ヴィンテージギターとは?魅力・価値や購入時のポイントを解説
ヴィンテージギターとは、一般的に年代が古く経年によって付加価値を付けたギターを指します。湿り気のない音を奏でられるほか、風合いが良いことから多くのギターファンを惹きつけています。ヴィンテージギターに興味がある人の中には、ヴィンテージギターの基本情報や魅力を知りたい人もいるのではないでしょうか。
当記事では、ヴィンテージギターの概要やハイエンドギターとの違い、魅力などを紹介します。ギターに関心がある人や、ヴィンテージギターの購入を考えている人はぜひ参考にしてください。
目次
ヴィンテージギターとは?
ヴィンテージギターとは、新品ではなく、年代が古い中古ギターのことです。ヴィンテージギターは高級なギターであるため、日本製ヴィンテージギターなどを店頭で扱う場合はショーケースにしまわれている場合が多いでしょう。
ヴィンテージギターは、何年前のギターを指しているのかなど明確な定義がありませんが、一般的にはヴィンテージギターとされているギターの多くは、下記のような特徴があるとされています。
- ✔︎ 数十年前のギターで現在は製造ライン停止のため入手が困難
- ✔︎ 当時の特別なイベントに合わせて作られた
- ✔︎ 高級なギターが長い期間を経て希少価値がついた
ヴィンテージギターは世界で根強い人気がある弦楽器で、ヴィンテージギターのようなレリック加工のギターも作られています。
ヴィンテージギターの年代
ヴィンテージギターがいつからヴィンテージと呼ばれるようになったのか、明確には定まっていません。アコースティックギターの原型ができたのが1800年代の中期と言われており、エレキギターの原型が作られたのが1930年頃です。そのため、1800年代、1930年頃がヴィンテージギターの始まりの年代と言えるでしょう。
一方で、終わりの年代は、ヴィンテージギターの中でエレキギターの流通が1955年〜1975年であるため、1970年代とすることができます。
ヴィンテージギターとハイエンドギターの違い
ハイエンドギターとは高級ギターのことで、商品価格が30万円以上のギターを指す場合が多いです。また、高級なギターを主に販売しているメーカーやブランドを指していることもあります。一方、ヴィンテージギターは、ハイエンドギターが経年して付加価値を付けたギターです。ヴィンテージギターは、ハイエンドギターの中のヴィンテージ楽器と言えるでしょう。
また、アコースティックギターは電気回路を持たずギター単体で演奏できるのが特徴です。エレキギターは機械(アンプ)を使って電気的に音を増幅させるのが特徴で、ギターアンプをつなげて音のトーンとボリュームを調整します。
ヴィンテージギターの魅力4つ
- ✔︎ 材質
- ✔︎ 音質
- ✔︎ レンジ
- ✔︎ デザイン
ヴィンテージギターには、年季の入った見た目や音など、ヴィンテージギターならではの魅力がたくさんあります。ヴィンテージギターの風合いは人によってはおしゃれさを感じさせるため、高価格な中古楽器でありながら、今でも購入を求める人が多いギターです。ヴィンテージギターの主な魅力は、上記の通りです。
ここでは、ヴィンテージギターの4つの魅力について、それぞれ詳しく紹介します。
【材質】希少な木材が使われている
楽器の音の好みは人それぞれではあるものの、ヴィンテージギターの音は多くの人を惹きつけます。ヴィンテージギターの音を独自のものにしている要素の1つが、材質です。ヴィンテージギターには、現在作られているギターよりも良質で希少な木材が使われていることが多くあります。
良いギターを製造するには、ローズウッド、スプルース、マホガニーやメイプルなどの木材が欠かせません。しかし、ギターに最適な木材は、1950年代頃に乱獲されたため、今では確保自体が難しい状況です。
また、木材が乱獲された背景から、条約によってギターにとって良質な木材の輸出入が禁止となり、使えなくなったものもあります。結果として、ヴィンテージギターに使用された木材は希少となり、他のギターでは中々出せない音を奏でられるギターとなりました。
【音質】経年劣化で音が良くなる
経年劣化によって磨きがかかった音も、ヴィンテージギターの魅力の1つです。ヴィンテージギターの音色は、パリッとした乾いた音が特徴的です。湿り気がなく、音の残像も残らないため、ヴィンテージギターは他のギターよりも良い音が出ると言われています。
ヴィンテージギターの乾いた音は、製造されてから長い年月を経て木質の変化が起こったため生まれました。ギターは製造の際は変化が起こりにくいように作られているものの、数十年も経つとギターの中にある少しの水分がなくなり、木質が変化します。ギターの大部分は木でできているため、木が変化すれば音にも影響があります。ヴィンテージギターの乾いた渋みのある音は、数十年前に作られたものであるからこそ生まれたサウンドと言えるでしょう。
また、エレキギターの場合は、ピックアップに使われるマグネットが年月を経て弱まり、音に影響している場合もあります。
【レンジ】幅が狭くスマートな音を出せる
ヴィンテージギターのレンジの幅は狭くなっているため、余分な音がないスマートな音を出せます。通常のギターは、上から下まで音をカバーするために、レンジの幅は広めの設定です。
ヴィンテージギターのレンジが狭いのはデメリットに見えるものの、カバーしないことで余計な音が出ないというのは、メリットとも言えるでしょう。レンジの狭さによって、ヴィンテージギター独自の音を楽しめます。
【デザイン】年季が入り風合いが格好いい
ヴィンテージギターは中古品であるため、傷や表面の剥がれなど年季が入った風合いが特徴です。普通のギターが同じ状態であった場合は手放すことを考えるかもしれません。
しかし、ヴィンテージギターは年季の入った見た目がむしろダメージジーンズのような風合いで渋くて格好いいと、多くの人を魅了しています。
ヴィンテージギターは価値が高い分値段も高い
ヴィンテージギターには音や見た目など多くの魅力があり、価値も高いギターです。しかし、魅力や価値に比例して、値段も高く設定され、高級車が買える値段のものもあります。また、ヴィンテージギターは作成された年が古いため、現在は部品などが手に入らない場合も多く、メンテナンスや修理に通常よりもお金がかかることもあります。
ヴィンテージギターを購入しようと考えている場合は、メリットと予算についてよく考えた上で決めましょう。
ヴィンテージギターを購入するときのポイント
ヴィンテージギターを購入するときは、購入する目的を明確にするのがポイントです。ヴィンテージギターは、「フルオリジナル」という消耗パーツに至るまで製造当時のものが人気となっています。
しかし、ギターをたくさん弾くという場合は、汚れや傷はあるものの演奏には支障がない「プレイヤーズコンディション」という状態のギターを選ぶとよいでしょう。プレイヤーズコンディションは演奏しやすく調整されている上、フルオリジナルよりも価格が低い傾向にあります。
ヴィンテージギターの扱いやすさは、実際に触ってみないと分かりません。ギター専門店など店頭でヴィンテージギターを試せる場合は試して、弾きやすさをチェックした上で購入を決めることが大切です。特にペグの部分の動きは固いことがあるため、試奏する際は忘れずにチェックしましょう。
また、今後ヴィンテージギターを手放す可能性があるなら、中古市場など価値の推移も把握しておくと、買取査定時に高価格をつけてもらえるケースがあります。
まとめ
ヴィンテージギターとは新品ではなく年代が古い中古ギターのことで、何年前のギターを指しているのかなどは明確な定義がありません。ヴィンテージギターは経年劣化による風合いや湿り気のない音が魅力の1つで、レンジの幅が狭いため余分な音がないスマートな音を出せます。
中古ギターの状態には、消耗パーツに至るまで製造当時の「フルオリジナル」や汚れ・傷はあるものの演奏には支障がない「プレイヤーズコンディション」などがあります。ヴィンテージギターを買ってたくさん弾きたいという人や、フルオリジナルよりも価格を抑えたい人はプレイヤーズコンディションがおすすめです。