新中国成立後からの急成長分野が切手に！1964年「化学工業の発達」の魅力と高い切手価値を持つ理由について
1964年に発行された中国切手「化学工業の発達」は、毛沢東主席による新中国成立から15年を記念して発行された切手です。
当時、急速に成長を遂げていた中国の化学工業の姿を力強く表現しており、中国の歴史を語る上で貴重な資料としても高い評価を得ています。
当記事では、「化学工業の発達」切手の魅力と、買取におけるポイントを徹底解説します。中国の歴史と文化についても、ぜひお楽しみください。
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目次
「化学工業の発達」切手とは
1964年12月30日、中国は新中国成立15周年を記念して特殊切手セット「化学工業の発達」を発行しました。この切手セットの特徴は、肥料・プラスチック・医薬品・ゴム・農薬・酸・アルカリ・合成繊維という、中国化学工業の8つの主要分野を、それぞれ象徴的に描いていることです。
1950年代から60年代にかけて、中国は重工業と基礎産業の強化に注力しました。化学工業は国家経済発展戦略の中核を担い、農業・医療・防衛産業に至るまで、幅広い分野に大きな影響を与えたのです。
化学工業製品は、鉄鋼・非鉄金属・木材・綿花・皮革・天然ゴムなど、工業原料に代わるものであり、国民生活の質向上にも大きく貢献しました。
「化学工業の発達」切手セットは、中国が国際舞台における工業国家としての地位を確立しようとする、意欲の表れともいえるでしょう。
日本の記念切手が行事やイベントを記念して発行されることが多いのに対し、中国の特殊切手は、国家の偉業や成果を広く知らしめるために発行されることが多い、という特徴があります。
「化学工業の発達」切手セットは、当時の中国化学工業の革新と力強い進歩を表現した貴重な資料であり、歴史的成就と文化的価値を兼ね備えているのです。発行から年月を経た古い切手のため、良品の現存数が少なく、美品はコレクター垂涎の逸品となっています。
近年、切手収集の人気が高まる中、「化学工業の発達」切手セットもまた注目を集めており、切手買取市場においても高値で取引されています。
「化学工業の発達」切手セットは、単なる切手以上の価値を持つ、中国の歴史と技術革新を語る貴重な資料です。中国の歴史・文化・そして工業化の歩みを理解したい方にとって、ぜひコレクションに加えたい逸品といえるでしょう。
「化学工業の発達」切手の特徴やデザイン
▼中国切手「化学工業の発達」の詳細
・発行日：1964年12月30日
・額面：8分（※100分＝1元）
・切手デザイン：全8種類
・発行枚数：各500万枚
1964年に発行された「化学工業の発達」切手セットは、力強いタッチで描かれたイラストとシンプルなデザインが特徴です。
切手セットは8種類の図案で構成されており、それぞれ異なる化学工業分野を象徴しています。
すべての切手の額面は「8分」で、発行枚数は各「500万枚」です。
切手のデザインは、シンプルなデザインと力強いタッチが描かれたイラストが特徴で、人物を白と黒の線で描き、背景は単色の濃淡により表現されています。
全8種類の切手デザインテーマは、以下のとおりです。
「化学肥料」切手（8分：500万枚）
高圧圧縮機が並ぶ工場を背景に、大きな化学肥料の袋を抱える労働者を力強く描いた1枚です。
切手のテーマでもある「化学肥料」とは、植物の成長に必要な栄養素を、合成や化学的方法で製造した肥料のことです。主に窒素・リン・カリウムなどの栄養素が含まれており、これらは植物の成長を促進し、収穫量を増やすために重要となります。
従来の有機肥料に比べて、化学肥料は高濃度で安定供給が可能という利点があります。そのため、20世紀以降、世界中の農業生産において重要な役割を果たせました。1950年代から60年代にかけて、中国は化学肥料の生産量を大幅に増加させました。その結果、中国の食糧生産量は飛躍的に増加し、人口増加への対応が可能になったのです。
この切手は、中国の食糧生産を支える化学肥料の重要性を伝える、貴重な1枚といえるでしょう。
「プラスチック」切手（8分：500万枚）
背景に「ポリマー合成釜」が並ぶ工場と、そこで生産されたさまざまなプラスチック製品を検査する女性作業員の姿が描かれた1枚です。
このデザインは、当時の中国におけるプラスチック産業の力強さと、製品品質へのこだわりを力強く表現しています。プラスチックは、石油や天然ガスなどの化石燃料を原料として合成される高分子化合物です。軽量で耐久性に優れ、加工性に優れた素材として、日用品から産業用部品まで幅広く使用されています。
中国は世界有数のプラスチック生産国であり、近年その生産量は飛躍的に増加しています。中国のプラスチック産業は、経済成長と工業化を支える重要な役割を果たしてきました。この切手は、当時の中国プラスチック産業の発展を象徴する、貴重な1枚といえるでしょう。
「医薬品」切手（8分：500万枚）
青ペニシリン発酵設備を背景に、労働者が分包機で「青ペンシリン」を包装している様子が描かれた1枚です。
青ペンシリンは、抗生物質の一種で、細菌による感染症の治療に効果があります。1928年にアレクサンダー・フレミングによって発見されて以来、多くの人の命を救ってきた奇跡の薬として有名ですね。
青ペンシリンは、さまざまな感染症に対して効果を発揮し、とくに肺炎・髄膜炎・敗血症など、重篤な感染症の治療に大きな役割を果たしてきました。
中国は、世界有数の医薬品生産国であり、近年その生産量は飛躍的に増加しています。中国の医薬品産業は、国民の健康を守るために重要な役割を果たしてきました。この切手は、中国医薬品産業の発展を象徴する貴重な1枚といえるでしょう。
「ゴム」切手（8分：500万枚）
背景に「タイヤ加硫機」が並ぶ工場と、そこで生産された自動車タイヤを検査する労働者の姿が描かれた1枚です。
ゴムは、天然ゴムと合成ゴムの2種類に分類されます。天然ゴムは、ゴムノキから採取される乳液を加工して作られ、合成ゴムは石油を原料として合成されます。ゴムは、弾性と耐久性に優れ、耐水性や耐熱性にも優れた素材です。そのため、自動車のタイヤ・各種ホース・ベルト・シーリング材など、幅広い用途に使用されています。
中国は、世界有数のゴム生産国であり、近年その生産量は飛躍的に増加中です。中国のゴム産業は、自動車産業や建設業などの発展を支える重要な役割を果たしてきました。この切手は、中国ゴム産業の発展を象徴する、貴重な1枚といえるでしょう。
「農薬」切手（8分：500万枚）
背景に「ベンゼンヘキサクロリド」を生産する合成筒が並ぶ工場と、「農薬」を散布する女性の姿が描かれた1枚です。
ベンゼンヘキサクロリドは、中国で「六六六」と呼ばれる有機塩素系殺虫剤です。1940年代に開発されたものの、環境汚染や人体への健康被害を引き起こすことが判明し、現在では多くの国で使用が禁止されています。日本でも1969年に問題視されて以降は劇物指定となり、使用が禁じられました。
農薬は、農業生産における害虫や病害虫の防除に不可欠な役割を果たしてきました。しかし、農薬の乱用は環境汚染や生物多様性の損失、人体への健康被害などの問題を引き起こしています。近年では、環境負荷の少ない生物農薬や、害虫の生態を利用した防除法など、持続可能な農業生産を目指す取り組みが進められています。
中国は、世界有数の農業大国であり、農薬の使用量も世界トップクラスです。1950年代から60年代にかけて、中国は農薬生産を拡大し、農業生産量の増加に貢献しました。しかし、1970年代以降、農薬の乱用による環境問題や健康被害が深刻化し、中国政府は農薬の使用規制を強化したのです。
この切手は、農業生産における農薬の役割と課題を表現した、貴重な1枚といえるでしょう。
「酸」切手（8分：500万枚）
硫酸の生産に従事する労働者と、背景に硫酸接触法の生産設備と硫酸を運ぶタンク車が描かれた1枚です。
硫酸は、無機酸の一種で、最も重要な工業用酸として知られています。硫黄と酸素を反応させて製造された、無色で無臭の液体です。硫酸は、強力な酸性を持つため、さまざまな化学反応の触媒として使用されます。また、肥料・洗剤・電池・金属加工など、幅広い産業で重要な原料として使用されることでも有名です。
中国は、世界有数の硫酸生産国であり、近年その生産量は飛躍的に増加しています。中国の硫酸産業は、経済成長と工業化を支える重要な役割を果たしてきました。1950年代から60年代にかけて、中国は硫酸生産を拡大し、工業生産の基盤を築きました。
この切手は、中国硫酸産業の発展を象徴する貴重な1枚といえるでしょう。
「アルカリ」切手（8分：500万枚）
背景に電解槽がある「苛性ソーダ工場」と、苛性ソーダの缶に蓋をする労働者の姿が描かれた1枚です。
苛性ソーダは、水酸化ナトリウム水溶液の別名で、強アルカリ性の無機化合物です。白色の固体で、水に溶けると無色透明の液体になります。苛性ソーダは、強力な洗浄作用と中和作用を持つため、さまざまな産業で重要な原料として使用されることで有名です。
中国は、世界有数の苛性ソーダ生産国であり、近年その生産量は飛躍的に増加しています。中国の苛性ソーダ産業は、経済成長と工業化を支える重要な役割を果たしてきました。
1950年代から60年代にかけて、中国は苛性ソーダ生産を拡大し、工業生産の基盤を築きました。この切手は、国苛性ソーダ産業の発展を象徴する、貴重な1枚といえるでしょう。
「合成繊維」切手（8分：500万枚）
背景に合成繊維工場の巻糸機が並ぶ工場と、そこで生産された合成繊維で織られた花柄の布を検査する女性織物工の姿が描かれた1枚です。
合成繊維は、天然繊維とは異なり、石油などの化石燃料を原料として人工的に製造された繊維です。代表的な合成繊維としては、ナイロン・ポリエステル・アクリルなどがあります。合成繊維は、耐久性・耐シワ性・耐熱性などに優れ、衣類・家庭用品・産業用材料など、幅広い用途で使用されています。
中国は、世界有数の合成繊維生産国であり、近年その生産量は飛躍的に増加中です。中国の合成繊維産業は、経済成長と国民生活の向上に大きく貢献してきました。
1950年代から60年代にかけて、中国は合成繊維生産を拡大し、軽工業の発展を支えました。この切手は、中国合成繊維産業の発展を象徴する、貴重な1枚といえるでしょう。
「化学工業の発達」切手の市場価値～査定買取を検討されている方へ～
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1964年発行の「化学工業の発達切手」セットは、希少価値が高く、状態が良いものは額面以上の高値で取引されることがあります。しかし、単色カラーのため、直射日光による日焼け・色あせ・擦れ・破れ・シミなどは、査定で価値が下がる可能性があります。
そのため、保管方法には注意が必要です。
切手買取で少しでも高値を目指すなら、現状維持に努めるだけでなく、下記の2項目もチェックしておきましょう。
単体よりも「まとめ売り」
「化学工業の発達」切手セットは、各切手の価値がほぼ均等で、特定のデザインだけが特別に高いというわけではありません。しかし、全8種が揃っている場合は、バラバラで売るよりもまとめて買取に出すほうが有利です。収集家の中には、セット全体の状態を重視する人も多いからです。
高値で売却を目指す場合は、「全セット揃っている状態」や「シート状で切り離されていない状態」であれば、そのまま査定に出すことをオススメいたします。
リサイクル店よりも「専門買取業者」
切手買取は、金券ショップやリサイクルショップでも、受け付けている場合があります。しかし、高価買取を目指すなら、中国切手の専門知識を持つ「専門の買取業者」に依頼するのが最善策です。
中国切手は、通常の切手よりも価値の高いものが多く、プレミア価格が付くものも多くあります。豊富な種類が存在する切手の価値判別には、専門知識が必要です。
商品券やイベントチケットをメインで扱っている金券ショップでは、中国切手に詳しい査定士がいない可能性があり、買取価格が安くなってしまうこともあります。
過去の買取実績や得意分野などを参考に、中国切手の買取に長けている業者を選ぶようにしましょう。
福ちゃんの切手買取では、「化学工業の発達」切手セットをはじめ、国内外の珍しい切手の査定や買取にも対応しております。
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まとめ
化学工業は、化学反応を利用して物質の構造・成分・形態などを変化させ、化学製品を生産する重要な産業です。鉄や非鉄金属・木材・綿・皮革・天然ゴムなど、工業原材に代わる化学製品は、国民経済や国民生活のさまざまな分野と密接に関係しています。
新中国成立後、社会生産力の発展と農業生産の飛躍的な進歩に伴い、化学工業は急速な発展を遂げました。1964年の建国15周年を迎えるまでに、設備や技術の導入などを通じて、中国の化学工業は技術的に進んだ新興産業部門として、ほぼ確立されたのです。
「化学工業の発達切手」は、新中国がいかに迅速に産業基盤を築き、世界の工業国としての地位を確立したかを物語る貴重な資料です。これらの切手は、中国がどのようにして自国の科学技術を発展させ、国際競争力を高めてきたかの証ともいえるでしょう。
中国切手の中でも希少価値の高い「全国の山河は赤一色切手」や「梅蘭芳舞台芸術切手」には、およばないものの、「化学工業の発達切手」は、当時の中国の化学工業の発展を象徴する貴重な切手です。
希少性も高く、額面以上の買取が期待できます。
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