フルートの正しいメンテナンス方法|衛生管理の方法も紹介

フルートを長く使うためには、正しい方法でメンテナンスを行う必要があります。演奏前はもちろん、演奏後や定期的なメンテナンスの工程は異なり、それぞれの正しい流れを知っておくことで劣化を防げます。また、1つのフルートを複数人で使う場合は、衛生管理も大切です。

そこで今回は、フルートのメンテナンス方法をご紹介します。フルートの衛生管理方法や持ち運び方、メンテナンスでよくある疑問の回答もまとめています。フルートを長く使いたい方は、ぜひご覧ください。

1. フルートのメンテナンス方法

フルートのメンテナンス方法

フルートの演奏前のメンテナンスとして、フルートの正しい組み立て方を紹介します。

フルートは、頭部管、胴部管、足部管の3つのパーツに分かれています。

まずは、頭部管と胴部管を組み立てます。ジョイント部分の汚れがあるかを確認し、クロスで拭き取りましょう。次に、リッププレートとキイには触れずに管を持ち、管体をゆっくりと入れましょう。このとき、リッププレートの穴の中心とキイの中心が一直線になるように差し込んでください。

足部管も同じような流れで組み立てます。組み立てるときは、胴部管のキイの中心と足部管のキイの中心が一直線になっていることを確認しましょう。

演奏後のメンテナンスと定期的なメンテナンス方法は、以下の通りです。

演奏後のメンテナンス

  1. ⒈楽器を分解する
  2. ⒉管体の水分を除去する
  3. ⒊タンポの水分を除去する
  4. ⒋楽器の汚れを拭き取る
  5. ⒌キイにオイルをさす

演奏後のメンテナンスは、上記の手順で行います。

詳しいメンテナンス方法を手順ごとに見てみましょう。

1.楽器を分解する
組み立てたときと逆の順番で、足部管、胴部管、頭部管を外します。キイの部分を触れないようにゆっくり外しましょう。

2.管体の水分を除去する
クリーニングロッドにガーゼを巻き付け、ガーゼを巻いた方向に回しながら管体の水分を除去します。クリーニングロッドの先端部分が隠れるように、ガーゼを巻き付けるのがポイントです。

3.タンポの水分を除去する
クリーニングペーパーを使ってタンポの水分を除去します。タンポとトーンホールの間にクリーニングペーパーを挟み、キイを数回押さえましょう。クリーニングペーパーをずらしながらキイを押さえるのがコツです。

4.楽器の汚れを拭き取る
クロスで、キイの汚れを拭き取りましょう。汚れをこまめに拭き取ることで、フルートの変色を防ぎます。

5.キイにオイルをさす
キイを押さえたときに音がする場合は、キイの軸受にオイルをさしましょう。

楽器のメンテナンスが終了したら、ホコリや傷が付かないよう楽器を専用のケースにしまいます。フルートをケースにしまうときは、キイのバランスが崩れないよう、楽器とは別にメンテナンスの際に使用したガーゼやクロスを保管しましょう。

定期的なメンテナンス

定期的なメンテナンスは、専門店でプロに見てもらうのがおすすめです。

フルートのお手入れ自体は自分でもできますが、ささいな不具合でも演奏に影響する可能性があり、自分で完全にメンテナンスすることは困難です。一部のメンテナンスにとどまらず、広範囲のメンテナンスが必要になる場合もあります。

フルートのメンテナンスの頻度は楽器の状態によって異なりますが、異常を感じられなくても、1年に1度はプロに細部まで見てもらいましょう。

メンテナンスの詳細や料金はフルートの状態によって変わります。相場を知りたい場合は、お店に確認するとよいでしょう。また、お店によってはメンテナンスに予約が必要な場合もあるため、事前にホームページなどで確認する、もしくは電話で問い合わせをした上で、フルートの状態を見てもらうことをおすすめします。

2. フルートの正しい持ち運び方法

フルートの正しい持ち運び方法

フルートを長く大切に使いたい方に向けて、フルートの正しい持ち運び方を紹介します。

フルートはとても繊細な楽器です。フルートのキイを強く握るとキイが変形してしまいます。外部の衝撃から守るためにも、必ず専用のケースに入れた状態で持ち運びましょう。

フルートを置くときは、滑りやすいところや狭い椅子の上などに置くと落下するおそれがあります。フルートに負荷がかからないよう、持ち方や周辺の環境に注意してください。

3. フルートの衛生管理方法

フルートの衛生管理方法

  • ✔︎無水エタノール
  • ✔︎携帯用のスプレーボトル
  • ✔︎やわらかいペーパータオル、もしくは不織布

フルートを消毒する際に用意するものは、上記の3つです。

同じフルートを複数人で使用する場合は、衛生対策も万全に行いましょう。ここでは、フルートの消毒方法について紹介します。

フルートの消毒手順
  1. ⒈スプレーボトルに無水エタノールを補充し、ペーパータオルに拭きかける
  2. ⒉ペーパータオルで頭部管とリッププレートの内側を拭く
  3. ⒊ペーパータオルを取り替えて、胴部管と足部管の本体、キイやパイプ部分を拭く
  4. ⒋ペーパータオルを取り替えて、足部管の本体、キイやパイプ部分を拭く
  5. ⒌新しいペーパータオルをクリーニングロッドに巻き付け、管体の内部を拭く

工程ごとにペーパータオルを取り替えて、消毒することがポイントです。消毒が終わったら、手を洗いましょう。

4. フルートのメンテナンスでよくある疑問

フルートのメンテナンスでよくある疑問

フルートの表面が黒い場合は、日常的なメンテナンスに不足があると考えられます。フルートは銀メッキでできているため、適切な頻度・内容でメンテナンスが行えていないと、酸化して黒く変色します。

フルートの表面が黒く変色している場合は、シルバークロスやポリッシュを使って磨きましょう。ただし、磨きすぎるとフルートの表面がはがれる可能性があるため注意が必要です。

その他、フルートのメンテナンスでよくある疑問を、以下で紹介します。

音程が合わない

フルートの音程の調整が難しいと感じる原因として、ヘッドコルクの劣化が挙げられます。

ヘッドコルクとは、頭部管の内部に付属されているコルクのことです。音程を決める反射板の位置を設定したり、音を響かせたりする役割があります。ヘッドコルクが縮むと反射板がずれ、音程の調整が難しくなります。

メンテナンスの際に頭部管の水分をこまめに除去することで、ヘッドコルクの寿命を延ばすことが可能です。ただし、前述の通りヘッドコルクは消耗品なので、定期的な交換も必要です。頭部管を振ったときに、カチャカチャと音がしたらコルクが縮んでいると言えます。

音かおかしい・出にくい音がある

  • ✔︎タンポやキイに不具合が生じ、トーンホールをふせげていない
  • ✔︎反射板の位置がずれている
  • ✔︎ヘッドコルクが劣化している

音に違和感がある場合、上記のようなことが考えられます。

タンポの劣化やキイの歪みなどにより、タンポがトーンホールを完全にふさぎきれず、音抜けや音程が悪くなるケースがあります。また、反射板の位置がずれや、反射板の位置を決めるヘッドコルクの劣化は音の響きを左右するため、タンポやコルクなどのパーツ交換を検討しましょう。

キイの動きが悪い・異音がする

  • ✔︎管体のバネが外れている
  • ✔︎コルクやフェルトが消耗している
  • ✔︎キイオイルが不足している
  • ✔︎キイが変形している
  • ✔︎ネジが緩んでいる

キイの動き音に違和感がある場合、上記の原因が考えられます。

日常的なメンテナンスで、バネが外れてしまうことがあります。自分でメンテナンスするときは、クロスや服でバネを引っかけないよう注意しましょう。バネが劣化している場合は修理に出します。

また、コルクやフェルトは消耗品のため、定期的な交換が必要です。劣化した消耗品を交換せずに放置していると音程が悪化する原因になり、修理期間も長引きます。

なお、キイオイルをさしたりネジを締めたりするだけでも異音を解消できるケースがあるため、異音が気になるときは一度試してみるとよいでしょう。

まとめ

フルートのメンテナンスでは、こまめに水分を拭き取ることがポイントです。消耗品に劣化がみられる場合は、パーツを交換すると音程の不調を解消できる場合があります。

フルートを持ち運ぶときや置き方などを工夫することも大切です。フルートの表面に傷が付くと、修理箇所や費用が大きくなります。また、複数人で同じフルートを使う場合は、衛生対策が重要です。フルートを長く使うためにも、メンテナンスに加えて扱い方にも注意しましょう。

フルートに異変を感じた場合は、お店でプロにチェックしてもらうのがおすすめです。お店でメンテナンスするにあたって予約が必要な場合もあるので、事前に確認するとよいでしょう。

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