- 楽器
- 2023.01.05
オールドヴァイオリンとは?特徴や代表的な作家・作品を紹介

現在、クラシック音楽はもちろんのことポピュラー音楽のストリングスなどでも使用されることから、欠かせない楽器のひとつとなっているヴァイオリン。その歴史は古く、15~16世紀ごろに誕生したと考えられています。
しかし、誕生した当時と現在では、ヴァイオリンの形状には違いがありました。中でも最も古いスタイルのヴァイオリンは「オールドヴァイオリン」と呼ばれ、現在ではアンティーク品として扱われています。
ここでは、そんなオールドヴァイオリンの特徴や手がけた代表的な作家についてまとめています。
オールドヴァイオリンの特徴

オールドヴァイオリンは、ヴァイオリンという楽器が成立した1600~1800年代の時期に製作されたものを指します(ちなみに、その後19~20世紀前半にかけて製作されていたヴァイオリンは「モダンヴァイオリン」と呼ばれます)。
現在では、ヴァイオリンの大きさや形状には一定の規定があり、各メーカーが製造するヴァイオリンに大きな違いは見られませんが、オールドヴァイオリンの時代には、地域や製作する作家によって大きく違いが出ていたという歴史があります。
特に、モダンヴァイオリン以降のものと比較したときに大きく違うのは形状です。
現在、私たちが目にするヴァイオリンは横から見ると平坦なフォルムをしていますが、オールドヴァイオリンは“ふくらみ”を持っているという特徴があります。
たとえばイタリアで製造されていたオールドヴァイオリンは中心部が縦にふくらんでいる一方、ドイツのオールドヴァイオリンは全体的にふくらんでいるというように、それぞれ特徴的なふくらみを持っています。
オールドヴァイオリンの代表的な作家であるニコロ・アマティやヤコブ・シュタイナーといった人たちがふくらみのある作品を製作していたことから、弟子たちもそのスタイルを継承してふくらみのあるヴァイオリンを製造し……ということで、オールドヴァイオリンの時代が築かれることになりました。
しかしその後、ストラディヴァリウスが平坦なヴァイオリンを製造し、それがスタンダードになったことでふくらみは徐々に失われ、現代のヴァイオリンに近いモダンヴァイオリンの時代が到来することになります。
オールドヴァイオリンの代表的な作家

現代のヴァイオリンとは大きく違うオールドヴァイオリン。その代表的な作家として、すでに名前だけ紹介したニコロ・アマティ、ヤコブ・シュタイナーをより詳しく紹介します。
ニコロ・アマティ
1596年生まれのニコロ・アマティは、イタリアのオールドヴァイオリンを代表する作家です。もともとアマティ家は楽器製作を生業としていた一族で、ニコロの祖父アンドレアがレオナルド・ダ・ヴィンチの流れをくむ木工職人の技術を学び、家業として伝えたという歴史があります。
そんな中、ニコロはその技術が優れていたといわれています。
ニコロ・アマティのヴァイオリンの特徴としては、オールドヴァイオリンならではの“ふくらみ”があることに加えて、ボディの長さが約35cmの小ぶりなものを多く製造していたことが挙げられます。
ヤコプ・シュタイナー
17世紀のドイツで活躍したヤコブ・シュタイナーは、ドイツにおけるオールドヴァイオリンの祖というべき作家です。シュタイナーを源流に、多くの職人がドイツ産のオールドヴァイオリンの名品を数多く生み出しました。
ヤコブ・シュタイナーのヴァイオリンは、ボディが全体的に大きくふくらんでいるスタイルが特徴です。
そのヴァイオリンは完成度が非常に高く、ストラディヴァリウスが台頭する以前は、ヤコブ・シュタイナーのヴァイオリンこそが主流とされていたといわれています。
まとめ
オールドヴァイオリンは最も古いスタイルのヴァイオリンで、1600~1800年代に製作されていました。大きさや形状に規定はなく、作家や地域によってさまざまなフォルムをしていたと言われています。特に特徴的なのはふくらみで、現代のヴァイオリンは横から見ると平坦なのに対し、イタリアでは中心部に、ドイツでは全体的にふくらみを持ったオールドヴァイオリンが製作されていました。
代表的な作家にはニコロ・アマティとヤコプ・シュタイナーが知られています。
ニコロはイタリア、ヤコブはドイツのオールドヴァイオリンを製作し、いずれも優れた技術でヴァイオリンの礎を築いた人物です。