エレキギターの種類|選び方・主要メーカーも紹介!
エレキギターは、チャーリー・クリスチャンが、旧来の生ギターである「アコースティックギター」のボディにピックアップを付けて演奏し始めたことが、始まりといわれています。現在では世界中で多くの方が演奏している人気の楽器であり、Fender・Gibson・PRSなどが昔からのギター主要メーカーとして挙げられます。
当記事では、これからエレキギターを始めようと考えている方や、エレキギターについての知識を深めたい方に向けて、エレキギターの種類・選び方をご紹介します。
目次
エレキギターとは?
「エレキギター」とは、木の一枚板で作られたボディに6本の鉄弦を張った楽器です。ピックアップと呼ばれるパーツを弦の下に付けて、アンプで振動を増幅させて演奏します。
生音が小さいため、演奏にはアンプと電源が必要不可欠な楽器です。ロックミュージックで演奏されることが多く、弦が柔らかくて押さえやすいことから、幅広い音域の音を出すのに適しています。
エレキギターの種類・選び方
エレキギターには、オーソドックスな「ソリッドギター」の他、「フルアコースティックギター(フルアコ)」や、「セミアコースティックギター(セミアコ)」といった種類があります。それぞれのギターの特徴をまとめると、以下のような表になります。
ソリッドギター | |
---|---|
音色 | シャープな音 |
ハウリング | 起きにくい |
生音 | 小さい |
ボディ | 詰まっている |
厚み | 薄い |
重さ | 重い |
演奏向きの曲調 | ロック |
フルアコースティックギター | |
---|---|
音色 | 柔らかくツヤのある音 |
ハウリング | 起きやすい |
生音 | 大きい |
ボディ | 空洞 |
厚み | 厚い |
重さ | 軽い |
演奏向きの曲調 | ジャズ・ポップス |
セミアコースティックギター | |
---|---|
音色 | シャープな音も柔らかい音も出せる |
ハウリング | 起きにくい |
生音 | やや小さい |
ボディ | 中心だけ詰まっている |
厚み | やや厚い |
重さ | やや重い |
演奏向きの曲調 | フュージョン |
ほかにも個性際立つ特殊なボディをした「変形ギター」などもあります。種類ごとに得意なシチュエーションや演奏スタイルが異なるため、ギターを選ぶ際はどのような演奏がしたいかを考えるのも大切なポイントです。
ソリッドギター
「ソリッドギター」はボディに空洞がない一枚板で作られたエレキギターのことで、最もオーソドックスなタイプです。エレキギターと言えば、まずはこの「ソリッドギター」を思い浮かべる人も多いでしょう。
「ソリッド」は英語で「中身のつまった」という意味です。空洞がないため、大音量を出してもハウリングを起こしにくいという特徴があります。
また、金属的でシャープな音色も特徴で、ロックミュージックとも相性がよく、ライブやバンド演奏など大音量で音を鳴り響かせたい人にはソリッドギターがおすすめです。
フルアコースティックギター
「フルアコースティックギター(フルアコ)」は、アコースティックギターのように板を貼り合わせて作ったボディに、音を共鳴させるための空洞があるタイプのギターです。空洞があるためエレキギターの中では最も厚みがありますが、重量は最も軽くなります。
空洞の中で音が振動するため、大音量で鳴らすとハウリングが起こりやすくなります。その代わり、生音でも大きな音が出せるためギターソロにも向いている楽器です。まろやかで温かみのある音色が特徴で、メロウな曲やジャズに用いると相性のいいギターです。
セミアコースティックギター
「セミアコースティックギター(セミアコ)」は、フルアコと同じように空洞のあるボディをしていますが、完全な空洞ではなく、ボディ中央部だけソリッドギターのように詰まった構造をしています。空洞が詰まっているので、ハウリングを起こしにくい構造であり、大音量で鳴らしても雑音が混じりにくいのが特徴です。
厚みや重さはソリッドギターとフルアコの中間です。ピックで奏でればエレキギターのようにシャープな音が出せ、指で弾けばフルアコのようなやわらかい音色になります。フュージョン系と相性がよく、その他にもロックやポップス、ジャズと幅広いシーンで活躍します。
エレキギターの主要メーカーとラインナップ
エレキギターの有名メーカーは、国内外に数多く存在します。たとえば「Gretscth(グレッチ)」は、ルックスの美しさと個性的な音色にこだわったエレキギターを数多く展開しています。ひと目でGretschと分かる強烈な個性が魅力です。
日本メーカーであれば、星野楽器が手がけたブランド「Ibanez(アイバニーズ)」も有名です。弦数が通常より多い多弦モデルのギターなど、独特のコンセプトを持ったギターを数多く生み出し続けています。
以下では、個性あるメーカーの中でも特に世界で人気を博している、有名メーカー4社について説明します。
Fender(フェンダー)
「Fender(フェンダー)」は、1948年に初めてソリッドボディのエレキギターを販売したメーカーです。今ではGibson社と並ぶ世界屈指のエレキギターメーカーであり、ラインナップのほとんどがソリッドギターです。
Fender社は、世界で初めて量産型エレキギターを開発した会社でもあります。最初のモデルである「テレキャスター」はエルヴィス・プレスリーをはじめとしたカントリー・ミュージシャンたちに愛されました。重厚感があって荒々しい、いかにもロックらしい音が特徴で、激しいタッチの演奏に迫力のあるサウンドで応える1本です。
「テレキャスター」のソリッドボディを受け継ぎながら、音に柔らかさと広がりをもたらしたモデルが「ストラトキャスター」です。エレキギターと言えば「ストラトキャスター」を思い浮かべる人も多いほど人気が高く、初心者からプロまで幅広く愛されています。ネックに近い高音域のハイポジションが弾きやすく、安定した音が響かせられるのが特徴です。
Gibson(ギブソン)
「Gibson(ギブソン)」は、エレキギターの黎明期より開発を手がけているメーカーであり、マンドリンの製作から始まった楽器メーカーです。1936年に初のエレキギターを発売しました。その後ジャズギタリストのレス・ポールとともに開発したソリッドボディのエレキギター「レスポール」が大ヒットし、Gibson社の看板モデルとなります。
「レスポール」は、響きに奥行きを感じさせる太い音色が特徴で、Fender社の「ストラトキャスト」と並ぶエレキギターの代表的モデルとして知られています。
「レスポール」の後継機種として開発された「SG」は、軽量化と持ちやすさにこだわったモデルです。ステージでの激しいパフォーマンスをしても疲れにくく、軽やかなサウンドでありつつも中音域をしっかりと響かせられます。ロックミュージックと相性のいいモデルとして人気です。
PRS(ポール・リード・スミス)
ボディの材質にこだわり、弾きやすさと音質のよさにこだわった高級モデルを展開するメーカーが「RPS(ポール・リード・スミス)」です。創設者のポール・リード・スミスが大学生のときに1本のギターを手作りしたところからギターメーカーを志し、1985年にエレキギターを発売し始めました。
当時から高級志向であったためターゲットを大物アーティストに絞り、楽屋に出向いて売り込むというスタイルを取っていました。その中でPRSに注目したのがカルロス・サンタナであり、彼の愛用ギターということで一躍有名メーカーとなります。洗練されたデザインで、ひと目でPRSと分かる美しいルックスも魅力の一つです。
PRSの中でも有名なモデルである「Custom24」は、つややかで繊細な音の広がりを表現できるモデルです。廉価版の「SE」シリーズであっても7〜10万と少し高めの価格帯ではありますが、長く付き合っていける品質の高いモデルです。
YAMAHA(ヤマハ)
「YAMAHA(ヤマハ)」は、言わずと知れた日本屈指の楽器メーカーです。1965年ビートルズの一世風靡を皮切りに巻き起こったエレキブームに応える形で、エレキギターの製作を開始しました。現在ではギター初心者向けの廉価版モデルや美しいカラーが豊富な機種も多数展開しています。
代表的なモデルは、ボディ材質のフロントにメイプル、バックにマホガニーの板を貼り合わせたソリッドギターの「SG」シリーズで、PRSを使う前はカルロス・サンタナが愛用していたモデルとしても知られています。高めの価格帯であり、エレキギター初心者の場合は「SG」シリーズの技術を生かしつつ、価格を抑えたモデルとして開発された「PACIFICA」シリーズもおすすめです。
どちらも日本メーカーらしい品質へのこだわりによって弾きやすさを追究したモデルで、初心者だけでなく中級者、プロに至るまで幅広いプレイヤーに愛されています。
まとめ
エレキギターをこれから始めようとしている方や、初心者の方向けに、ギター本体とアンプ、「シールド」と呼ばれるギターとアンプをつなぐコードなどがセットになって販売されているものもあります。エレキギターを購入する場合、まずは各社通販サイトや、メーカーの公式サイトで気になるギターやモデルをチェックしてみましょう。
その後、楽器店で実際に試し持ちや試し弾きをしてみて、好みに合うかどうかを確認してみるのが、失敗のないエレキギター選びのコツです。