モダンヴァイオリンとは?特徴や代表的な作家・作品を紹介

ヴァイオリンの起源は、「何年にどこで生まれた」とはっきり判明しているわけではありませんが、16世紀のイタリアを中心とするヨーロッパ各地で使用されていたことがわかっています。

しかし、当時のヴァイオリンと私たちにおなじみの現代的なヴァイオリンとは、その形状に違いがあります。

ヴァイオリンには、「オールドヴァイオリン」の時代があり、その後の「モダンヴァイオリン」の時代があり、そしてその後、現代に続いているのです。

ここでは、そんな中でも特に「モダンヴァイオリン」についてまとめています。

モダンヴァイオリンの特徴

モダンヴァイオリンの特徴

モダンヴァイオリンは、19世紀から20世紀にかけて(1800年代から1900年代の半ばにかけて)製作されていたヴァイオリンのことを指します。

20世紀の後期まで生きたヴァイオリン作家が若い頃に製作したものも、モダンヴァイオリンに含まれます。

その大きな特徴としては、オールドヴァイオリンの時代(17~18世紀)に見られた“ふくらみ”が失われていったことが挙げられます。言い換えれば、より現代のヴァイオリンに近い形状になっているのがモダンヴァイオリンの特徴といえます。

現在、製造販売されているヴァイオリンを寝かせて横から見てみるとボディは平坦ですが、オールドヴァイオリンの時代にはやや大きいふくらみがありました。

また輪郭も現在のように画一化されておらず、さまざまなものがありました。

しかし、オールドヴァイオリンの時代の最終期に活躍したストラディヴァリウスが、現代のヴァイオリンにきわめて近い、ふくらみのないヴァイオリンを生み出しました。

これがひとつの基準になり、多くのヴァイオリン作家がふくらみのないフォルムが平坦なヴァイオリンを生み出していくことになったのでした。

モダンヴァイオリンの代表的な作家

モダンヴァイオリンの代表的な作家

ここでは、モダンヴァイオリンの代表的な作家を紹介します。

ジョヴァンニ・フランチェスコ・プレッセンダ

1820年代の初め頃、イタリアのトリノで修業したヴァイオリン作家のジョヴァンニ・フランチェスコ・プレッセンダ。キャリアの初めの頃にはストラディヴァリウスの影響を色濃く受けた製品を生み出していましたが、1830年代に入ってからは独自の工夫を盛り込んだヴァイオリンを生み出します。

同じくモダンヴァイオリンの分野でその名を知られるジョゼッペ・ロッカなどの弟子を育てているほか、モダンヴァイオリンのメーカーとして有名だったアンニバーレ・ファニョーラは「プレッセンダモデル」の製品を多く製作し、その業績を後世に伝えました。

アンサルド・ポッジ

1893年、モダンヴァイオリンの時代が中盤に差し掛かったところで生まれたアンサルド・ポッジ。ヴァイオリニストとしてキャリアをスタートさせましたが、18歳の時にヴァイオリン職人だった父と共同でヴァイオリンを製作。そのとき、父はアンサルドの類まれなる才能に気づき、ドイツで楽器の修理や製作を行っていたジョゼッペ・フィオリーニという人物のもとに預けます。

フィオリーニのもとで本格的に才能を開花させたポッジは、やがてストラディヴァリウスのスタイルをコピーしたスタイルのヴァイオリンを製作。1920〜1930年代にかけて気鋭のヴァイオリン作家として有名になります。

1950年代以降は独自のスタイルを確立し、完成度の高いヴァイオリンを数多く世に送り出しました。

その作品は世界的に高く評価されており、「最もストラディヴァリウスに近いヴァイオリン」と呼ばれています。

まとめ

モダンヴァイオリンとは、19世紀から20世紀にかけて製作されたヴァイオリンで、それ以前のものは「オールドヴァイオリン」と呼ばれています。

モダンヴァイオリンはオールドヴァイオリンと比べると膨らみがなく、現在のヴァイオリンのように平坦なフォルムです。

モダンヴァイオリンの代表的な作家には「ジョヴァンニ・フランチェスコ・プレッセンダ」や「アンサルド・ポッジ」などがいます。

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