雨の日も着物を楽しみたい方へ｜大島紬は本当に雨に強い？
着物にとって雨ぬれや雨ジミはトラブルの元です。
ところが、大島紬においては水に強いといわれており、雨の日でも着る方が多くいらっしゃいます。
そこで今回は、大島紬と雨をテーマにお話しを進めていきます。
雨の日における大島紬の楽しみ方もご紹介しますので、ぜひ楽しみながら読んでくださると幸いです。
雨の日と着物
一般的に、雨の日に着物を着ると、雨ぬれや泥はねによるシミ・縮み・変色などさまざまなトラブルに発展してしまいます。放っておくと、元に戻らない可能性もあるため、応急処置や専門の業者に依頼するなどの対処が必要です。
そこで、着物が雨にぬれた場合の応急処置をご紹介しておきましょう。
雨ぬれ
急な雨に見舞われて着物をぬらしてしまったら、やわらかい白い布でぬれた部分を軽くたたくようにして水分を吸い取ります。
裏側に手が入る場所であれば、もう1枚布を用意して、着物の生地を挟むようにして水分を吸い取りましょう。
こすって水分を取るのは、厳禁です。生地の表面が白く擦れてしまい、元に戻らなくなってしまいます。ドライヤーやアイロンも、かえってダメージを与えてしまうので避けてください。
なお、「どしゃ降りに遭ってしまった」「変色や柄がにじんでいる」などの場合は、素人の応急処置では対応が不可能です。
着物専門のクリーニング店に相談しましょう。
泥はね
雨の日は、着物の裾に泥はねが付いてしまいがちです。
泥はねの場合は、すぐに対処すると汚れが広がる可能性あるため、以下に挙げた手順でお手入れをするとよいでしょう。
● 泥はねの部分は拭かずに、そのまま乾かす
● 裏側から指ではじくようにして泥を繊維の中から取り出す
● 着物専用のブラシを使用して、汚れを落とす
ただし、広範囲の泥はねや車からの水はねによる汚れは、個人による応急処置では対応しきれません。
早めに専門店に相談して、少しでもリスクを減らしましょう。
大島紬は雨に強い？
大島紬は、雨や泥はねに強いといわれています。
それは、大島紬に以下のような性質があるからです。
● 繊維の目が詰まっている
● 雨をはじき、乾きも早い
● 泥はねが目立たない
大島紬は繊維が詰まっているため、水分をはじき、比較的雨が染み込みにくい傾向があります。
さらに泥大島の場合は、黒っぽい色合いから泥汚れが目立ちません。
たしかに、大島紬は、少々の雨であれば拭き取るか払うかして雨じみを防げます。しかし、雨に強いといわれる大島紬でも、大雨やゲリラ豪雨には対応できません。
また、雨には大気汚染物質が含まれていたり、目立たない泥はねも後からシミになったりする可能性があります。
雨の日に大島紬を着用した際は、前述の「雨の日と着物」でご紹介した応急処置をしておきましょう。
雨の日に大島紬を楽しむ
大島紬を長く大切に着るために、次のようなアイテムを用意すると雨の日をより楽しめます。
● 雨ゴート
● 雨用の履物
さまざまな種類があるので、順に見ていきましょう。
雨ゴート
雨ゴートは、着物用のレインコートです。
手軽なポリエステルから撥水加工を施した大島紬や西陣織まで、さまざまな素材や価格帯で出回っています。スタイルは、ワンピース型とツーピース型があり、好みや機能性で選ぶとよいでしょう。
ワンピース型は着脱がしやすく手軽な一方、丈を合わせる必要があります。購入の際は、帯のふくらみも配慮できるよう、着物姿で採寸してもらうのがオススメです。
ツーピースは、丈の調整が可能で機能的ですが、脱ぎ着や畳むのに手間がかかります。
履物
雨の日は、雨用草履や爪皮などを用意して、履物の対策をしておきましょう。雨用草履は、つま先から甲にかけてビニールのカバーで覆われ、雨ぬれから足元を守ってくれます。
爪皮は、下駄のつま先に引っ掛けて使用する、雨よけのカバーです。
風情がある一方、雨の日は滑りやすいので注意してください。
また、ゴム底で防水対策をした、晴雨兼用の草履もあります。ただし、見た目は一般的な草履と変わりませんので、つま先にカバーを付けないと足元がぬれてしまうので要注意です。
雨対策を万全にして、大島紬のおしゃれを楽しんでください。
まとめ
大島紬は雨に強い素材として知られていますが、油断は禁物。雨の日は雨ゴートや雨用の履物を用意して、万全の対策で出かけましょう。
着なくなった大島紬は、思い切って売却するのも1つの選択肢です。大島紬は高価なもので、とくに有名作家の作品は高額で取引されることも珍しくありません。しかし、自宅で保管していると劣化のリスクが高まり、価値が下がってしまいます。
大島紬の売却をお考えの方は、早めの行動がオススメです。
大島紬の売却をお考えの方へ
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