ストラディヴァリの歴史とは?現在の価値は?
ストラディヴァリは、“最も高額なヴァイオリン”として語られることが多い「ストラディヴァリウス」を生み出したヴァイオリン作家一族です。
アントニオ・ストラディヴァリを中心とするストラディヴァリ家が製作した楽器はヴァイオリンに留まらず、数々の名だたる名器を残しています。
その歴史とはどのようなものなのでしょうか。また、現在の具体的な価値は?
ストラディヴァリの歴史
ストラディヴァリは、1600年代から1700年代にかけて弦楽器を手がけたイタリアの弦楽器製作一族のことを指します。代表だったアントニオ・ストラディヴァリは、史上最高のヴァイオリン製作者として特に注目されている人物です。
ストラディヴァリ家の作品はヴァイオリンが有名ですが、ヴァイオリン以外にもヴィオラやチェロ、マンドリン、さらにはギターなど多くの弦楽器を手がけています。
アントニオ・ストラディヴァリは、1640年代にイタリアで誕生。20代の頃にオールドヴァイオリンの祖を築いたヴァイオリン製作者のニコロ・アマティに弟子入りし、楽器の製作を学びます。
その後、独り立ちしたアントニオは自身の工房を設立。2人の息子(フランチェスコ、オモボノ)と3人で多くの楽器を製作しました。さまざまな弦楽器を合計で約1,300挺も製作されたといわれていますが、現在ではその半数以下である600挺ほどしか現存していません。
師匠であるニコロ・アマティの製作したヴァイオリンと異なり、アントニオが製作したヴァイオリンは平坦でシンプルなフォルムが特徴として挙げられます。
さらに、より澄んだ音を奏でることができるようにニスを濃く塗ることや、ヘッドスクロール(ヘッド部分の渦巻き)の確立など、現代のヴァイオリンに通じる事柄を定めたのもアントニオが初めてでした。
こうしてヴァイオリンの世界に革新を起こしたアントニオ・ストラディヴァリは、1737年に死去。後継者がいなかったため、工房は存続しませんでしたが、弟子たちや後世のヴァイオリン製作者たちはストラディヴァリスタイルのヴァイオリンを手がけるようになり、そのスピリットは現代も生き続けています。
ストラディヴァリの価値
ストラディヴァリの楽器はいずれも高額であることが知られていますが、中でも特に高価なのはアントニオ・ストラディヴァリが手がけた楽器の数々です。
アントニオはヴァイオリンの他にヴィオラ、チェロなどさまざまな弦楽器を製作していますが、特に高い価値を持っているのは、実は日本円にして約35億円のヴィオラ。次に約30億円のチェロがあり、ヴァイオリンの中では約20億円というのが最高額だとされています。
まとめ
ストラディヴァリはイタリアのヴァイオリン作家一族で、ヴァイオリンの名器ストラディヴァリウスを手がけたアントニオ・ストラディヴァリが代表を務めていました。
アントニオ・ストラディヴァリは弦楽器制作の始祖的役割を果たしたアマティ一族の一人、ニコロ・アマティに弟子入りし、1600年代から1700年代にかけて活躍した作家です。
ヴァイオリン製作の規範を作り上げ、そのスピリットは今もなお受け継がれています。
ヴァイオリンだけでなく、ヴィオラやチェロなどの弦楽器を制作し、どれも現在でも億単位の高い価値がついています。