金管楽器と木管楽器の違いとは?
今回は、有名な楽器を例にしながら金管楽器と木管楽器の違いをご説明いたします。
「今後楽器をはじめてみたい」「興味はある」という方は、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
金管楽器とは
「金属で作られていたら金管楽器」
と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。
金管楽器と呼ばれる楽器の最大の特徴は、「口に当てて唇の振動を使って音を出す」ということ。
また、多くの楽器に「マウスピース」と呼ばれるパーツを使って演奏する」という特徴があります。
マウスピースと聞くと、多くの方は口の中に入れて歯を覆うものを連想される方もいらっしゃると思いますが、ここでいう「マウスピース」は口に当てて使うもので、口の中に入れることはありません。
形状は液体物を注ぐときに使う「じょうご」に似ていて、楽器に合わせた大きさになっています。
ではここで金管楽器の中でも「特に印象に残りやすい」といわれる楽器を4つ紹介してまいりましょう。
トランペット
「これぞ金管楽器」といえるシンボル的存在であるトランペット。
そんなトランペットですが、はじまりはあの「ラッパ」でした。さらに驚くことに、ラッパは数千年前から存在していたといいます。
もちろん当時は木や茎など「自然界にあるもの」を加工して作られていたようですが、このときから「唇の振動を利用する楽器」は登場していたのです。
時は流れ、17世紀。この頃ヨーロッパではバロック音楽(バイオリンなどを用いてメロディーを奏でる音楽)が流行していました。
「号令用の鳴りもの」であったラッパにも音楽性が求められ、本格的に「楽器」としての改良が行われます。
それから約200年という年月を経て、ようやく現在のトランペットの形となったのです。
現在のトランペットには3つのピストン(指で押下する部位)があり、押下する組み合わせによって音階を変えることができます。
この仕組みは多くの金管楽器に採用されています。
トロンボーン
管(くだ)をスライドしながら演奏するのが印象的なトロンボーン。
先ほどトランペットの説明で「3つのピストンを用いる」とお伝えしましたが、トロンボーンはこのスライド菅と呼ばれる金属の管を動かして音を出します。
「音にグラデーションがある唯一の金管楽器」といわれるトロンボーンはその幅広い音域が特徴です。
また小さすぎず大きすぎないマウスピースの形状も特徴的で、「初心者も音を出しやすい」といわれています。
チューバ
ラッパが上に向いている形状の金管楽器の中で一番大きく、低音を担当しているチューバ。
大きいということは、それだけたくさんの管が巻かれているということ。一番長い部分は約10メートルともいわれており、演奏するためには相応の肺活量が必要です。
奏者には男性が多いというイメージがあるのはこれが理由と考えられています。
ホルン
ぐるぐると巻かれた形状がかたつむりにように見えるホルン。
奏者がラッパの先に手を入れて演奏しているのを思い浮かべる方もいらっしゃることでしょう。
これは音程調節の一環で行っています。
また、こうした技術が求められることから「金管楽器の中では比較的難しい」といわれることもあります。
ほかの金管楽器から「パート替え」として挑戦する方が多いようです。
木管楽器とは
「木材で作られているから木管楽器」ではありません。
金管楽器は「唇の振動を利用して音を鳴らす楽器」でしたが、木管楽器は「リードを使い、これを震わせて演奏する管楽器」もしくは「金管楽器以外の管楽器」という特徴を持ちます。
まず「リードを使う管楽器」についてですが、リードとは木製の薄い板のようなものをさします。
演奏している姿からは確認することができませんが、サックスやクラリネットといった有名な楽器にも用いられているのです。
これは木管楽器用のマウスピース(楽器ごとに形状は異なります)とセットで使います。
奏者はマウスピースに口をつけて息を吹き込みますが、金管楽器とは音が鳴る原理が異なり、このリードの振動音を使って音を出しています。
そして「金管楽器以外の管楽器」についてですが、これはフルートやピッコロなどが該当します。
これらの楽器は、小さく細い空気孔に息を吹き込んで音を出します。これを「エアリード」と呼びますが、実際にサックスやクラリネットのように木の板を使っているわけではありません。
つまり、「人間が吐く息=エアー」を震わせて音を出しているということです。おそらくほとんどの方が学校で習ったであろう「リコーダー」も、木管楽器に含まれます。
リコーダーにはマウスピースやリードといったものはありませんが、息を吹くと音が鳴ったと思います。
このように、管楽器にはマウスピースを使わないもの、リードを使わないものが存在するため「金管楽器以外の管楽器」といわれるようになりました。
では木管楽器を代表する2つの楽器をみてみましょう。
サックス
金属製のものが多いことから、「金管楽器だと思っていた」という声が多い楽器のひとつです。
先ほど「リードを使う楽器」として紹介したサックスは、木管楽器を代表する楽器です。
ちなみに素材はトランペットなどと同じ真鍮製です。
これで、「材質は関係ない」ということをおわかりいただけたのではないでしょうか。
サックスはクラシックやジャズ、ポップスなどで活躍していますが、通常見かけることができるのは「ソプラノサックス」「アルトサックス」「テナーサックス」「バリトンサックス」の4種類です。
ほかには「ソプラニッシモサックス」「ソプラニーノサックス」「バスサックス」「コントラバスサックス」「サブコントラバスサックス」といったサックスが存在しますが、コントラバスサックスとサブコントラバスサックスに関しては世界に数台しかないといわれている「超・希少楽器」です。
ちなみに、初心者の方におすすめなのは一番メジャーであるアルトサックスです。
フルート
「金管楽器だと思っていた」という声が多い楽器のもうひとつがフルートです。
シルバー、ゴールド、プラチナ、木材とさまざまな材質で作られていますが、先ほどお話したように「エアリードを用いる木管楽器」です。
フルートは細長い見た目をしていますが、3つのパーツに分けることができます。
木管楽器の中でも高音を担当しており、クラシックでは欠かせない存在となっています。
ちなみにこのエアリード、少しコツが必要です。
「少しでも早上達したい」「演奏する楽しみを知りたい」という方はフルート教室に通ってみる、というのも一つの方法です。
結論、金管楽器と木管楽器の違いとは?
金管楽器は金属のマウスピースを使う楽器、そして木管楽器はリードを使う楽器(もしくは金管楽器以外)です。
しかし、楽器には古くからある和楽器、クラシックなどでは用いられない民族楽器などがあります。
ここでいくつか例をご紹介しましょう。
尺八
尺八は木管楽器です。リードはありません。
フルートと同じように「エアリード楽器」に分類されます。
日本の民謡楽器には欠かすことのできない和楽器ですが、発祥は中国とされています。奈良時代に日本に伝わり、一度は廃れてしまったものの15世紀に新しいスタイルとなり完全復活を遂げました。
ブブゼラ
ブブゼラは南アフリカの民族楽器です。
サッカーの応援で一躍有名になりました。
意外に思われるかもしれませんが、「ブブゼラ」は「唇の振動を利用して音を出すという理論上金管楽器となります。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は金管楽器と木管楽器の違いについてまとめてみました。
「楽器の世界は奥深い」と感じられた方もいらっしゃると思います。
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