【特殊切手】沖縄復帰25周年記念郵便切手の特徴や詳細について解説
今回は1997年に発行された「沖縄復帰25周年記念郵便切手」の特徴や詳細、切手買取市場における価値について紹介します。沖縄復帰から25周年の節目となるタイミングで発行された同切手は、発行枚数が限定されている特殊切手です。
沖縄復帰25周年記念郵便切手とは
「沖縄復帰25周年記念郵便切手」は、沖縄が日本に復帰した1972年(昭和47年)5月15日から25年後となる1997年(平成9年)に、25周年記念の特殊切手として郵政省(現在の日本郵便)から発行されたものです。
「沖縄復帰」とは、1972年5月15日に発生したアメリカから日本への沖縄県の行政権限移譲を指します。これにより沖縄県は日本の実効支配下に戻りました。なお、一部メディアでは沖縄復帰を「沖縄返還」と表現することもあります。
この沖縄復帰の背景を理解するためには、少し戦後の歴史を遡る必要があります。
第二次世界大戦終結後、「サンフランシスコ平和条約」により日本は沖縄県を含む南西諸島の主権を放棄し、1951年からアメリカの施政権下に置かれました。これは、アメリカが太平洋地域での軍事的な優位を確保し、冷戦の中での対ソビエト戦略を維持するためだったとされています。
しかし、その後の日本の高度経済成長と国際社会での地位向上、並びに日本国内外での沖縄返還要求の高まりを受けて、アメリカは沖縄の返還を決定。1971年に「沖縄返還協定」が調印され、翌1972年に施行されました。
沖縄復帰25周年記念郵便切手の特徴
沖縄復帰25周年記念郵便切手のデザインは日本画家である「濱田台児」氏の「琉球舞踊・四つ竹」で、装束をまとった女性二人が沖縄伝統舞踊(琉球舞踊)を踊る姿が描かれています。
この琉球舞踊である「四つ竹」は日本の古典的な舞踊で、とくに女性が演じることが多い「女踊り」の一つです。
紅型衣装に花笠をかぶり、打楽器である「四つ竹」を手に持った踊りは、琉球舞踊の中でも豪華で代表的なものとして有名です。また、黄色の紅型衣装は高貴とされていることもあり、非常に鮮やかな姿と踊りが見る人を惹きつけます。
琉球時代から伝わるこのような沖縄の古典舞踊は日本の文化遺産の一部であり、沖縄復帰を記念する切手デザインとしても美しい仕上がりになっています。
▼沖縄復帰25周年記念郵便切手の詳細
・発行日:1997年11月21日(平成9年)
・料額:80円
・サイズ:縦35.5mm、横25.0mm
・シート構成:縦5枚、横4枚の20枚構成
・発行枚数:2,000万枚
沖縄復帰25周年記念郵便切手の価値は?高く売れる?
沖縄復帰25周年記念郵便切手は切り離していないシート状のものや、切手の状態によっては額面以上の買取が可能な場合もあります。
ただし、切手買取は市場の需給バランスによっても価格が変動しますので、実際に査定に出すまでは参考程度に留めておくのが良いでしょう。
少しでも切手を高く売りたい場合には「切手まとめ売り」が効果的です。
古い切手アルバムや押し入れに入っている不要になった大量の切手などと一緒に買取依頼に出すと、思わぬ金額になるケースもあります。
大量の切手は買取してくれない業者もありますが、福ちゃんではほとんどのケースで大量の切手でも査定可能ですので、大量の切手買取を希望されている場合には弊社オペレーターまでお気軽にご相談ください。
まとめ
沖縄復帰は地元の人々、とくに沖縄県民や日本全体にとって非常に重要な意味を持っています。
「沖縄復帰」以降、沖縄は自身の固有の文化を保持しながら、日本本土との交流を深める機会を持ちました。
一方で、復帰前のアメリカ施政権下の期間は、多くの面で沖縄の社会や文化に影響を与え、それ自体が沖縄の独特なアイデンティティを形成する一因となりました。
今回は「25周年記念」による特殊切手でしたが、沖縄切手はほかにも有名な切手があります。たとえば、2022年には沖縄復帰の50周年を記念した「沖縄復帰50周年記念切手」も発売されました。ほかにも、20周年記念切手や40周年切手なども発売されています。
それぞれの切手が沖縄を象徴するデザインながらも、異なるテーマで描かれているため、沖縄復帰25周年記念郵便切手は蒐集家にとっても、コレクションしたくなるような記念切手といえるでしょう。