切手収集用ヒンジとは?切手のヒンジを利用するメリットやデメリットを解説
今回は切手収集における「切手のヒンジ」とはどのようなものなのか、初心者の方にもわかりやすいように解説します。切手買取でも「ヒンジ跡」の有無が買取価格に影響する場合もあるため、切手のヒンジを利用するメリットやデメリットも併せて紹介します。プレミア切手などの切手保管では良い状態を保てるようにしましょう。
目次
切手のヒンジとは
切手のヒンジとは、切手をアルバムに保存する際に使用される、特殊な小さな紙片のことです。通常、一方が接着剤でコートされており、これを湿らせて切手の裏に貼り付け、その後アルバムに固定します。
この切手ヒンジにより切手がアルバムから簡単に取り外せ、また、切手自体にダメージを抑えた状態で保存することが可能になります。その起源は19世紀にさかのぼり、収集家が切手を適切に保管し、展示する手段として考案されました。
ヒンジの使用は切手収集の歴史と密接に結びついており、その方法とマナーは世界中のコレクターによって今でも引き継がれています。
切手収集は、世界中の多くの人々にとって大切な趣味であり、歴史的な出来事や文化を記念するアイテムを集めて保存するための手段でもあります。
ヒンジはその重要な役割を果たすアイテムで、専門家でも初心者でも切手を安全に保管するために利用するものです。
切手ヒンジの使用:長所と短所について
切手の保管やコレクションとして手軽に利用できるヒンジですが、利用には長所と短所の両側面があります。切手ヒンジの良い面や悪い面の両方を踏まえ、適切な選択をしていきましょう。
切手ヒンジの長所(メリット)
切手ヒンジの使用は、切手へのダメージを最小限にして効率よく保存できるという利点があります。また、適切に使用すれば、切手をいつでも取り出すことが可能で、収集品の管理が容易になります。
切手ヒンジの短所(デメリット)
しかし、一方でヒンジの使用には慎重さが求められ、間違った取り扱いは切手に影響を及ぼす可能性があります。また、一部の収集家は、ヒンジによる微細な印(ヒンジ跡)を避けるためにヒンジを使用しない選択も増えてきています。
切手へのヒンジの貼り方
切手ヒンジの使用は大変シンプルですが、繊細な作業となります。
まず、ヒンジを手に取り、接着剤の部分を軽く湿らせます。水分は少なめにしましょう。湿りすぎるとヒンジが切手やアルバムに張り付いてしまうので注意が必要です。
次に、湿らせたヒンジを切手の裏側の上部に貼り付けます。そして、ヒンジの乾くのを待った後、切手をアルバムの適切な位置に貼ります。
この際、ピンセットを使ったり湿らす際に綿棒を使ったりするなど、小物アイテムを使用して丁寧に行うことが推奨されます。
切手ヒンジの適切な保管とメンテナンス
切手ヒンジの保存には、湿度と温度の管理が重要です。湿度が高すぎるとヒンジが湿ってしまい、低すぎると乾燥してしまいます。
また、直射日光はヒンジを劣化させるので、避ける必要があります。これらの注意点を守り、適切な条件下でヒンジを保管することが重要です。
ヒンジレスアルバムの存在
ヒンジレスアルバムとは、ヒンジを使わずに切手を保存できる特殊なアルバムのことです。各ページには透明なポケットがあり、その中に切手を入れて保存します。
ヒンジレスアルバムはヒンジを使用しないため、切手に対するダメージを防ぐことが可能です。ただし、通常のアルバムよりも高価であるという点が欠点となっています。
また、日本切手でもよく見かける切手専用アルバムで「ボストーク」があります。こちらも「マウント付き=ヒンジレスアルバム」「マウントなし=ヒンジなどで貼り付けるアルバム」の複数が存在しているため、どちらの切手アルバムを利用するのかうまく使い分けましょう。
切手買取市場におけるヒンジの有無と価値への影響
切手買取では「ヒンジ跡の有無」が査定額に影響する場合があります。
ヒンジを使った切手の保存法は手軽であり、広く用いられている方法です。しかし、ヒンジの接着剤が切手に残ると、それが切手の美観を損ねたり、紙質を変質させることがあります。これが切手の価値を下げる一因となり得るのです。
切手買取では、ヒンジの接着剤が残っているかどうか、ヒンジを剥がした際の損傷があるかどうかを確認します。そして、大きな損傷がない切手のほうが高値が付きやすい傾向です。
非常にレアな切手や超プレミア切手のような一部の切手においては、ヒンジ跡があっても買取可能なケースもあります。しかし、多くのコレクターからはヒンジ跡の無いきれいな状態が好まれる傾向にあるため、将来的な切手買取や売却を見越して切手ヒンジを利用しない収集家が増えています。
この切手収集において、ヒンジを使用しない主な理由は下記の3点です。
理由1「ヒンジによる切手へのダメージを避ける」
ヒンジは接着剤により切手に貼り付けられますが、これが切手自体にダメージを与える可能性があります。とくに古い切手や希少価値の高い切手では、その価値を減少させる原因となる可能性があります。
この、少しでも切手へのダメージを回避したいと考える人が増えたのが、ヒンジレスアルバムの利用が主流になった一番の理由といえるでしょう。
理由2「美観の保持」
ヒンジは切手の裏面に貼り付けられるため、切手を裏返したときに見えてしまいます。これが切手の美観を損ねることもあります。
理由3「切手の取り扱いの容易さ」
ヒンジレスアルバムを使用すれば、切手をページに直接挿入できます。一方で、ヒンジを使用する場合は、ヒンジを湿らせて切手に貼り付け、乾かすという手間が発生します。また、ヒンジを剥がす際にも慎重さが必要です。
上記の理由から、とくに高価な切手や保存状態を重視するコレクターの間では、ヒンジを使用せずにヒンジレスアルバムを利用することが多くなっています。
ただし、ヒンジを使うことによるコストパフォーマンスも十分考慮する必要がありますので、収集する切手や自身の予算によって適切な方法を選ぶことが大切です。
まとめ
切手ヒンジは、切手収集における重要なツールであり、その使用は適切な保管と展示を可能にします。ただし、その利点を最大限に生かすためには、適切な使用とメンテナンスが必要です。
最近では、ヒンジを利用するケースは少なくなり、ヒンジレスアルバムなどの切手にダメージを与えない保管方法が主流となりつつあります。
ヒンジの貼り付けや外す際のミスによって切手の価値を落としてしまう可能性を考えると、価値のあるプレミア切手や古い切手ではヒンジの利用を避けるのが賢明といえるかもしれません。
もし、買取に出そうと考えているプレミア切手にヒンジがついている状態でも、無理にヒンジを剥がしてダメージを与えてしまわないように注意しましょう。
福ちゃん切手買取ではヒンジの有無だけで査定額を決めることはなく、切手本来の価値や市場の需給バランスなどを含めて総合的に価値を見定めています。
大量の切手アルバムや国内外の古い切手や価値のあるプレミア切手でも、経験豊富な査定士が一枚ずつ丁寧に査定します。お手元の切手を高く売りたいとお考えの際は、FUKUCHANまでお気軽にご相談ください。