アンプの種類と選び方|プリアンプとパワーアンプの違いは?
エレキギターやエレキベースなどを演奏するにはアンプが必要です。アンプを使わなくても音は出せますが、アンプを通したときの音と大きく異なります。アンプにはいくつか種類があり、購入する際は自分の目的に合ったアンプはどのようなものか、知ることが大切です。
当記事では、アンプの種類と選び方、またアンプとスピーカーの違いについても解説します。アンプの購入を検討している方や、どのようなアンプを購入すればよいか分からない方は、アンプ購入にぜひお役立てください。
目次
アンプとは?
アンプとは、amplifier(増幅する)という言葉からきた、音を増幅させる機材のことです。
CDプレーヤーやスマホなどから出力された電気信号は非常に小さく、スピーカーにつなげても大きな音は出せません。アンプの役割は小さな電気信号を増幅し、大きな電気信号としてスピーカーに伝えることです。アンプは他にも、鳴らす音源が選べたり、音質や音量の調整ができます。
アンプとスピーカーの違い
アンプとスピーカーはそれぞれ違う役割を担っています。アンプは電気信号を増幅させ、スピーカーは電気信号を音にする機材です。
アンプだけでは音を流すことができず、スピーカーだけでは小さな音でしか音を流せません。アンプとスピーカーがセットになることで、大きな音を流せるようになります。
アンプとスピーカーの組み合わせによってはスピーカーが破損する恐れがあるため、注意が必要です。スピーカーを選ぶ際は、アンプの出力(RMS)がスピーカーの許容入力(PGM)を下回らないように購入しましょう。
アンプの種類・選び方
アンプは音を増幅させるため、音質にも影響を与えます。そのため、演奏においてどのような音を求めているか、また音楽を演奏する状況に合わせてアンプを選ぶことが大切です。
以下では、アンプの選び方を紹介します。
プリアンプ
プリアンプは別名コントロールアンプとも呼ばれ、音の入力切り替えや音質調整、左右のスピーカーのバランス調整を行う役割をします。エレキギターやエレキベースの弦の振動から得た電気信号の音は、あまりきれいな音ではありません。音の信号を整えて、演奏者の好みの音に調節するのがプリアンプです。
プリアンプにはスピーカーの接続部がありません。そのため、プリアンプをパワーアンプに繋げ、パワーアンプをスピーカーに繋げる必要があります。
パワーアンプ
パワーアンプは、プリアンプからくる電気信号を、スピーカーが鳴るレベルまで音を増幅させる役割をします。ただし、パワーアンプだけでは音質の調整はできません。あくまでも電気信号を増幅させ、スピーカーで出力させる役割を持った機材です。
パワーアンプは比較的、重量が重いものが多い傾向にあります。頑丈な土台や巨大な電源があるためです。
種類が多く、ステレオパワーアンプや4チャンネルパワーアンプ、ハイインピーダンスパワーアンプ、デジタルパワーアンプなどがあります。ステレオパワーアンプでは入力できる系統数が2つなのに対し、4チャンネルパワーアンプでは入力できる系統数が4つです。それぞれ特徴が異なるため、購入の際は自分の演奏シーンに合ったものを選ぶことが大事になります。
プリメインアンプ
プリメインアンプは、音質調整や左右のスピーカーバランスを調整する「プリアンプ」と、電気信号を増幅させる「パワーアンプ」が一体となったアンプです。プリメインアンプだけでスピーカーを通して音を楽しめます。低予算で手にでき、初心者でも扱いやすくなっています。
プリメインアンプを選ぶときは、スピーカーとの相性が重要となります。よいスピーカーであってもプリメインアンプの音質がよくないと、よい音は期待できません。プリメインアンプは幅広い価格で販売されているため、予算や音質などを調べて、自分に合ったものを購入しましょう。
AVアンプ
AVアンプは、プリメインアンプに映像出力機能を備えたアンプです。主にホームシアターで利用されます。
AVアンプには、好みに合わせて音に演出を加えられるサウンドモードがあることも特徴です。AVアンプが1台あれば、映画やゲーム、音楽などさまざまなコンテンツが楽しめます。天井や壁面にスピーカーを設置することで、立体的な音響空間を表現できます。
真空管アンプ
真空管アンプは、真空管を使用して増幅回路(アンプ)を組み、スピーカーを駆動させるアナログアンプです。
一般的なアンプはトランジスタアンプと言い、トランジスタというデジタル電子部品で音を増幅します。一方で真空管アンプは、電球のような形のガラス管で内部は真空状態になっており、管の中にある電気回路をヒーターで温めることで作動します。真空管アンプは一般的なアンプと比べて、あたたかみのある柔らかくてなめらかな音が特徴です。
真空管アンプは内部に使われているパーツや製造の制度によって大きく音が異なるため、真空管を変えるだけで音質の違う真空管サウンドが楽しめます。真空管は寿命があり交換が必要です。一定の知識やアンプ以外の機器への配慮も必要となるため、真空管アンプは、上級者向けのアンプとなります。
アンプのタイプの種類|スタックアンプ・コンボアンプ
アンプはさまざまな種類が販売されており、ものによって機能も多種多様です。なお、一般的にアンプはスタックアンプとコンボアンプの2種類に分かれています。
以下では、アンプのタイプを2種類紹介します。
スタックアンプ
スタックアンプは、stack(積み重ねる)という意味を持つ、スピーカーの上にヘッドアンプが積み重ねられたアンプです。
スタックアンプは大きな会場やスタジオなど広い場所で使うことを想定して作られています。出力の大きいものが多いため、大音量が出せて拡張性も高い特徴があります。
コンボアンプ
コンボアンプは、プリアンプとパワーアンプ、スピーカーが1つになったアンプです。スタックアンプのキャビネット内にアンプとスピーカーが埋め込まれていて、コンパクトなのが特徴です。
コンボアンプは、自宅向けのアンプとなります。そのため、スタックアンプと比べて出力が小さめで、サイズも小さいです。練習用としての活用にも優れています。
まとめ
アンプとは、音の電気信号を増幅させる機材のことです。スピーカーが電気信号を音にするため、アンプとスピーカーを繋げることで、大きな音が出せます。
アンプには、音質や音のバランスを調整するプリアンプ、プリアンプで調節した音を増幅させるパワーアンプ、プリアンプとパワーアンプが一緒になったプリメインアンプがあります。アンプには他にも、映像が移せるAVアンプ、真空管を使用する真空管アンプと種類が豊富です。
アンプを選ぶ際は、アンプの機能や練習・演奏する場所、アンプの見た目を考慮して購入しましょう。