袋帯の柄にはどのような種類があるの?帯も季節を気にするべき?

袋帯は、フォーマルな着物の装いに欠かせないアイテムです。

その袋帯には、仕立ての違いや、の入り方に違いがあるのをご存じでしょうか?

今回は、袋帯の種類や柄にスポットを当ててお話しを進めていきます。
着物を着る楽しみがより広がるよう、季節にふさわしい袋帯の柄もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

袋帯の種類

袋帯の種類

袋帯は、仕立ての違いによって、3つの種類に分けられます。

● 本袋
● 縫い袋
● 片縫い袋

本袋

本袋は、もともと筒状(袋状)に織りあげられているため、筒状の部分に縫い目がありません

仕上げに芯を入れて、口を縫い付けます。

なお、本袋は、作るのに技術を必要とするため、価格も高くなる傾向です。

縫い袋

縫い袋とは、表地と裏地を用意し、それぞれの端を織り込んで縫い合わせ、筒状にした袋帯のことです。

そのため、筒状の両脇に縫い目があるのが特徴で、生産量も比較的多めといえます。

片縫い袋

片縫い袋は、袋帯の2倍幅で作った生地を半分に折り、片側を縫い付けて筒状に仕上げた袋帯です。

半分に折る前の生地は、表地と裏地が隣り合わせに合体した形状のため、幅が2倍あります。

しゃれ袋帯とは

しゃれ袋帯とは

カジュアル向けに用意された袋帯を、しゃれ袋帯と呼んでいます。

全体的に落ち着いた印象で、金糸・銀糸をふんだんに使っていないのが特徴です。

柄においても、古典柄や縁起物などの柄がなく、自由度の高いデザインやおしゃれなデザイン性を重視しています。

しゃれ袋帯|合わせる着物と着るシーン

しゃれ袋帯は、デザインの趣によって、幅広い着物に合わせられます。

よそゆきに使えそうな柄やデザインであれば、付下げ・色無地・小紋などに合わせて、カジュアルなパーティーや観劇にオススメです。

軽いデザインのしゃれ袋帯の場合は、小紋や紬と合わせて、リラックスした食事会や旅行などにピッタリでしょう。

袋帯|柄の種類

袋帯|柄の種類

すべての袋帯は、帯全体に柄が入っているわけではありません。

袋帯は、柄の入り方によって、主に以下の3種類に分類されます。

● 全通柄
● 六通柄
● お太鼓柄

順に見ていきましょう。

全通柄

全通柄は、帯全体に柄が入っています。

全通柄の袋帯は、柄入りを気にせず、多種多様な結び方が楽しめるのがポイントです。おなかや結び目だけでなく、脇にまで柄が表れ、体形に関係なく美しく装えます。

なお、全体に柄がある分、手間やコストがかかっているため、価格が高いのが特徴です。

六通柄

帯の約6割に柄があるタイプを、六通柄と呼びます。

柄のない部分は、帯を巻く1周目に当たります。帯は、体に2周巻くため、無地の部分は隠れ、見栄えにはまったく問題がありません。

また、ふくら雀をはじめとする華やかな結び方の場合、着る人の体形によって、柄の部分が足りない可能性もあるので注意しましょう。

なお、全通柄に比べて柄が少ない分、価格も抑えられている傾向です。

お太鼓柄

お太鼓・たれ・おなかにあたる部分、または、お太鼓・おなかのみに柄が入っているタイプを、お太鼓柄といいます。

基本、お太鼓を結ぶための帯で、お太鼓以外の結び方には不向きです。

なお、お太鼓柄の袋帯を結ぶのは、初心者の方にとって難しいかもしれません。しかし、柄がきれいに出るように仕立てられているため、慣れてしまえば扱いやすく感じるでしょう。

季節にふさわしい袋帯の柄

季節にふさわしい袋帯の柄

ここでは、それぞれの季節にふさわしい、主な柄をご紹介します。

袋帯を介して、日本の四季を豊かに楽しんでくださると幸いです。

● 桜
● 藤
● 桃の花
● ボタン
● ショウブ

なお、着物や帯の柄は、季節を先取りして着用するのがよいとされています。

とくに桜は、満開になる前を意識して、咲く前から咲きはじめ に着用しましょう。

● アジサイ
● ナデシコ
● アサガオ
● キキョウ
● 波

● 紅葉
● ススキ
● キキョウ
● 萩
● イチョウ
● ブドウ
● うさぎ
● トンボ

● ツバキ
● スイセン
● 菊
● 南天
● 松竹梅
● 雪

通年

● 唐草
● チョウ
● 季節感のない風景
● 季節感のないデザイン

夏にふさわしい袋帯の素材

夏に着用する袋帯は、素材に配慮して選ぶようにしましょう。

夏にふさわしいのは、絽や紗などの透け感のある素材で作られた、夏袋帯と呼ばれる袋帯です。絽は、紗よりも格が高く、透け感が控えめです。

一方の紗は、絽よりも通気性が高く、カジュアルな装いにオススメします。そのほか、麻の素材で作られた袋帯も、夏用にふさわしいでしょう。

まとめ

まとめ

袋帯の柄や種類について、幅広くご紹介しました。

袋帯の魅力を再確認し、着物や帯でおしゃれをより楽しみながら、ぜひ豊かな人生を彩ってください。

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