サックスの正しい保管・お手入れの方法とは?
「はじめたばかりで正しい保管方法を知らない」
「自己流の保管方法でいいのか不安」
そんな方にこそ知っていただきたい内容となっております。ぜひチェックしてみてください。
目次
正しい保管方法をしないとどうなる?
「正しい保管」をしないと、残っていた水分(つばなど)による湿気でカビが繁殖したり、錆びて変色したりする場合があります。
また、保管場所によってはコルク部分の風化、虫食いなどが発生することも。
こうした状態になるといい演奏ができないのはおろか、楽器としての価値を下げてしまうことにもなりかねません。
また、リペア(修理)には時間とお金がかかります。
場合によっては部品の総取り換え、一部を削って修理しなければならないということも。
このようなことにならない、させないためにも今からご紹介する方法を実行するようにしてください。
「真鍮だから錆びにくい」はウソ?
サックスは銅や亜鉛を配合して作られた「真鍮」でできており、「錆びにくい」といわれていますが、それは定期的なメンテナンスあってのこと。
お手入れをせずに放置すると赤銅のような錆び、変色などの現象が起こります。
日頃の保管方法の紹介
意外に思われるかもしれませんが、「専用のケースに入れる」ということが非常に重要になります。ちなみに、専用のケースとは購入時にサックスが納められていたハードケースをさします。
ときどき「サックススタンドに置いたままにしている」という方がいらっしゃいますが、転倒のおそれがあるためおすすめできません。
また、「ソフトケースに入れている」という方が多くいらっしゃると思いますが、こちらもあまりおすすめできません。
というのも、市販されているソフトケースの多くは「持ち運び用」として販売されており、保管を見越しての設計にはなっていません。
一方ハードケースはある程度の衝撃、外部の湿気や乾燥には耐えられます。面倒に感じることもあるかもしれませんが、毎回ハードケースに保管するようにしましょう。
高温多湿、直射日光は避ける
前述したように、サックスは湿気を嫌います。保管する際は「楽器の保管に適した湿度」といわれている40~60%の場所に保つようにしましょう。
ただし、湿度が敵だからといって、乾燥しすぎもよくありません。実はサックスに使われているタンポにはフエルトのほかに動物の皮など、さまざまな材質が使われています。乾燥のし過ぎはタンポのひび割れ、縮小などの原因になってしまうのです。
次に高温、直射日光についてですが、これらがサックスに直接な影響を及ぼすということではありません。しかし、温度が上がると湿度が大きく変化するため「避けた方がよい」とされています。
なお、適正温度は15~25℃以内が望ましいといわれています。
よくある事例として、
「押し入れにしまっている」
「納戸にしまっている」
という方がいらっしゃいますが、こういった場所は湿気が溜まっていることが多く楽器の保管には向いていない場合も。
該当している方はすぐに本体の状態を確認し、サックスの保管場所に適した環境に保管するようにしましょう。
なお、湿度40~60%、室温15~25℃というのは私たち人間が過ごしやすい環境と一緒です。自分たち人間が「過ごしにくい」「ジメジメする」と感じる環境は楽器にも適していないということ。
湿度計などがない場合は、「自分が快適か」を判断基準にしてみてください。
何より大事なのが定期的な「お手入れ」
お手入れの仕方によって、サックスの状態、寿命が変わります。
「これまで自己流でやってた」という方は、今から正しいお手入れを覚え、実行するようにしましょう。
演奏前のお手入れ
・コルクにグリスを塗る
というお手入れを行いますが、必ずしも毎回する作業ではありません。マウスピースが差し込みにくいと感じたとき、その前兆を感じたときはコルクグリスを指しましょう。
コルクが汚れているときは、それもきれいにふき取ります。
【必要なもの】
・コルクグリス
演奏後のお手入れ
・水抜き
というお手入れを行います。サックスは「J字型」である特質上、底となる場所に水分(つば)が溜まりがちです。演奏を終えたらすぐに水分を抜くことを徹底してください。
この作業は基本的に毎回行います。
【必要なもの】
・スワブ(ネック用、本体用と2種類揃えておくようにしましょう)
・クリーニングペーパー
【方法】
はじめにマウスピースやネックを外しましょう。ネックと本体はスワブを通して水分をふき取ります。ここで注意したいのはその方向。スワブは絶対に太いほうから通すようにしてください。
「スワブが抜けなくなってしまった……」という場合は、楽器の専門店、修理店に持ち込むようにしてください。
無理に引き抜こうとするのは危険です。
そして、タンポについた水分をふき取ります。
クリーニングペーパーを使って、軽くキイを押さえます。このとき、強い力で押す必要はありません。優しく、ぺたぺた、という感覚が軽減する程度で大丈夫です。
油分の撮りすぎは厳禁。
「加減がよくわからない」という方は、この機会に楽器専門店にいってみましょう。
・拭き上げ
サックスの美しさ、格好よさを決めるのは「光沢」です。 いつまでもピカピカとした光沢を保てるよう、手垢や脂はこまめにふき取りようにしましょう。
【必要なもの】
・ポリシングクロス
・マウスピースの水抜き
マウスピースはリガチャー、リードを外して水洗いをしましょう。水洗い後はしっかりスワブを使って水分をふき取ります。
週一で行いたいお手入れ
・トーンホールのお手入れ
トーンホールとは、サックス本体に空いている「穴」のことを指します。
普段はキイでふさがれているため、露出されることはありませんが、こちらも唾などの汚れが付着しています。
週に一回は定期的にふき取るようにしましょう。
【必要なもの】
・トーンホールクリーナー
【方法】
トーンホールクリーナーは中に針金が入っているので、自分が使いやすいように折り曲げて使います。キイの下とその周りに付着した細かいホコリ、汚れを取りましょう。
数か月に一回
・オイルの注入
潤滑油となるオイルが不足すると、キイを動かすときに「カチャカチャ」と音が鳴る原因になります。月に一度程度オイルを注入してください。
【必要なもの】
・キイオイル
【方法】
キイポストとキイの軸に少量注入します。
量の加減がよくわからないという方は楽器専門店で指示を受けるようにしてください。このキイオイルの差しすぎはかえって汚れ、ノイズ音が発生する原因となります。
自己判断では行わないようにしましょう。
長期保管の際には
「しばらく演奏できない」
そういうときは上記で紹介したお手入れを一通り行いましょう。
余裕がある場合は楽器専門店、リペアセンターにメンテナンスを依頼すると尚良しです。そのときに長期保管をする旨を伝え、現時点で不具合がないか、あった場合は調整をしてもらうとよいでしょう。
【必要なもの】
・楽器専用湿度調整シート
・衣類用防虫剤(不安な方用)
【方法】
メンテナンス、お手入れが終わったら、「楽器専用湿度調整シート」を同梱し、ハードケースで保管します。
このシートは楽器の保管に適しているとされる湿度40~60%、室温15~25℃に保ってくれるので、長期保管の際には必ず入れてください。
また、衣類用防虫剤はタンポの虫食いを防ぐために同梱します。
においのないものを選ぶとよいでしょう。
なお、楽器専用湿度調整シートと防虫剤は約1年で効果がなくなります。
最低でも1年に一度はこれらを取り替え、本体に以上がないかを確認してください。
まとめ
いかがでしょうか。
今回はサックスのお手入れや保管の方法についてご紹介しました。
「正しい保管方法」を行えば、いつか楽器を手放すときにしっかりとした値段で買い取ってもらえます。いつか訪れるかもしれないその日のためにも、日ごろからメンテナンスやお手入れをしっかりするようにしましょう。
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