着物作家・古賀フミとは?着物を高く買い取ってもらう方法とは?
今回は、着物作家の古賀フミについてまとめてみました。
古賀フミは、幼い頃から染織の技術を学び、その作品は数々の賞を受賞。
重要無形文化財「佐賀錦」保持者としても知られており、楚々とした美しさと華やかさをたたえた佐賀錦の作品は、特に高く評価されています。
ここでは、そんな古賀フミのプロフィールや作品、また彼女が重要無形文化財保持者として知られる「佐賀錦」という技法について、また作品を高く買い取ってもらうためのポイントについてまとめてみました。
目次
古賀フミとはどんな着物作家?
1927年、古賀フミは佐賀県佐賀市に生まれました。
生家は代々、旧佐賀藩の城内に勤めており、フミの曾祖母の代から佐賀藩の伝統的な織物である「佐賀錦」を伝えていました。
曾祖母の美寿は佐賀藩の家老・村田家に仕えており、佐賀藩の御殿で伝統的な佐賀錦を学び、やがてその技術を後世に伝えることになりました。
そんな中、古賀フミは佐賀錦の技術を受け継いだ母・八千代から学び、実に3歳の頃から織物を始めたといわれています。美寿が八千代に佐賀錦を教えるそばにいた幼いフミがしきりに興味を示したため、フミに合うサイズの織台を作って教え始めたのが最初だそうです。
こうして幼い頃から佐賀錦に親しみ、織物の技術を学んでいた古賀フミは、佐賀錦に興味を持っていた柳宗悦や森口華弘といった人々と交流を重ねます。
柳宗悦は「民芸運動」を提唱した美術評論家で、森口華弘は友禅の重要無形文化財保持者です。
彼らの縁で1966年、初めて日本伝統工芸展に出品して入選を果たすと、その後は日本伝統工芸染織展や日本伝統工芸新作展などにも作品を出品するようになります。
1967年には、日本伝統工芸染織展に出品した佐賀錦のハンドバッグで東京都教育委員会賞を受賞。さらに1969年には同じく日本伝統工芸染織展で日本工芸会総裁賞を受賞します。
その後も、1982年に日本工芸会賞(日本伝統工芸染織展)や日本工芸会長賞(日本伝統工芸展)を受賞。日本を代表する作家のひとりとして活躍します。
1988年には紫綬褒章を受章。さらに1994年、「佐賀錦」の重要無形文化財(人間国宝)保持者に認定されました。2015年に世を去りましたが、その作品は現在も多くの人に愛好されています。
重要無形文化財「佐賀錦」について
古賀フミは、佐賀県佐賀市に古くから伝わる「佐賀錦」によって重要無形文化財保持者に認定され、彼女が生み出す佐賀錦の作品は現在に至るまで多くの人を魅了しています。
では、そんな佐賀錦とはどのようなものなのでしょうか。
佐賀錦は、箔糸と呼ばれる特別な糸を経糸として使い、絹糸を緯糸として織り上げる織物のことを指します。箔糸は、金箔や銀箔を和紙に漆で貼りつけ、細く裂いて作る糸です。
網代(タテ・ヨコ交互に編んだ網目模様)やひし形などシンプルな幾何学模様を織り上げるのが特徴ですが、金箔や銀箔の気品あふれる輝きが彩りを添え、独特の風味と美しさがあります。
そんな佐賀錦の歴史は古く、その起源は江戸時代の後期にさかのぼります。
当時、佐賀藩を治めていた藩主の夫人が病気にかかり、寝たきりの退屈な生活を送っていたところ、ふと網代組みの天井の模様が美しいことに気づき、この模様を活かした小物が欲しいと思いました。
夫人がお付きの者にそれを伝えると、お付きの者は和紙をより合わせた紙縒り(こより)を使って網代模様の小物を作り、夫人にたいへん喜ばれました。
ここから、「和紙を使ってある模様を作る」という佐賀錦の基礎が生まれ、佐賀藩の城に勤める女性たちの間で流行。やがては伝統工芸のひとつとして伝わっていくことになりました。
明治維新のとき、佐賀藩が解体されることで佐賀錦は一時期、存亡の危機にさらされましたが、佐賀出身の政治家・大隈重信によって保存が図られました。
こうして古賀家からフミに伝えられた佐賀錦は、本来は財布や小物入れなどを作るために使われるという特徴があります。フミもまたハンドバッグや小物入れを多く作っていますが、彼女は帯の制作にも積極的にチャレンジし、いくつもの優れた作品を生み出しています。
古賀フミの作品紹介
ここでは、古賀フミが手がけた作品のうち、特に高い評価を得ているものをいくつか紹介します。
佐賀錦菱襷文帯「四照花」
先端がとがった4枚の花弁を持つ四照花(ヤマボウシ)の形を再現した「菱襷」という文様を、佐賀錦で表現している帯です。
ヤマボウシは初夏に咲く花ですが、やや薄い藍色の糸と金箔を使った箔糸でかろやかに表現された文様には、確かに初夏ならではの爽やかな雰囲気も感じられます。
1981年に制作されたこの作品は現在、神奈川県横浜市のシルク博物館にあります。
佐賀錦松皮菱文帯「天の河」
ひし形を重ね合わせて独特の文様を作り出す「松皮菱文」を、佐賀錦で表現している作品です。
クリーム色を基調とした優しい色合いも印象に残ります。
こちらの作品は1976年の第23回日本伝統工芸展に出品されました。現在は京都国立近代美術館に所蔵されています。
佐賀錦菱襷文和巾「花吹雪」
こちらは茶道で使用する茶道具のひとつです。帯などに比べるとサイズが小さな作品ですが、佐賀錦は本来、小物入れや財布を作るための技法として生み出されたものでした。
古賀フミは帯などを積極的に制作する一方で、佐賀錦の伝統的な使いみちに合った小物類も手がけています。こちらもそのひとつで、佐賀錦の技法を使って上品に仕上げています。
こちらの作品は現在、京都国立近代美術館に所蔵されています。
古賀フミの着物買取は福ちゃんにお任せください!
古賀フミは、主に佐賀錦の技法を使った帯や小物などを多く手がけています。
重要無形文化財保持者の作品ということで高い評価を得ていますが、買取に出す場合は1点で出すよりも複数でまとめて出したほうが値が付きやすい傾向にあります。
また着物や帯の査定を受ける場合、豊富な知識や経験を持つ着物買取業者に任せることが大切です。
半端な知識を持ついい加減な業者やリサイクルショップなどに任せると、正しい価値を見きわめてもらえず、思ったよりも低い値で買い取られてしまう可能性があるので注意しましょう。
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