紅型とは|人間国宝・玉那覇有公の着物に魅せられて
紅型(びんがた)は、琉球王朝が発祥の型染め技法です。
「紅(びん)」は色彩、「型」は模様を指し、紅型は多彩な色で染めた染物を意味します。
今回は、紅型の元祖・琉球紅型についてのお話です。
琉球紅型の有名作家・玉那覇有公(たまなはゆうこう)氏の紅型についても見ていきます。
沖縄の美しい自然を思わせる、琉球紅型の魅力に触れていただけると幸いです。
紅型とは
紅型とは、沖縄に古くから伝わる色鮮やかな型染め技法のことです。
一般的には琉球紅型を指し、いくつかの種類があります。
● 琉球紅型
● 京紅型
● 江戸紅型
琉球紅型は、鮮やかで大胆な色の組み合わせで動植物や風物を緻密に表現した、沖縄らしい風合いが特徴です。
京紅型は、京友禅の影響を受けており、古典柄の雅やかな印象があります。江戸紅型は、色使いを抑えたやさしいトーンと、粋な雰囲気が印象的です。
ここからは、紅型をよく知るために、歴史と特徴について見ていきましょう。
歴史
琉球紅型は、東南アジア諸国との貿易で栄えた琉球王国で誕生しました。
誕生の時期については、13世紀から、あるいは14〜15世紀の頃という説があります。インド更紗・ジャワ更紗・中国の花布などの技法を取り入れており、異国情緒が入り混じる独特な色使いや模様が特徴です。
主に琉球王国の王族や士族の女性たちに愛され、発展していきました。
その後、年の明治政府による琉球処分で、紅型は徐々に衰退。第2次世界大戦では、紅型工房が壊滅するも、紅型三宗家の継承者たちの想像を絶する努力によって復興を果たしました。
すべてが焼きつくされた地で、情熱を絶やさず、廃棄物を利用して製作を続けてきたおかげで、今の琉球紅型が残っているといっても過言ではありません。
現在は、沖縄県の無形文化財・国の伝統工芸品として、継承者と職人たちによって受け継がれています。
特徴
琉球紅型の大きな特徴は、花鳥風月がはっきりとした色使いで描かれていることです。
一般的に目にする染物とは違う独自の雰囲気があり、東南アジア、とくに中国の花布から影響を受けているといわれています。
また、沖縄の動植物以外にも、松竹梅や雪輪文様も多い傾向です。素朴な線書きと、大胆な色彩とのコントラストが楽しめるのも琉球紅型の特徴といえるでしょう。
なお、琉球紅型には以下の3種類があります。
● 紅型
● 藍型
● 筒描き
紅型は、琉球紅型に多く見られる技法です。
型紙で糊置きをしてから色を差していき、顔料を多く使用します。藍型は、藍や墨で染める技法です。筒描きは、糊引き(ぬいびち)と呼ばれる技法。型紙を使わずに糊を置き、色を差していきます。
人間国宝・玉那覇有公について
ここからは、紅型の人間国宝・玉那覇有公氏についてお話をしていきます。
玉那覇氏は、1961年、25歳のときに紅型の世界に入りました。紅型三宗家の1つである、14代城間家の城間栄喜氏に師事し、猛勉強と血のにじむ努力の末、独自の表現力を身に付けていきます。
やがて自分の工房をもつようになり、1996年には紅型の分野において、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。
玉那覇有公の紅型
玉那覇氏の紅型は、シャープで緻密な表現力で多くの人々を引きつけています。
手差しが多く施され、立体感のある仕上がりになっている点も支持されている理由です。何度も色を重ねたり丁寧にぼかしを施したり、繊細な技法により、数々の作品が生み出されています。
また、深みのある色や奥行き・絶妙な色使いも、大きな魅力です。
「青」「紫」「黄」「朱」「緑」「灰」「茶」など、多くの顔料を使いながらも、野暮ったくならない点は玉那覇氏の紅型ならでは。
素朴なのに洗練されている印象・やさしいのにシャープな印象があり、都会的に着こなせる希少な紅型です。
まとめ
琉球紅型は、琉球と海外の融合ともいえる、歴史のある技法です。
鮮やかな色や素朴な柄による、独特の個性と美しさに定評があります。
琉球紅型は、鮮やかな色彩と独特の模様が魅力の、沖縄を代表する伝統工芸品です。福ちゃんでは、琉球紅型をはじめ、さまざまな種類の着物を積極的に買取しています。
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