使用されている生地素材によって着物は大きく変わる

購入やレンタルを検討している着物、自宅にある着物がどんな生地素材でできているか、生地素材による特徴をご存知でしょうか?着物といっても生地素材がいくつかあるので、保管方法や使用用途が違ってきます。着物を頻繁に着る機会がある人は少ないかもしれませんが、いざ着物を着るときに生地素材による特徴を知っていれば、用途に合わせて正しく着物を選ぶことができますよね。また、着物を着た後も正しい方法で保管することもできて、着物を長く綺麗な状態で保つこともできるでしょう。今回は、着物の生地素材による特徴について、着物の代表的な5種類の生地素材をご紹介します。

絹で作られた着物の特徴

着物といえば多くの人がイメージするのが,絹(シルク)で作られた着物です。しっとりとして肌なじみも良く、美しい光沢があるので体のラインも美しく見える特徴があります。また、光沢のある生地は模様を引き立ててくれるので、華やかな模様の着物が多いことも特徴で、留袖のように格が高いものが多いです。
絹で作られた着物のメリットとは、「軽くて丈夫」「静電気が出ない」「汗をかいても張り付かない」が上げられます。デメリットとしては、「洗濯が難しい(水に弱い)」「汗シミになりやすい」「日光や経年劣化で変色しやすい」「虫食いしやすい」など、保管や手入れの難しさが上げられます。

木綿で作られた着物の特徴

繊維が太くて丈夫な木綿で作られた着物は、普段着用の着物として使われます。木綿で作られた着物は、色染めをしやすいので色の種類も豊富です。また、通気性や吸湿性が良く、肌触りも良いので単衣の着物(裏地のない着物)や浴衣にも多く使われています。
木綿で作られた着物の大きなメリットは、「洗濯ができる」「耐久性がある」「吸汗性が高い」の3つがあり、普段着として使うのに最適です。デメリットとしては、「乾きにくい」「日光で変色しやすい」といったものがあるので、長期間の保管する際には、しっかりと乾かしてから日光を避けることを心がけましょう。

麻で作られた着物の特徴

麻で作られた着物は、「薄くても張りがあって丈夫」といった麻の特徴から、絽(ろ)や紗(しゃ)といった夏用の薄手の着物にも使われることが多いです。麻で作られた着物は、通気性や吸水性が良くて薄手で軽いので、夏でも快適に過ごすことができます。麻で作られた着物の色は、色落ちしやすいので落ち着いた色合いが多いです。
麻で作られた着物は、「軽い」「吸水性がある」「通気性が良い」といった、夏を快適に過ごすのに適したメリットがあります。デメリットとしては「生地が固く伸縮性があまりない」が上げられ、人によってはゴワゴワ感が気になるかもしれません。また、「カビに弱い」「シワになりやすい」といった特徴もありますので、保管の際には湿気とシワの対策が必要です。

ウールで作られた着物の特徴

ウールで作られた着物は、他の生地素材で作られた着物に比べて厚手で暖かいので、冬物の着物であることがほとんどです。ウールで作られた着物は、「肌触りが柔らかい」「吸湿性が良い」「保温性が良い」「汚れに強い」といったメリットがあり、「縮やすいが家でも洗濯ができる」「色落ちに強い」といった特徴もあるので、普段着として気軽に着ることができます。
ただし、毛羽たちがあることもあり、人によっては肌触りがチクチクして苦手に感じることもあるでしょう。ウールで作られた着物は、「虫食いしやすい」「日光で変色しやすい」といった特徴があるので、防虫グッズを使って日光を避けて保管するのが良いです。

ポリエステルで作られた着物の特徴

ポリエステルで作られた着物は、見た目では絹で作られた着物のような見た目があり、高級感を感じさせます。ですが、価格はそれほど高くないので、一度気軽に着物を楽しみたい方におすすめしたい着物です。ポリエステルで作られた着物は、「耐久性がある」「シワになりにくい」「型崩れしにくい」といったメリットがあり、お手入れも簡単なので家で洗濯することができます。
ただ、通気性や保湿性は乏しいので着心地は他の生地素材で作られた着物に比べると劣ってしまいます。そのため、長時間着物を着る際には別の生地素材でできた着物を着るのがおすすめです。ポリエステルで作られた着物は、絹で作られた着物と見た目の区別がつきにくいですが、数秒触って温もりがあるかどうかで判断することができます。

まとめ

着物も洋服と同じように、生地素材によって特徴が様々です。今回ご紹介した着物の生地素材による特徴を理解して、長く着物を楽しんで下さいね。

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