• 金・貴金属
  • 2025.01.07

金の産出国ランキング|日本の産出状況も解説します

ジュエリーなどの素材として人気の金(ゴールド)は、希少性が高く、世界のごく限られた地域でしか産出しません。

金の産出国と聞くと、地下資源が豊富なアフリカをイメージする方もいるかと思います。しかし、産出量トップの国は、実はアフリカ以外の地域に存在します。

この記事では、金の産出国ランキングや、各国の特徴をご紹介。

日本の産出状況も解説しますので、ぜひご覧ください。

金の産出国ランキング

金の産出国ランキング

2023年の産出量にもとづいたランキング上位国は、以下のとおりです(参照:U.S. Geological Survey「Mineral commodity summaries 2024」)。

1位:中国(370トン)
2位:オーストラリア(310トン)
2位:ロシア(310トン)
4位:カナダ(200トン)
5位:アメリカ(170トン)
6位:カザフスタン(130トン)
7位:メキシコ(120トン)
8位:インドネシア(110トン)
9位:ウズベキスタン(100トン)
9位:南アフリカ(100トン)

中国では金鉱脈が相次いで発見されたこともあり、金産出量が増え続け、世界1位となっています。

そのほかに注目したいのが、9位の南アフリカです。

南アフリカは1970年初頭ごろ、世界の産出量全体の7割を占めるなど、他国を大きく圧倒する国として知られていました。

しかし、金を掘りすぎたことで、深く掘らないと産出しなくなってしまったのです。

こうした理由から、産出量が減少し、以前と比べるとランキングが下がっています。

金の産出国トップ5の特徴

金の産出国トップ5の特徴

ここでは、産出量トップ5の国について、それぞれの歴史や現状を詳しく見ていきましょう。

1位:中国

1位の中国は、世界の産出量全体のおよそ12%を占めています。

中国の金採掘の歴史は、実はそれほど長くありません。

金の採掘が本格的に始まったのは、1980年代のことでした。

その後1993年になると、巨大な金鉱脈が発見され、産出量が大きく増加。

2007年には南アフリカを抜いて1位となり、それ以降、世界トップの座を守り続けています。

2位:オーストラリア

オーストラリアの金採掘の歴史は長く、1851年に、イギリス人が砂金(さきん)を発見したのが始まりです。

砂金とは、砂状に細粒化した金のこと。金鉱脈が川の浸食作用などで崩れ、水に流されて川岸や海岸などに沈積することで、砂金になります。

オーストラリアで砂金が発見され、その後の調査で金鉱脈が見つかると、イギリスやアメリカをはじめとする世界各地から採掘者が殺到し、ゴールドラッシュが始まりました。

現在は、西オーストラリア州に国内最大の金鉱山が存在し、採掘が続けられています。

2位:ロシア

ロシアの金採掘の歴史は、明確な資料がなく、不明瞭な点も多いのが現状です。

ただ、近年の情報によると、2005年に金産業発展のための国家政策を導入。

この政策を通じて、産出量を増やすための新鉱床の探査に取り組んできました。

ロシアは近年急速に産出量が増加しており、その背景にはこうした取り組みがあると考えられています。

4位:カナダ

カナダで商業ベースでの金採掘が開始されたのは、1858年とされています。

1896年には、金の巨大な砂鉱床が発見され、史上空前のゴールドラッシュを呼びました。

近年、産出量は着実に増加しており、2021年にはアメリカを追い越しています。

今後も、世界の金市場で重要な役割を果たすと考えられています。

5位:アメリカ

アメリカといえば、歴史上、世界最大といわれるゴールドラッシュで有名です。

1848年、カリフォルニア州で砂金が発見されたのをきっかけにゴールドラッシュが起こり、1850年代半ばまで続きました。

当時はアジアからも採掘者が訪れ、金採掘のために移住したといいます。

現在は、ネバダ州などに主な金鉱山が存在し、安定した産出量を誇っています。

日本でも金は採れる?

日本でも金は採れる?

ここでは、日本における金採掘の歴史と現状を見ていきましょう。

日本では、戦国時代(1400年代後半~1600年代前半)に入ってから、金鉱山の開発が進んだといわれています。各国の武将は資金を集めるため、領内の金山を次々と採掘しました。

その後も金採掘が活発に行われ、かつては全国各地に金山がありましたが、明治以降になるとほとんどの金山が枯渇。

現在、日本国内で金が産出するのは、鹿児島にある菱刈鉱山のみとなっています。

日本の年間産出量はおよそ6トンで、ランキング上位の国と比べると少ないことがわかります(参照:政府広報オンライン「現代の日本にある世界有数の金山」)。

ただし、今や金が採れるのは鉱山だけではありません。

私たちの身の回りには、多くの金が存在します。

たとえば、使わなくなった携帯電話やパソコンを、自宅に保管したままの方はいませんか?これらの機器には、一定量の金が眠っています。

こうした眠った資源を「都市鉱山」と呼び、再利用可能な資源として注目されています。

そして、日本は都市鉱山に関して、世界トップレベルの規模を誇るといわれているのです。

金の産出国は国土面積が大きい国に集中

金の産出国は国土面積が大きい国に集中

今回は、地球が生み出す貴重な資源、「」の産出国にスポットを当ててご紹介しました。

金の産出量が多い国は、中国・オーストラリア・ロシアなど、広大な国土を持つ国々に集中しているのが特徴です。広大な大地が、豊かな金の恵みを育んでいるといえるでしょう。

日本における金の産出量は、決して多くはありません。

しかし近年、「都市鉱山」という新たな視点から、注目を集めています。都市に蓄積された電子機器などから金を回収する技術は、「資源の有効活用」という観点からも非常に重要なのです。

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