着物作家・森口邦彦とは?
着物を高く買い取ってもらう方法とは?
今回は、着物作家の森口邦彦(もりぐちくにひこ)についてまとめてみました。
歴史ある「友禅染」の染織を手がける作家であり、重要無形文化財「友禅」保持者(人間国宝)でもある森口邦彦は、グラフィックデザインの手法を大胆に取り入れた独自のデザインによって唯一無二の境地を開き、日本を代表する作家のひとりとして海外でもその名を知られています。
ここでは、そんな森口邦彦のプロフィールや作品について解説しています。
森口邦彦とはどんな着物作家?
1941年、森口邦彦は京都府京都市で生まれました。
父は、友禅染の重要無形文化財保持者として知られる作家の森口華弘でしたが、父がことさらに跡を継ぐことを求めることはなかったので、若き邦彦はのびのびと自分の希望する道へと進みました。
はじめ邦彦が目指したのは絵画の道で、京都市立美術大学に進学。榊原紫峰、秋野不矩といった画家たちに学んで優秀な成績を収めます。やがてフランスの絵画に惹かれるものを感じて渡仏。パリ国立高等装飾美術学校に入学し、当時の最先端芸術であったオプティカルアートを学びました。
オプティカルアートとは目の錯覚を利用する一種の抽象美術で、邦彦はこれを学んでグラフィックデザイナーとして社会に出ることを目指します。
しかし、著名な画家バルデュスに父・華弘の優れた事績を学んで跡を継ぐことをすすめられ、1966年に帰国。翌年から父のもとで友禅染の技法を学び始めます。
ただし、父が花鳥風月を繊細に描いたのに対して、邦彦はフランスで学んだ抽象美術を持ち込み、幾何学文様を用いたデザインを確立します。ここでも父は邦彦の意志を尊重したので、邦彦は伝統に縛られることなく独自の世界観を深め、やがて高い評価を得ることになっていきます。
2007年には重要無形文化財「友禅」保持者に認定され、その後も旭日中綬章やフランスのレジオンドヌール勲章などを受章。現在は、世界にその名を知られる芸術家のひとりとして活躍しています。
森口邦彦ならではの
友禅染について
もともと友禅染は江戸時代の前期に確立された染織で、多彩なカラーを用いた優雅で華麗なデザインの「京友禅」がもとになり、武家風の落ち着いた色合いの「加賀友禅」などが生まれ、発展していったという経緯があります。いずれも自然の風物を表現するのが基本となっています。
しかし、時代の変遷とともに作家の個性を強く反映したさまざまな友禅染が生まれていきました。
邦彦の父・華弘も、美しい自然の事物を取り入れたデザインを得意としましたが、伝統的な“華麗で豊かな色彩のきらびやかな世界観”からは離れた独自の友禅染を編み出しています。
そしてまた、邦彦も学生時代に学んだヨーロッパ発の抽象美術と自由な発想を活かし、それまでの友禅染の世界には存在しなかった独自の世界観を生み出すに至っています。
森口邦彦の作品紹介
ここでは、森口邦彦の代表的な作品を
いくつか紹介します。
-
千花
文字通り“千の花”を意味する題を持つこの作品では、一見すると森口邦彦の特徴である幾何学文様を並べたシンプルなデザインのように見えますが、描かれている正六角形の線が裾から肩にかけて徐々に淡く、細くなって消えていくという凝った仕掛けが施されています。
このように、視覚マジックのようなオプティカルアートをもとにした世界観を表現するのも、森口邦彦の特徴のひとつです。 -
光波
題にあるように、無数の光線が広がるさまを表現した作品です。伝統的な友禅染の技法を用い、大胆な幾何学文様で現代アートのような世界観をあらわす森口邦彦らしい傑作のひとつといえます。
やや緑がかった青の地色に白で表現された光線が繊細に表現されていますが、光線は身に着けたときに最も美しく映えるように設計されているのがポイントです。
雪舞
雪の結晶を表現した幾何学文様を散りばめた作品。2016年に制作された作品ですが、国内外で高い評価を得ており、2022年には世界各国の優れた工芸品を集めた「ホモ・ファーベル展」(イタリア・ヴェネチアで開催)で展示され、大きな話題を呼びました。
森口邦彦の着物買取は
福ちゃんにお任せください!
オプティカルアートの技法を取り入れ、モダンでグラフィカルな幾何学文様による唯一無二の友禅染を生み出している森口邦彦。
その作品は海外で紹介されることも多く、いずれも高い価値を誇ります。
状態によりますが、着物の買取額は数万単位になることもあります。
福ちゃんでは、そんな森口邦彦の着物の買取に力を入れています。
着物の買取に関して豊富な知識と経験を持つ査定士がしっかり見させていただき、適正価格を提示させていただきますので、ぜひ気軽にお申込みください。