スポーツの祭典!中国切手「第2回全国体育大会(1965年)」の価値と全デザインを徹底解説
1965年に中国で開催された「第2回全国体育大会」を記念して発行された切手セットは、コレクターの間で高い人気を誇っています。
この切手セット最大の魅力は、各競技をモチーフにした11種類の多彩なデザインです。躍動感あふれるアスリートたちの姿や、熱気あふれる競技風景が生き生きと描かれ、当時のスポーツの熱気を今に伝えています。
各切手の発行枚数が異なるため、コンプリートを目指すコレクターにとっては、まさに挑戦しがいのあるコレクションといえるでしょう。希少価値の高い切手は、市場でも高値で取引されています。
当記事では、各切手のデザインや発行枚数、市場価値など、コレクターにとって知りたい情報を詳しく解説。さらに、この切手が発行された当時の中国の社会情勢や、スポーツが果たした役割にも焦点を当て、切手の奥深い魅力をお届けします。
この記事を通して、中国切手「第2回全国体育大会」の魅力にぜひ触れてみてください。
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目次
「第2回全国体育大会」切手とは
1965年、中国全土を熱狂の渦に巻き込んだ「第2回全国体育大会」の開催を記念し、特別な記念切手が発行されました。
この大会は、正式には「中華人民共和国全国運動会」と呼ばれ、日本の国民体育大会(国体)に匹敵する一大スポーツイベントです。中国各地から29団体が集結し、9月11日から28日にかけて北京で熱戦が繰り広げられました。
開会式には、「毛沢東」をはじめとする、「劉少奇」「周恩来」「朱徳」「鄧小平」といった中国を代表する指導者たちが顔を揃えたことからも、大会の重要性と注目度の高さを物語っています。
競技種目は実に22種目、さらにデモンストレーション1種目が行われ、多種多彩なスポーツの魅力が披露されました。
▼競技種目一覧
✔ サッカー
✔ バスケットボール
✔ バレーボール
✔ 卓球
✔ テニス
✔ バドミントン
✔ 水球
✔ 陸上競技
✔ 自転車
✔ 体操
✔ ウエイトリフティング
✔ フェンシング
✔ 水泳
✔ 飛び込み
✔ レスリング
✔ アーチェリー
✔ 射撃
✔ モーターサイクル
✔ 無線通信
✔ スカイダイビング
✔ 航空模型
✔ 航海模型
✔ 武術(デモンストレーション種目)
この大会には、中国全土から5千人を超えるトップアスリートたちが集結しました。その熱戦の中で、9つの世界新記録と130もの国内記録が塗り替えられるという驚異的な結果を残し、中国スポーツ界のレベルの高さを世界に知らしめたのです。
選手たちの活躍は、国民に大きな感動と勇気を与え、国の発展に対する自信と誇りを深めるきっかけとなりました。
第2回全国体育大会は、単なるスポーツイベントにとどまらず、中国スポーツの発展に大きく貢献し、その後のスポーツ界を牽引する礎を築いたといえるでしょう。
その歴史的意義は、今もなお色あせることなく、語り継がれています。
「第2回全国体育大会」切手の全種類とデザインテーマ
▼中国切手「第2回全国体育大会」の詳細
・発行日:1965年9月28日
・額面:4分~43分(※100分=1元)
・切手デザイン:全11種類
・発行枚数:90万枚~850万枚
中国切手「第2回全国体育大会」は、全11種類の図案で構成された切手セットです。
各切手には、競技種目に合わせた力強い色使いが印象的で、躍動感あふれるアスリートたちの姿が生き生きと描かれています。見る者を一瞬で引き込む、迫力と躍動感にあふれたデザインは、まさにスポーツの祭典を象徴するかのようです。
それぞれの切手が異なる競技シーンを切り取っているため、セット全体を通して、大会の熱気と興奮を追体験できるのも魅力の1つといえるでしょう。
各切手のデザインテーマ、発行枚数は以下のとおりです。
☑ サッカー(額面4分、発行枚数750万枚)
☑ アーチェリー(額面4分、発行枚数750万枚)
☑ やり投げ(額面8分、発行枚数850万枚)
☑ 女子体操(額面8分、発行枚数850万枚)
☑ バレーボール(額面8分、発行枚数850万枚)
☑ 自転車競技(額面10分、発行枚数200万枚)
☑ 開会式(額面10分、発行枚数180万枚)
☑ 飛び込み(額面20分、発行枚数110万枚)
☑ ハードル(額面22分、発行枚数110万枚)
☑ 重量挙げ(額面30分、発行枚数90万枚)
☑ バスケットボール(額面43分、発行枚数90万枚)
この切手セットは、発行枚数にも大きな特徴があります。
最も多いもので750万枚、少ないものではわずか90万枚と、その差は実に8倍以上にもおよびます。この希少性の違いが、コレクターたちの収集意欲を掻き立てる一因となっているといえるでしょう。
とくに発行枚数の少ない切手は、市場でも高値で取引されることが多く、コレクターにとっては垂涎の的となっています。
サッカー(4分、750万枚)
サッカーの切手は、燃えるような赤を基調としたデザインで、ゴールを狙う選手の一瞬の動きを見事に捉えています。
描かれているのはボールを足元に置き、蹴る角度を見定め、右足を大きく振り上げた、まさにシュートを放つ直前の瞬間です。
その姿からは、選手が持つ集中力と、ゴールへの熱い思いがひしひしと伝わってきます。
アーチェリー(4分、750万枚)
アーチェリーの切手は、落ち着いたグレーを基調とし、集中力を極限まで高めた女性選手の姿を描いています。
彼女は左腕をまっすぐに伸ばし、右手で弓の弦をしっかりと引き絞り、満月のように弓を大きく開いています。その姿は、力強さと繊細な美しさが絶妙に融合した、アーチェリーという競技の真髄を体現しているかのようです。
古代中国において、弓矢は戦闘や狩猟に欠かせない武器であり、長い歴史の中で重要な役割を果たしてきました。そのため、アーチェリーは単なるスポーツではなく、軍事訓練や健康増進のための手段としても広く奨励されていたのです。
西周時代には、なんと学校教育において「射」が「礼・楽・書・数・御(馬術)」と並ぶ、「六芸」の1つとして重視されていたほどです。
この切手は、そのような中国におけるアーチェリーの長い歴史と伝統を、静かで力強い選手の描写を通して雄弁に物語っています。
やり投げ(8分、850万枚)
やり投げの切手は、深緑を基調とした色合いで、選手が全身全霊を込めてやりを投げる瞬間を捉えています。
描かれているのは、助走とクロスステップを終え、右手に握ったやりを肩越しに高く掲げ、今まさに解き放とうとする瞬間です。
その姿からは、選手が蓄積したエネルギーを一点に集中させ、やりに最大限の力を伝える決意と、勝利への強い意志が感じられます。
やり投げは、古代オリンピックの五種競技の1つとして歴史があります。1908年には男子、1932年には女子が正式種目として採用されました。
現在のやり投げは、「男子:重さ800g|長さ260~270cm」「女子:重さ600g|長さ220~230cm」と、厳格な規格によって定められています。
女子体操(8分、850万枚)
女子体操の切手は、深みのあるえんじ色を基調とし、跳躍する女性体操選手の美しい一瞬を切り取っています。
両腕を大きく広げ、まるで翼を広げて大空へ羽ばたくツバメのようなその姿は、優雅さと力強さを兼ね備え、見る者に感動を与えるでしょう。
体操競技の構成は、男子が「床運動・あん馬・跳馬・平行棒・吊り輪・鉄棒」の6種目、女子が「跳馬・段違い平行棒・平均台・床運動」の4種目です。
選手たちはそれぞれの種目で、技の難度と正確性、そして美しさを競い合い、審判員によって厳正に評価されているのです。
1896年のアテネオリンピックで初めて正式種目として採用されて以来、体操競技はオリンピックの華として、世界中の人々を魅了し続けています。
バレーボール(8分、850万枚)
バレーボールの切手は、鮮やかな緑を基調とし、女子バレーボール選手の迫力あふれるスパイクシーンを捉えています。
高く跳び上がり、ネットをはるかに超えるほどの高さに達した選手の姿は、まさに圧巻。胸を張り、頭を高く掲げ、弓なりに反った体は美しい弧を描きながら、力強いスパイクを打ち込もうとしています。
その姿からは、勝利への執念と、一瞬にかける選手の情熱が伝わってくるようです。
自転車競技(10分、200万枚)
ヘルメットと自転車競技用のユニフォームを身につけ、レーシングバイクにまたがった選手たちは、ペダルを力強く踏み込み、互いに一歩も譲らぬデッドヒートを繰り広げているのです。
肩を並べて疾走する姿からは、ライバル心を燃やしつつも、互いの力を認め合い、ゴールを目指して全力を尽くす選手たちの熱い思いが伝わってきます。
自転車競技は、1896年のアテネオリンピックから正式種目として採用。その歴史は古く、世界中で愛されるスポーツです。中国でも1950年代から発展が始まり、1970年代以降は国際大会で目覚ましい活躍を見せています。
開会式(10分、180万枚)
開会式の切手は、第2回全国運動会の壮大な幕開けを、横長の構図でダイナミックに表現しています。
背景には、鮮やかな赤い旗と、毛沢東が揮毫した「体育運動を発展させ、人民の体力を増強する」という力強いスローガンが掲げられています。このスローガンは、1952年の全国体育総会で毛沢東が記したもので、スポーツの重要性を訴える象徴的な言葉です。
前景には、選手たちが誇らしげに国章を掲げ、行進する姿が描かれています。このシーンは、スポーツを通じて愛国心と団結心を高め、国民の士気を鼓舞するという、全国運動会の理念を力強く表現しています。
この切手は、単に開会式の風景を描写するだけではありません。スポーツが持つ力と、国家の発展におけるその重要性を、見る者に訴えかける深いメッセージ性を持っているのです。
飛び込み(20分、110万枚)
飛び込みの切手は、鮮やかな青を基調とし、男子飛び込み選手が空中で見せる美しい一瞬を切り取っています。
選手は「飛燕」と呼ばれる姿勢で、両腕を広げ、全身をピンと伸ばしています。この姿勢は、膝や腰を曲げずに体を一直線に保つ高度な技術を要し、まさに宙を舞う鳥のような優雅なフォームを生み出すのです。
飛び込み競技は、「高飛び込み(10m、7.5m、5m)」と「飛び板飛び込み(3m、1m)」の2種類に分かれ、男女それぞれで行われます。選手たちは、飛び込みの高さや姿勢、入水の美しさなどを競い合い、審判によって厳密に採点されます。
この華麗な競技は、1904年のセントルイスオリンピックから正式種目として採用されており、現在は世界中で愛されている競技です。
ハードル(22分、110万枚)
ハードルの切手は、赤橙色を基調に、2人の男子選手がハードルを飛び越える瞬間の躍動感を捉えています。
ハードル競走は、一定間隔で設置されたハードルを飛び越えながら速さを競う陸上競技です。切手には、2人の選手がほぼ同時にハードルを飛び越える姿が描かれており、レースの緊迫感と白熱した競り合いが伝わってきます。
ハードル競走は、1896年のアテネオリンピックで、男子110mハードルが正式種目として採用されました。その後、男子400mハードル、女子100mハードルも追加されたのです。
中国のハードル競技は、1980年代から国際舞台で頭角を現し始めました。とくに、110mハードルでは、「世界選手権優勝」「オリンピック金メダル」「世界記録樹立」という偉業を成し遂げた「劉翔」選手を輩出するなど、目覚ましい発展を遂げています。
重量挙げ(30分、90万枚)
重量挙げの切手は、力強い藍色を基調に、選手がバーベルを頭上へと一気に持ち上げる瞬間の迫力を見事に捉えています。
描かれているのは、「ジャーク」と呼ばれる、重量挙げ競技の最も重要な局面の1つです。選手は、全身の筋肉を総動員し、鍛え上げられた肉体から爆発的なパワーを生み出し、バーベルを力強く押し上げているのです。
切手の中では、選手のたくましい筋肉と力強い体格が強調されています。そして、重量挙げという競技の過酷さと、それを成し遂げる選手の強靭な肉体が、見る者に鮮烈な印象を与えるのです。
さらに、バーベルの片端が画面からはみ出す大胆な構図は、重量挙げ特有のダイナミックな動きと、その瞬間の緊張感を巧みに表現しています。
バスケットボール(43分、90万枚)
片方の選手は両手でボールをしっかりと掴み、もう片方の選手は片手を伸ばしてボールを奪おうと必死の形相です。両者とも宙に浮いた状態で、ボールを巡る激しい攻防が繰り広げられている様子が伝わってきます。
バスケットボールは、1891年にアメリカで生まれたスポーツで、1936年のベルリンオリンピックから正式種目として採用されました。
中国では1930年代にバスケットボールが伝えられ、1970年代以降は国際大会でも活躍するようになりました。とくに、21世紀に入ってからは、男女ともにオリンピックや世界選手権でメダル獲得を目指すまでに成長し、その実力は世界から注目を集めています。
「第2回全国体育大会」切手の市場価値
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中国切手「第2回全国体育大会」は、一般的に額面以上の価格で取引されることが多く、コレクターの間で根強い人気を誇っています。
「一般的に」と前置きする理由としては、デザインによって発行枚数が大きく異なることや、保存状態によって価値が変動するためです。
色あせや劣化が激しい切手は価値が下がる一方、保存状態の良いものは高値で取引される傾向です。
とくに全11種が揃っている場合は、高額買取の可能性も大いに期待できます。
お手元にこの切手をお持ちの方は、専門の買取業者に査定を依頼されることをオススメします。
なお、第2回全国体育大会切手は、鮮やかな色彩が特徴です。しかしその分、色あせには注意が必要です。保管する際は、直射日光を避け、適切な環境で保管するように心がけましょう。
また、1959年に発行された「第1回全国体育大会切手」と比較すると、第2回大会の切手の方が全体的に価値が高い傾向です。
この理由としては、発行枚数の差や発売時期などが影響していると考えられています。
第2回全国体育大会切手は、適切な保管と取り扱いをすれば、将来的にさらに価値が上がる可能性も秘めています。ぜひ、この貴重な切手を大切に保管し、その価値を最大限に引き出してください。
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まとめ
1965年発行の「第2回全国体育大会切手」は、単なるスポーツイベントの記念品ではありません。それは、困難な時代を生きる人々に希望と活力を与えた、歴史的にも価値ある切手なのです。
1960年代前半、中国は「大躍進政策」の失敗と自然災害により、深刻な経済状況に直面していました。国民生活が困窮する中、開催された第2回全国体育大会は、人々に希望の光を灯す一大イベントでした。
本来4年ごとに開催されるはずだったこの大会ですが、第1回(1959年)から第2回(1965年)まで6年、さらに第3回(1975年)まで10年もの歳月が流れています。これは、当時の中国情勢がいかに不安定だったかを物語っています。
しかし、逆境を乗り越え、開催された大会だからこそ人々の心に深く刻まれ、その熱気は切手にも鮮やかに反映されているのでしょう。
カラフルで目を引くデザインのこの切手は、単なるコレクションアイテムを超え、困難な時代を乗り越えた中国の人々の強さと希望を象徴する存在です。
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