【スピーカーの種類】形状やWAY数の違いごとに解説!
スピーカーと一口に言っても、種類は多岐にわたります。スピーカーを購入する際は、形状はもちろん、音の再現性や繊細さ、スピーカーユニットやWAY数などもチェックすることで、より自分に合ったスピーカーを選べるでしょう。
また、強調したい音域・音の種類がある場合は、ウーファーやセンター、スコーカー、ツイーターなどの、特定の音域に強みを持ったスピーカーを追加することもおすすめです。
当記事では、スピーカーの種類を様々な角度からご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
スピーカーとは?
スピーカーとは、電気信号を、スピーカーに内蔵されている振動板を通して(空気を振動させて)、音にする装置です。
内蔵されている振動板のことをスピーカーユニットといい、形状や材質によって音に違いが生まれます。また、スピーカーユニットはエンクロージャーと呼ばれる箱の中に収められています。
【スピーカー】数の種類
「スピーカー」とひと口にいっても、スピーカーの数によって以下のように種類が分かれます。
ステレオ
ステレオとは、左右に1本ずつスピーカーが配置されているタイプで、設置スペースを取りすぎない点・比較的安価なものが多い点が特徴です。ステレオという言葉は「立体音響」を意味し、一方で1つのスピーカーで再生するタイプは「モノラル」と呼ばれます。
2.1ch
2.1chとは、スピーカーが2個とウーファー(低音域用のスピーカー)が1個でワンセットになったタイプです。ステレオの立体音響に加え、低音もカバーされるので、重厚感のある音楽を聴くことができます。
なお、2.1chの「2」はスピーカーの数、「.1」はウーファーの数を指します。
5.1ch
5.1chとは、前方に2個、後方に2個、センタースピーカー1個、ウーファーが1個の、計6個組のスピーカーです。映画やライブ映像を見るのに適したスピーカーで、ホームシアターの普及により取り扱う店舗も増えています。
7.1ch
7.1chは、センターに1本、前後左右に1本ずつ、後方に2本、ウーファーの1本の、計8個組のスピーカーです。5.1chの上位互換と言え、ホームシアター用に7.1chを導入する人も増えています。
【スピーカー】形状の種類
スピーカーには、形状別でも種類が分かれ、主に以下の4つが代表的です。
ブックシェルフ型
ブックシェルフ型スピーカーは、本棚に置けるような小型サイズのスピーカーです。サイズが小さいので、パソコン用のスピーカーや持ち運び可能なポータブルスピーカーとしての使用に向いています。特に最近では、Bluetoothに対応しているスピーカーも増えているのが特徴です。
一方で、サイズが小さいことから、スピーカーユニットの個数にも限りがあるので、低音域にはそこまで強くないデメリットもあります。
フロア型
フロア型スピーカーは、床に置いて使用することを想定して作られたスピーカーです。低音域の再現性に優れ、ウーファーがなくても広い音域の音を楽しめます。一方でサイズがかなり大きく、場所を取ります。そのため、スピーカーや音質によほどのこだわりがある場合を除き、家庭用として購入する人は少ないようです。
トールボーイ型
トールボーイ型スピーカーとは、縦長・細長のスピーカーで、テレビの横に設置しやすいのが特徴です。ブックシェルフ型よりもスピーカーの容量を設けられるので、フロア型に次いで低音域の再生に優れています。
埋め込み型
埋め込み型は、天井や壁の中に埋め込まれたスピーカーです。カーオーディオは埋め込み型スピーカーの1種と言えます。場所を新たに取らないのがメリットですが、設置には工事が必要となることがほとんどなので、家庭用としてはあまり向きません。
【スピーカー】ユニット数・WAY数の種類
ユニットとは、アンプから送られてきた電気信号を音に変える部位であり、ユニットの数はWAY数とも呼ばれます。
ユニット数(WAY数)でタイプ分けすると、主に以下の3種類が挙げられます。
フルレンジ
フルレンジとは、1つのユニットで全ての音域をカバーするタイプです。一方で1つのユニットなので、音の出口も1か所となり、混じりけのないクリアな音が楽しめるのが特徴です。シンプルな作りであるため、ブックシェルフ型スピーカーによく使われます。
2WAY
2WAYとは、2つのスピーカーユニットで構成されるタイプで、高音域をカバーするツイーターと、低音域をカバーするウーファーを搭載しています。フルレンジスピーカーよりも、広い音域・高い音質を楽しめます。
3WAY
3WAYとは、高音域をカバーするツイーター、低音域をカバーするウーファーに、中音域をカバーするスコーカーが搭載されたタイプです。3WAYは可聴帯域をカバーしているので、音質が非常によいのが特徴です。また、低音域用のウーファーを2つ搭載した「3WAY4」というモデルもあります。
【スピーカー】ユニットの種類
スピーカーにこだわりがある方は、以下で紹介する「ユニットの種類」にも着目してみましょう。ユニットの構造によって、音の方向性が決まります。
コーン型
コーン型のユニットは、コーン紙と呼ばれる円錐形の振動板を持つユニットです。フルレンジからウーファー、中音域のスコーカーまで幅広く使われており、使用される素材も紙、フィルム、金属とバリエーションがあります。
シンプルな作りのため一般的なスピーカーに最もよく使われる形です。コーン紙の形状は様々あり、形や深さによって再生する音質・音域が変わってきます。
ホーン型
ホーン型は、ラッパの形をしたユニットで、振動板から発せられた音を増幅する仕組みとなっています。ホーン型は音を効率よく再生でき、音の指向性(音の広がり)も高い点が特徴です。
ホーン型は、ツイーターやスコーカーで使用されるタイプです。音が前に勢いよく飛び出してくるような独特な響き方をします。
ドーム型
ドーム(半球)型の振動板を震わせて音を出す仕組みのスピーカーです。コーン型のコーン紙の部分が、ドーム型になっているイメージをすると分かりやすいでしょう。
素材には、綿や樹脂、金属が用いられます。綿で作られたものはソフトドームと呼ばれ、柔らかな音質が特徴的です。金属でできたものはハードドームといい、ハッキリとした音が鳴ります。
リボン型
リボン型は超高音域に特化したユニットです。薄く伸ばしたリボン型の金属の振動板を強力な磁界で挟み、電気信号によって細かく震わせることにより音を発生させます。
ツイーターに採用されるユニットであり、ハイレゾ音源を再生する際に向いています。
まとめ
映画や音楽鑑賞をする際に、スピーカーにこだわれば、より深い没入感で作品を味わえます。スピーカーの種類はたくさんありますが、まずはスピーカーの数や形状からチェックしてみると、分かりやすいでしょう。
特に音の臨場感にこだわるのであれば、スピーカーの数が重要になってきます。普通にテレビの音や音楽が聞ければ問題ないのであれば、ステレオスピーカーや2.1chサラウンドスピーカーなどを、ホームシアターを作りたいのであれば5.1chや7.1chサラウンドスピーカーなどを選ぶとよいでしょう。
また、スピーカーを選ぶ際は、今回紹介した種類の他にも、出力音圧レベル・インピーダンス・許容入力・周波数帯域などの仕様にもこだわってみるのもおすすめです。
ぜひ当記事を参考に、自分に合ったスピーカーを見つけてください。