知っておくべき色留袖と訪問着の違い!着るシーンには要注意!!

色留袖訪問着は、似ているようでまったく違います。
ところが、色留袖と訪問着の違いは、意外とわかりにくいもの。
違いを知らないでいると、思わぬマナー違反になりかねません。

そこで今回は、色留袖と訪問着の違いについて、わかりやすく解説していきます。

この記事で着物の知識をしっかりと身に付け、気持ちよく着物のおしゃれを楽しみましょう。

色留袖とは

色留袖とは

色留袖は、黒留袖に準ずる第一礼装、または準礼装として扱われる着物です。

以下に、色留袖の特徴を記しています。

● 裾に絵羽模様がある
● 未婚・既婚を問わず着用できる
● 家紋を入れる
● 比翼仕立て

一つひとつ、見ていきましょう。

裾に絵羽模様がある

色留袖は、着物の裾(下半身部分)だけに絵羽模様があるのが特徴です。

絵羽模様とは、着物の縫い目を超えてつながる絵柄のことで、着物をキャンバスにしたように描かれています。

未婚・既婚を問わず着用できる

未婚者も既婚者も関係なく着用できるのも、色留袖の特徴です。若い方もお年を召した方も、生涯にわたって着用でき、さまざまなシーンで活用できるでしょう。

家紋を入れる

色留袖は、必ず家紋を入れる着物です。

家紋の数によって格が異なりますので、以下に家紋の数と格の関係を記しておきました。

五つ紋 第一礼装
三つ紋 準礼装
一つ紋 準礼装(三つ紋よりも格下)

なお、家紋について詳しく解説している記事もございますので、ぜひ参考にしてください。
黒留袖の家紋は実家or嫁ぎ先どっち?ルールはある?

比翼仕立て

色留袖は、白羽二重の着物を重ねているように見せる「比翼仕立て」で仕立てているのが一般的です。

白羽二重を重ねるのは、「お祝いごとを重ねる」意味が含まれています。

訪問着とは

訪問着とは

訪問着は、準礼装として扱われる着物です。

以下に、訪問着の特徴を挙げておきます。

● 上半身にも絵羽模様がある
● 未婚・既婚を問わず着用できる

訪問着は、裾だけでなく、上半身にも絵羽模様が描かれているのが特徴です。

襟元・肩・袖・脇にも流れるように絵羽模様があり、豪華な印象与えてくれるでしょう。未婚・既婚に関係なく、どなたでも着用できる点は、色留袖と共通です。

なお、訪問着は、色合いやデザインが多様に展開されているため、着る人の雰囲気や年齢に合わせた着こなしが楽しめます。

色留袖と訪問着の違い

色留袖と訪問着の違い

色留袖と訪問着には、以下のような点に違いがあります。

● 見た目
● 格
● 着るシーン
● 合わせる帯や小物

さっそく、一つひとつ、順に解説していきます。

見た目

色留袖と訪問着の違いは、それぞれの見た目で確認できます。

着物の裾だけに絵羽模様をあしらったのが色留袖上半身にも裾にも絵羽模様があしらわれているのが訪問着です。

絵羽模様のモチーフにも違いがあります。

色留袖は、吉祥文様や有職文様などの縁起の良い絵柄が特徴です。一方の訪問着は、古典柄やモダンな柄など、色もデザインもさまざまな絵柄が描かれています。

色留袖と訪問着は、着物のが違います。

色留袖は第一礼装の着物ですので、準礼装の訪問着よりも格上です。一つ紋の場合は、訪問着と同じ準礼装ですが、色留袖の方が格は高いと認識しておきましょう。

これは、紋が付くことで、着物の格式が高くなるルールがあるからです。

着るシーン

色留袖と訪問着は、それぞれで着るシーンが違います。

まず、訪問着の場合、友人の結婚式をはじめ、子どもの卒業式・入学式・七五三などの行事に最適です。ほかにも、観劇・パーティー・食事会にもオススメします。

色留袖は主に親戚の結婚式に着用され、紋の数によって着るシーンに多少の違いが生じます。

五つ紋 親戚の結婚式・格の高い式典
三つ紋 親戚の結婚式
一つ紋 親戚の結婚式(セミフォーマル)

なお、五つ紋の色留袖は第一礼装ですが、新郎新婦の母親が結婚式で着ることはめったにありません

新郎新婦の母親は、黒留袖を着るのが一般的な見解として定着しています。

合わせる帯や小物

着物に合わせる帯や小物なども、色留袖と訪問着では違います。両者の違いが多岐にわたるため、色留袖と訪問着に分けて見ていきましょう。

色留袖

色留袖には、金糸や銀糸を使用した錦織や唐織など、格式の高い袋帯を合わせます。バッグや草履も同様に、金や銀などをあしらったデザインを選びましょう。

そのほかの小物類にも、注意点があります。

白い長襦袢と白い半衿のほか、帯揚げと帯締めも白をベースにデザインされた物を選び、帯の左胸に末広(扇子)を差すのがしきたりです。

なお、一つ紋の色留袖は、白に制限せず、淡い色合いで構いません。

訪問着

訪問着は、着るシーンによって、あわせる帯や小物類を変えるのがマナーです。

結婚式にゲストとして出席する場合は、金糸や銀糸を使った古典柄や吉祥文様などの、格が高い袋帯を選びましょう。

半衿は白、帯揚げと帯締めは、白や淡い色に金糸や銀糸の装飾を施した、高級感がある物でまとめます。バッグと草履は、金や銀をあしらったデザインが良いでしょう。

子どもに関する式典に合わせる帯は、格調が高い柄の袋帯を選びます。半衿は白、帯揚げ・帯締め・バッグ・草履は、訪問着の色合いに合わせた上品な物を合わせてください。

パーティーに参加する際は、おめでたい席なら吉祥文様の袋帯、カジュアルな席なら織りの名古屋帯など、ドレスコードに合わせて選んでみましょう。

そのほか、観劇や食事会などでは、織りの名古屋帯を合わせたり、洒落帯でカジュアルダウンしたりするのも良いでしょう。

半衿や帯揚げ・帯締め・バッグ・草履も、訪問着の色や柄に合わせて、おしゃれを楽しんでみてください。

色留袖と訪問着の違いまとめ

色留袖と訪問着の違いまとめ

色留袖と訪問着には、見た目の違いだけでなく、格・着るシーン・合わせる小物などの細かな違いもあります。

マナーやルールを理解しながら、シーンに好ましい着物をまとっておしゃれを楽しんでください。

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