トランペットのマウスピースが抜けない!?試してほしい対処法をご紹介
「そんなこと、あるの?」と思われている方もいらっしゃると思いますが、実はこの現象、トランペット奏者は皆経験しているトラブルなのです。
本コラムでは「取れない!」と焦る前に試して欲しいこと、そして正しい取り外し方についてご紹介したいと思います。
今回はトランペットだけでなく、ホルン、トロンボーンなどほかの金管楽器奏者にも読んでいただける内容となっています。ぜひ参考にしてみてください。
目次
そもそも抜けなくなる原因とは?
歪み
さまざまなケースがある中で一番多い原因とされているのは「マウスピースもしくはマウスパイプ(マウスピースを装着する部分)の歪み、凹凸」です。とくに小学校、中学校で所蔵している楽器に多い傾向があるといいます。
思い返してみてください。
いくら丁寧に扱っていても、「うっかり手を滑らせて落下させてしまった……」「ぶつけてしまった……」という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実はこのとき、目に見えない傷や歪みができているのです。
幸いその場で抜けたとしても、何度も傷が増えたりすることで徐々に抜けなくなっていくのです。
余計な力を入れすぎ
こちらもよくある現象です。
マウスピースは軽く差し込むだけで一定の場所にとどまります。しかし、まれにグイグイと押し込んでしまう方がいます。
いくら新品の楽器で、凹凸がない状態だったとしても「押し込みすぎ」は厳禁。
マウスピース、マウスパイプは潤滑油を付けないパーツであるため外れにくく、さらに演奏中の息によって温まり、目に見えないレベルで膨張します。これが余計に抜けにくくさせてしまうのです。
埃などの汚れ
埃や髪の毛、まつ毛などが混入することで凹凸が生まれ、抜けなくことがあります。これについては、マウスピース装着時に目視チェックをするとよいでしょう。
抜けない!そのときの対処法
まず、絶対にやってはいけないことをお伝えします。
それは「力任せに抜かない」です。
2~3名が本体側とマウスピース側に分かれ、力いっぱい引き抜く場面を見たことがある方も多いかと思いますが、これは厳禁。
運よく外れたことがある経験をお持ちの方は多いかと思いますが、このとき楽器には相当の負荷がかかっています。これにより楽器の一部が変形したり、また力をかけて抜くと、抜けた弾みで楽器やマウスピースを落としてしまうということもあります。
ではどのように対処したらよいのか、『おすすめ順』でご説明させていただきます。
専用の器具を使う
実は、マウスピースを引き抜くための器具があることをご存知でしょうか。
正式名称は「金管楽器唄口抜取器ヌッキー」、通称「ヌッキー」といいます。
人間の握力よりも強い力で、かつ余計な負荷をかけずに引き抜くことができるため、金管楽器をお持ちの方、また各団体でひとつは持っておくことをお勧めします。
ヌッキーは二本のネジが柱となっており、向かい合わせになるように金属が装着されており、クルクルと回せるようになっています。
使用方法は、
・ヌッキーの金属板(二枚あるうちの下にあるほう)にマウスピースを装着する
・金属板(上部のもの)がマウスピースのリムに来るようネジを均等に締める
・左右のネジをゆっくり締め上げる
以上です。
これで固定されたマウスピースは外れます。
冷やす
先ほど「金属が温まったことで膨張している」と説明しました。
この対処法はその逆、「冷やして金属を縮小させる」という理論を利用します。
この方法は蒸しタオルや氷水が必要となるため、学校や遠征先ではできないというのが難点ですが、比較的安全で楽器への負荷が少ない方法といえます。
方法は下記のとおり。
・氷水と蒸しタオルを用意する
・マウスピースが氷水で浸かるよう下向きに置き、冷やす
・トランペット本体(マウスパイプに近い部分)に蒸しタオルを巻く
・しばらく経ったら力を入れずにひねる
以上です。
ガムテープを使う
「マウスピースがオイルや皮脂で滑る……」
という状況を回避する方法です。これにより、「引っ張る力」が上手に働きます。シンプルな方法ですが、これで「抜けた!」という経験を持つ方は少なくありません。
方法は、マウスピースから楽器本体にかけてガムテープを張るというもので、ポイントはガムテープの「折り返しポイント」を作り、粘着面が見えるように張ること。粘着面をたっぷりと設けると良いです。
また、粘着面を握ってしっかりひねるというのも方法のひとつです。
ツルツルと滑って抜けにくい、という場合に有効な方法となります。マウスピースが抜けたあとは、表面にベタベタとしたものが残らないよう、丁寧に剥がしてください。
衝撃を与える
こちらもシンプルな方法ですが、トランペットに傷ができる可能性があります。力を入れすぎないようにしてください。
・マウスピース、マウスピースパイプを布で包む
・木製ハンマーなど、硬いもの(金槌はおすすめできません)を使って、軽く「コン、コン」とたたく
・一方だけではなく、反対側も同様にたたく
以上です。
修理に出す
これらの方法を試すより確実なのが「修理に出す」です。
「楽器に傷をつけたくない」
「時間がある」
という方はぜひ、楽器専門店に依頼してください。
お店によりますが、数百円~1,000円で対応してもらえるほか、他に不調がないか定期メンテナンスもしてもらえます。
※不調が発覚した場合は修理代金の見積もりを提示してもらえます。予期せぬ代金を請求されることなどはないので安心してください。
丈夫だといわれているトランペットですが、基本的に楽器は繊細なもの。「自己流」「自己判断」によって手遅れになってしまうこともあるといいます。
楽器を長く大切に使いたいのであれば日ごろから楽器店、修理店に通うようにしましょう。
マウスピース固着を防ぐためには
「抜けない!」という事態を避けるために、自分でできることを紹介します。
・押し込まない
当たり前のようなことですが、重要なことです。
たまにマウスピースを装着したあと「ポンッ」と叩く方がいますが、癖になっている場合はすぐにやめましょう。
・他メーカーのマウスピースを使わない
トランペットは同じように見えても、メーカーによって規格、作りが異なります。
「吹きやすい」
と感じても、自分の楽器には合わない……ということは多々ありますし、マウスピースが抜けなくなる原因にもなります。他メーカーのマウスピースは使わないようにしてください。
・歪み直しを利用する
楽器店で「歪み」を指摘された場合、それを直すことが一番の対策となります。こちらも数百円~1,000円で直してもらえるため、ぜひ利用してみて下さい。
まとめ
いかがでしょうか。
今回は「トランペットのマウスピースが抜けなくなったときの対処法」に焦点を当ててまとめてみました。
楽器は大事にしていても必ずどこかで不調、トラブルが発生します。
そのときは「慌てない」そして「プロに任せる」ようにしましょう。これが、楽器の価値を落とさない、長持ちさせるためのポイントです。
なお、
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