香港切手とは?有名切手や価値について解説
今回は、「香港切手」をテーマにお送りします。香港は、「中華人民共和国香港特別行政区」という正式名称で、“中国の一部”という位置づけです。かつては地理的に中国の一部とされていましたが、長い期間イギリスの植民地であった歴史があり、独自の文化が花開いた地域でもありました。
そんな香港がイギリスから中国に返還されてから、香港では中国で発行される切手を使用することになっています。以前は独自の切手を発行しており、今回はそんな香港独自の切手について取り上げます。具体的にはどのような切手があるのか紹介し、香港切手の価値についてもまとめてみました。
目次
香港切手とは?
1840年に清国(現在の中国)とイギリスの間で勃発したアヘン戦争で、イギリスは香港を占領。南京条約で香港はイギリスの植民地となりました。
それから1997年に中国へと返還されるまで、香港ではもともとの中国文化とイギリスからもたらされた西洋の文化が融合し、独自の文化が発展していくことになります。
そんな中、1862年にイギリスから切手の文化がもたらされ、東アジアでは最古の切手とされる香港切手が発行されることになりました。
ここで取り上げる香港切手は、1862~1997年に香港で発行された切手を指します。
この時期の切手には「香港」「HONG KONG」といった表記がなされているのが特徴で、世界中の切手コレクターの間で人気を博しています。
ちなみに、香港が1997年に中国に返還されて以降は、「中国香港」と表記された中国発行の切手が使われています。
主な香港切手を紹介
ここでは、香港切手の中でも特に有名な切手をいくつか紹介します。
ジョージ5世在位25周年記念切手
1935年の記念切手です。文字通り、1910年にイギリス国王となったジョージ5世の在位25周年を迎えたことを記念して発行されました。
デザインとして採用されているのは、王冠をいただいているジョージ5世の肖像画と、ジョージ5世の居城であるウィンザー城です。
ジョージ5世は貴族の横暴を禁じる措置を取ったり第1次世界大戦でイギリスを戦勝国にするために尽力したりといった功績を残した名君であり、切手に描かれている肖像からは、そんな名君ならではの理知的な姿を見て取ることができます。
ちなみにこの年、イギリス本国やイギリスの植民地でも25周年記念切手が発行されています。
チャーチル追悼記念切手
1965年に亡くなったウィンストン・チャーチルは、イギリスで最も有名な首相のひとりです。
第2次世界大戦が激化する1940年代に第1次チャーチル内閣を発足し、激動の時代において強烈なリーダーシップを発揮してイギリスを導きました。
また文筆の才能に恵まれた著述家としても知られており、1948年から執筆がスタートした大著『第2次世界大戦』はベストセラーとなり、1953年にはノーベル文学賞を受賞しています。
そんなチャーチルは世界的に人気が高い政治家であったということもあり、死去した際は国葬で送られ、世界中から追悼されることになりました。
翌年の1966年には香港でも追悼記念の切手が発行されています。
左側にチャーチルの顔写真があしらわれ(ぎゅっと唇を引き結んだ意志の強さを感じさせる表情が特徴的です)、右側にはチャーチルを高く評価し、慣例を破って国葬に参加したエリザベス女王の肖像がデザインされています。
エリザベス女王銀婚式記念切手
1972年、エリザベス女王とフィリップ王配が銀婚式を迎えたことを記念して発行された切手です。
鮮やかに彩色された女王と王配の姿が印象的に描かれた肖像がメインのデザインとなっています。
また肖像の左右には不死鳥と竜のデザインが施されており、お祝いの雰囲気が濃厚に感じられるのも特徴です。
ブルース・リー切手
香港は映画産業が盛んな地域であり、これまでにも数多くの名作やスターが生まれてきた歴史があります。世界的に高い評価を獲得してハリウッドで活躍する監督や俳優も少なくありません。
そんな香港における映画スターとして特に大きな存在として挙げられるのは、やはりブルース・リー(1940~1973年)ということになるでしょう。
死後数十年を経た現在でも熱心なファンやフォロワーが後を絶たず、多くの俳優や映画監督、さらにはスポーツ選手や経営者まで多彩な人々に影響を与え続けています。
自ら監督も手がけた『ドラゴンへの道』や代表作『燃えよドラゴン』をはじめ、磨き抜かれたカンフーの技を駆使したダイナミックなアクションで人気を呼びました。
そんなブルース・リーをデザインに採用した香港切手はいくつかありますが、「1997年の香港返還の時期まで」という条件のうえで見てみると1995年に発行されたものが挙げられます。
『ドラゴンへの道』など主演映画の印象的な場面をデザインに採用した切手で、鮮やかな色彩でスタイリッシュに仕上げられているのが特徴です。
ちなみに、ブルース・リーは世界的な人気を誇る映画スターということで、香港以外ではタンザニアやタジキスタンといった国々で発行されたものがあります。また、香港返還後の2021年にはブルース・リーの生誕80周年記念切手が香港で発売されています。
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当ブログでは何回か触れているように、かつて中国で発行されていた切手の中には額面よりもはるかに高額になるものも少なくありません。
特に、切手の収集や海外への持ち出しが禁じられていた時代の中国切手は希少価値が高いということもあり、高い買取額がつく傾向にあります。
代表的なものとしては、「赤猿」や「オオパンダ」などが挙げられます。また、かつての国家主席である毛沢東の肖像が描かれた切手なども高い価値を持ちます。
では、中国の一部である香港で発行されていた切手はどうかというと、「赤猿」「オオパンダ」ほどの高い価値は見込めない……ということになるでしょう。
とはいえ、まったく価値がないというわけではなく、状態によっては高い買取額がつく場合もあります。
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