は鄧小平の改革開放政策の下、大きな変革期を迎えていました。
教育の重要性が再認識され、子どもたちの健全な成長と創造性の育成が社会全体の願いとなっていた時代です。
そのような中、1980年6月1日に発行された「童話(ボチャン)切手」は、単なる郵便切手以上の存在感を放っていました。中国初のタブ付き連刷形式、そして中国初の切手帳としての発行など、その革新的な形式は、まさに新しい時代の到来を象徴していました。
さらに、切手タイトルに擬音語「ボチャン」をそのまま採用した点も、当時としては非常に斬新でした。
子どもたちの想像力をかき立てるだけでなく、型にはまらない自由な発想を促す。そのようなメッセージが込められていたのかもしれません。
物語の内容も、当時の中国社会に深く響くものでした。
「パニックにならず、冷静に状況を判断することの大切さ」というメッセージは、迷信や噂に惑わされやすい社会状況の中で、科学的思考と理性的判断の重要性を訴えかけるものでした。
発行当時、この切手は子どもたちだけでなく、大人たちの心をも捉えたのです。
教育的価値の高い物語、革新的な形式、そして時代の空気を反映したメッセージ性。これらの要素が融合した「童話(ボチャン)切手」は、まさに激動の中国が生んだ、価値あるコレクターズアイテムといえるでしょう。