文化大革命の幕開け!中国切手「第1回アジア新興勢力体育大会」とは?

1966年、カンボジアの首都プノンペンで開催された「第1回アジア新興勢力体育大会」を記念し、中国で特別な切手が発行されました。

この切手セットは、アジアの新興国間の連帯と友好を象徴するだけでなく、文化大革命期の中国の政治情勢や社会状況を色濃く反映した貴重な歴史的資料として、コレクターの間で高い人気を誇っています。

当記事では、この記念切手のデザインや背景にある歴史的意義、そして市場における切手買取の価値について詳しく解説します。文化大革命期の中国に興味がある方、中国切手を収集されている方、歴史的な切手に関心がある方にとって、必見の内容です。

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「第1回アジア新興勢力体育大会」切手とは

文化大革命の幕開け!中国切手「第1回アジア新興勢力体育大会」とは?

1966年11月25日から12月6日にかけて、カンボジアの首都プノンペンで熱狂の渦に包まれた「第1回アジア新興勢力体育大会」。

アジア・アフリカの新興独立国が躍進する中、その連帯と友好を深めることを目的に開催された国際スポーツ大会です。

中国はこの大会を記念し、1966年に「第1回アジア新興勢力体育大会切手」を発行しました。切手には、大会の熱気や参加国の団結を象徴するデザインが施され、現在ではコレクターの間で高い人気を誇っています。

大会には、「中国」「北朝鮮」「ベトナム」「インドネシア」など、アジア17の国と地域から代表団が参加。

陸上競技」「バスケットボール」「サッカー」「バレーボール」など、21の競技が繰り広げられました。冷戦下の緊張が続く中、スポーツを通じた交流は、アジアの新興国が手を取り合い、友情を育む貴重な機会となったのです。

とくに、中国は黄中氏を団長とする331人の大規模な選手団を派遣。重量挙げで2つの世界記録を樹立するなど、目覚ましい活躍を見せました。

なお、本大会は、別途開催されている「第1回新興勢力体育大会」とは異なるイベントです。

▼参考▼
中国切手「第1回新興勢力体育大会」の詳細と切手買取についての関連コラムはこちら

1963年に開催された「第1回新興勢力体育大会」は、世界51カ国が参加する一大イベントでした。

しかし、今回の「第1回アジア新興勢力体育大会」は、アジア地域に焦点を絞ったため、参加国も大幅に減少しました。

「第1回アジア新興勢力体育大会」切手の特徴やデザイン

文化大革命の幕開け!中国切手「第1回アジア新興勢力体育大会」とは?

中国切手「第1回アジア新興勢力体育大会」は、4種類の個性的なデザインで構成されています。

スポーツをテーマとしながらも、当時の政治情勢を色濃く反映したデザインが特徴的です。

それぞれの切手のデザインテーマと発行枚数は、以下のとおりです。

✔ 敬愛する毛主席(額面8分、発行枚数800万枚)
✔ 選手団の団結(額面8分、発行枚数500万枚)
✔ 各国選手との交流(額面8分、発行枚数500万枚)
✔ 学習する選手(額面8分、発行枚数500万枚)

敬愛する毛主席】:赤いユニフォームを身にまとった中国選手たちが、毛沢東語録を高く掲げ、中央の毛沢東の肖像画を囲んでいます。彼らの熱狂的な様子が、見る者に迫ってくるようです。

選手団の団結】:アジア各国の選手たちが、書物を手に、腕を組み合い、連帯を示しています。切手上部に見られる言葉の意味は、「全世界の人民によるアメリカ帝国主義とその手先に対する闘争は、必ず大きな勝利を収めるだろう」です。

これは、1964年の談話で述べられたもので、「走狗(手先)」という強い言葉が使われていることから、アメリカとその同盟国に対する中国の強い意志が感じられます。

興味深いことに、日本では「選手団の団結」というテーマ名であるのに対し、中国では「団結反帝」として発行されており、当時の政治状況がスポーツ大会にも深く影響していたことが伺えます。

各国選手との交流】:切手に描かれているのは、競技場を舞台に、各国の選手たちがサインや記念品を交換し、笑顔で交流する様子です。スポーツを通じた国際交流の温かさが伝わってきます。

学習する選手】:選手たちが競技の合間に「毛主席語録」を手に取り、互いの経験や考えを共有しています。中国では「相互促進」というテーマ名で、異なる国籍の選手たちが毛沢東思想を通じて、互いに高め合うことを示唆しているのです。

▼中国切手「第1回アジア新興勢力体育大会」の詳細
・発行日:1966年12月31日
・額面:8分(※100分=1元)
・切手デザイン:全4種類
・発行枚数:500万枚~800万枚

「第1回アジア新興勢力体育大会」切手の市場価値は?高く売れる?

文化大革命の幕開け!中国切手「第1回アジア新興勢力体育大会」とは?

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第1回アジア新興勢力体育大会」記念切手は、1966年に発行された中国切手の中でもとくに人気が高く、コレクターの間で非常に高い評価を得ています。

現在の市場価値は、額面を上回るケースが多く、シート単位ではさらに高値が付くことも珍しくありません。未使用で状態の良い切手や、完全なシートは、コレクター垂涎の的であり、高額取引の対象となります。

しかし、切手の買取市場は常に変動するため、価格を一概に断定することは困難です。需要と供給のバランスによって、価格は大きく変動します。

この切手を少しでも高く売るためには、以下の2つのポイントに注意しましょう。

状態の確認と保護

切手の価値を左右する最も重要な要素は、その状態です。

湿気や直射日光を避け、適切な環境で保管することが、切手の価値を維持する上で不可欠です。

とくに未使用の切手は、裏面の糊の状態も評価に影響します。切手アルバムや保護シートを活用して、大切に保管しましょう。

市場動向の見極め

中国切手の買取市場は常に変化しています。

売却のタイミングを見極めることが、高値売却の鍵です。

市場の需要が高まっている時期や、関連ニュースで注目が集まるタイミングを狙うと、より高値で売れる可能性が高まります。

また、買取業者のキャンペーンを利用するのも有効な手段です。たとえば、福ちゃんの切手買取では、不定期で買取金額アップキャンペーンを実施しております。このようなキャンペーンを利用することで、より高値で売却できる可能性が高くなるのです。

これらのポイントを押さえ、ご自身の大切なコレクションを最大限に評価してくれる買い手を見つけましょう。

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まとめ

文化大革命の幕開け!中国切手「第1回アジア新興勢力体育大会」とは?

第1回アジア新興勢力体育大会は、1960年代の中国にとって極めて重要なイベントでした。文化大革命の勃興と時期を同じくして開催されたこの大会は、スポーツを通じて社会主義国家としての結束と自信を国内外に示す絶好の機会となったのです。

大会の成功を記念して発行されたこの切手は、当時の中国の政治的・社会的状況を如実に反映しています。文化大革命期のスポーツ切手は、「友情第一、試合第二」という理念を掲げながらも、政治的プロパガンダを重視する姿勢が顕著でした。

4種類の切手のデザインには、競技風景は一切描かれず、「学習」「交流」「歓呼」といった場面が、メインテーマとなっています。

デザインには、「毛沢東思想への忠誠」「反帝国主義」「国際的な連帯」といったメッセージが込められ、スポーツの祭典であると同時に、政治的プロパガンダとしての役割も担っていたのです。

第1回アジア新興勢力体育大会切手」は、まさに「文化大革命」期の政治を重視する、中国の国内情勢を映し出す鏡といえるでしょう。

翌年以降に発行が始まる「文革切手」の直前切手として、この切手の価値の動向は、中国切手のコレクターにとって、見逃せないポイントです。

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