付け下げや小紋はどのような着物?両者の違いや着るシーンについて

付け下げは、カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンで着用できるのが大きな魅力です。
気軽に楽しめる着物の小紋とは、具体的に何が違うのでしょうか?

今回は、付け下げと小紋の違いを詳しく見ていきながら、着るシーンや合わせる帯などのお話しをしていきます。

着物を深く知りたい方も、初心者の方も楽しめる内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。

付け下げとは?

付け下げとは?

付け下げは、ぜいたくな衣服が禁じられていた戦時中に、訪問着の代替品として作られた着物です。

全体的に控えめな印象で、柄が独立しており、訪問着のような絵羽模様がありません。なお、着物の形ではなく、反物の状態で売られているのが一般的です。

訪問着よりも格が下がりますが、柄によっては訪問着に準ずる着物として扱われます。

小紋とは?

小紋とは?

小紋は、上下の向きや柄合わせのない模様が、着物全体に型染めされているのが特徴です。

江戸小紋・京小紋・加賀小紋などの種類に分かれ、中には、無地の割合が多めで柄が点在する小紋もあります。フォーマル向きではなく、普段着やおしゃれ着として活躍する気軽な着物です。

付け下げと小紋の違い

付け下げと小紋の違い

付け下げと小紋の違いは、主に格と柄です。

ここからは、付け下げと小紋の格と柄について、ご紹介していきます。

格においては、付け下げの方が小紋より上です。

付け下げは紋を入れるのも可能で、紋が入るとより格が高くなります。また、準礼装と同格に扱われる付け下げもあり、紋や柄の違いによって幅広く着用できるのが特徴です。

小紋は、あくまでもカジュアルな普段着として、フォーマルの場では着用しません。

付け下げと小紋の違いは、柄大きく表れています。

着物全体が、同じ模様で覆われているのが小紋。型染めを繰り返して、染めているのが特徴です。一方、付け下げは、とび柄で描かれています。

柄は、下半身・左胸・左袖後ろに柄が入っているのが一般的です。

付け下げと小紋はいつ着る?

付け下げと小紋はいつ着る?

付け下げも小紋も、着るのにふさわしい場があります。

いつ着ればよいのかを把握して、それぞれにあったシーンで付け下げや小紋 でおしゃれを楽しみましょう。

付け下げ

付け下げは、柄や合わせる帯によって、カジュアルにもフォーマルにも対応、活躍の場が広がる着物です。

たとえば、柄がシンプルな軽めの付け下げなら、友人との食事会・観劇・気楽なパーティーのようなカジュアルなシーンで重宝します。

合わせる帯は、織りの名古屋帯や、しゃれ袋帯がピッタリです。

結婚式や入学式・卒業式などフォーマルなシーンには、華やかな柄の付け下げを選びましょう。

さらに、古典柄の袋帯や金・銀はくや金糸・銀糸を使った帯で格を上げると、ふさわしい装いができます。錦織や唐織りの袋帯なども、オススメです。

小紋

小紋は、格の高い名古屋帯を合わせれば、カジュアルなパーティーに映える着こなしができます。付け下げと同じように、柄や帯のチョイス次第で、小紋の格を上げるのも可能です。

たとえば、はくを施した華やかな柄の小紋は、袋帯を合わせて、レストランウエディングに参加しても問題はありません

ただし、華やかな小紋に格の高い帯を合わせたとしても、結婚式場やホテルでの披露宴に小紋で参加するのはマナー違反です。

小紋は、カジュアルな普段着であると認識しておきましょう。

なお、ショッピング・お稽古・友人とのランチなどには、半幅帯や名古屋帯の組み合わせがよく合います。

着物の種類と格付け

付け下げと小紋の格は、付け下げの方が高く、小紋の方が低いとお伝えしました。

着物には、付け下げと小紋以外にも種類があり、それぞれ格が決まっています。

参考までに、一般的な着物全体(女性用)の格付を表にしましたので、付け下げと小紋の格付けも、ぜひ再確認してみてください。

第一礼装打掛・黒留袖・本振袖・黒喪服
準礼装色留袖・振袖・訪問着・色無地・付け下げ
おしゃれ着・外出着付け下げ小紋・小紋・紬・絞りなど
普段着紬・絣・ウール・浴衣など

なお、「おしゃれ着・外出着」の中に、付け下げ小紋があります。

付け下げ小紋と小紋との違いは、柄の向きです。

小紋は、裁断や仕立てによって柄の上下がバラバラですが、付け下げ小紋は、着物の正面も後ろも柄が上を向いています。

着なくなった「付け下げ」「小紋」を眠らせていませんか?

いつか着るかもしれない

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着物も時間が経つと劣化が進み、価値が下がってしまいます。

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