【中国切手】「紅旗用水路」切手の特徴と詳細、買取市場について解説
目次
「紅旗用水路」記念切手とは
「紅旗用水路切手」は1972年に中国が発行した切手で、中国河南省の林州を中心とした「紅旗用水路」の建設を記念し、その功績と労働精神を広く知らせる目的で発行されました。
紅旗用水路は標高の高い場所に造られたことから「人工の天の河」「地上の天の河」とも呼ばれており、同切手セットにはその圧巻の景色が濃縮された芸術性の高い中国切手となっています。
1960年から1970年にかけて建設された紅旗用水路(※赤旗用水路と表記されることもある)は、その名が示すように、中国共産党の赤旗を象徴するものです。
当時の中国は、文化大革命の最中であり、社会と経済の両方が大きな圧力を受けていました。この期間に地元の住民たちは、枯渇した土地を救うために、川から水を引く大規模な運河の建設を始めました。
このプロジェクトは、約10年間にわたって数千人の労働者によって行われ、運河の全長は約70キロメートルにおよびます。運河は山々を横断し、谷を越え、トンネルを通過する部分が含まれています。これは、とくに現代の重機が利用できなかった当時の条件下では、非常に難易度の高い挑戦でした。
紅旗用水路は、地元の農業の生産性を向上させ、地域社会の生計を大幅に改善したことが広く認識されています。その創造的な解決策と卓越した工学的な技術は、用水路を中国全体、そして世界工学の驚異の一つとして位置づけられています。
「紅旗用水路」記念切手の特徴やデザイン
紅旗用水路の記念切手は4種のデザインで構成されています。それぞれのデザインテーマは以下の通りです。
・愚公、山を移す
・青年洞
・桃園橋
・人間天河
「愚公、山を移す」は、山脈の断崖絶壁で工事を遂行するために作業した人々の努力や、さまざまな困難を乗り越えた姿が再現されたデザインになっています。
「青年洞」は紅旗用水路の一つで、洞窟の中から見た景色が描かれたデザインです。また、この洞窟の掘削には、出稼ぎ労働者の中から300人の優秀な若者が選ばれたことから、”青年洞”という名称がつけられました。
「桃園橋」は紅旗用水路プロジェクトの主要部分の一つでもある高さ24メートルの石造橋で、水と人が絶えることなく流れる様子が描かれています。
「人間天河」は紅旗用水路の代表的な光景でもある山の崖に沿った水路がデザインされており、その見た目は「天の河」に相応しい絶景が望めます。
時期やタイミングによって需給バランスは変動し、必ずしもそれが切手買取価格に直結するわけではありませんが、同切手4種の中では比較的「桃園橋、人間天河」にコレクター人気が集まっている傾向です。
発行枚数も同時期に発売された中国切手「智取威虎山」(1970年発売)が各3,000万枚だったのに比べると、それよりも少なく約1/4ほどの発行枚数となる各770万枚となっています。
▼中国切手「紅旗用水路」の詳細
・発行日:1972年12月30日
・額面:各8分
・デザイン:全4種
・発行枚数:770万枚
「紅旗用水路」記念切手の市場価値や高く売るコツ
「紅旗用水路切手」は中国切手の中でも、人物がデザインとなっていない風景がモチーフの記念切手です。すべての中国切手が高価買取となるわけではありませんが、中国切手の種類や状態によっては高値がつくこともあります。
ここからは、紅旗用水路切手を少しでも高く売るためのコツやポイントを紹介します。
シリーズ切手はセットで売る
紅旗用水路切手のように複数のデザインがある切手の場合、バラバラの状態で売るよりもセットの状態で買取に出す方が高値がつきやすい傾向にあります。
当然ながら、中国切手は一枚ずつに価値があるものですが、切手コレクターはセットになっているものを好む方もいらっしゃいます。そのような背景を考えると、可能であれば「種類が揃った状態」で売るのがオススメです。
切手の状態は査定額に影響
価値のある中国切手は、切手の状態が査定額にも大きく影響を及ぼします。汚れや破れには注意し、きれいな状態を保てるように保管しておくのが重要です。
また、切手の保管にはヒンジレスアルバムなどを活用するのも一つの手です。中国切手を高く買い取ってもらうためには、少しでも良い状態で査定に出せるようにしましょう。
福ちゃんなら中国切手のまとめ売りも可能
切手収集で一枚のみ所有しているケースは少ないこともあり、まとめ売りを活用する方も多くなっています。大量の切手で買取を断る業者もありますが、福ちゃんなら中国切手のまとめ売りも可能です。
押し入れから大量の切手が出てきた場合やいくつもの切手アルバムに散らばっている切手など、その中に見落としていたプレミア切手などが混ざっていて予想以上の買取金額になることもあります。
切手のまとめ売りで少しでも高く売りたい場合には、福ちゃん切手買取までお気軽にご相談ください。
まとめ
紅旗用水路が完成する前のこの地域は、自然災害や深刻な干ばつに悩まされていた場所でもあります。古い資料やいい伝えには作物が取れずに人間が共食いしたとの逸話もあるほどです。
そこで、農作物を安定して育てていくためにも水源を確保した上で水路を作り、根本的な原因の解決を図るために紅旗用水路が計画されたのです。
お金や油よりも水のほうが大事だとも言われていた地域への用水路建設だっただけに、その工事は難航を極めたものとなり、紅旗用水路の完成は地元住民や労働に関わった人の血と汗の結晶ともいえます。
美しいデザインで仕上がっている紅旗用水路切手が誕生した背景には、このような多くの人がさまざまな形で関わっている記念切手です。
希少性やデザイン性はもちろんのこと、当時の時代背景や中国の歴史を考えても非常に重要な出来事を示す貴重な切手であることから、切手の状態が良ければ高価買取にも期待できる中国切手です。