正しいトランペットの保管方法とは?
「自宅の押し入れに入れっぱなし」
「部屋の片隅で眠っている……」
という方、本当にその保管方法は大丈夫でしょうか?
本コラムは、トランペット未経験の方でも読んでいただける内容となっています。ぜひご一読ください。
目次
正しい保管をしないとどうなる?
ほとんどのトランペットは真鍮(しんちゅう)で作られているため、基本的には丈夫です。
しかし、「正しい保管」を行わないと変色が起こったり、いい音色が出せなくなったりするなどの不調が発生します。これはトランペットの価値を下げてしまうことにもなりますので、ぜひ下記を参考にしていただければと思います。
最適な保管方法とは
ここでトランペットの保管方法、適した環境についてご紹介します。
ケースに入れて保管
「え?それだけ?」
と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、実は非常に大事なことなのです。
ここでいう「ケース」とはハードケースをさします。楽器を購入したときのケースがあれば良いですが、お持ちでない場合は購入をおすすめします。
ちなみにソフトケースは「保管」という観点からはあまりおすすめできません。そもそもソフトケースは持ち歩きやすさなど「移動用」に特化して作られたもので、堅牢性には欠けます。
ソフトケースに入れていても、ケースを落としたり落下物が当たったりすれば傷、へこみが発生しますので、長期保管をされるのであればハードケースを用意しましょう。
また、銀ラッカー塗装がしてあるトランペットの場合、黒ずんでしまうことがあります。
原因は「硫化」そして「塩化」です。
シルバーアクセサリーをお持ちの方はご存知かもしれませんが、銀製品は汗に含まれる成分などが空気中の硫黄に反応し、「硫化」が起こることで黒く変色します。
銀メッキで塗装されているトランペットにもシルバーアクセサリーと同じ現象が起こるので注意してください。
変色防止グッズを使いましょう
銀メッキ塗装のトランペットをお持ちの方におすすめなのが変色防止グッズです。ほとんどが巾着袋タイプになっており、トランペット本体を入れるだけで硫化・塩化を防ぎます。
黒ずみはシルバーポリッシュなどを使ってきれいになる場合もありますが、場合によっては表面を削り取って対処しなければならないこともあります。
つまり、黒ずみは発生する前に対策をしておくことが大切。長期保管をされるのであればぜひ用意しておきましょう。
多湿、直射日光を避けて保管
トランペットだけに限らず、楽器は「高温多湿、直射日光はNG」です。また、温度が低すぎたり高すぎたりすると音程が安定しにくくなるので、注意しましょう。
トランペットなどの金管楽器は木製、銀製(銀の純度が高いもの)の楽器より丈夫だといわれていますが、真鍮製という特質上、湿気の影響で錆びが発生することがあります。
ジメジメした場所には置かない、「楽器用湿度調整シート」を使う、など対策するようにしてください。
トランペットを保管する前にしておくべきこと
頻繁に演奏している方であれば毎日のお手入れ、定期メンテナンスをしてからケースにしまう、それだけで構いません。
しかし、演奏を長期間しない場合も日々のお手入れに加え、半年~1年に一度のメンテナンスを行う必要があります。
日々のお手入れ(演奏前)
・ピストンにオイルをさす
楽器は金属です。金属の機械と同じように、「潤滑油」がないとスムーズに動きません。
演奏前にトップキャップと呼ばれる部分をゆるめ、ピストンに「バルブオイル」を2~3滴たらして馴染ませるようにしましょう。
日々のお手入れ(演奏後)
・水分を抜く
演奏後は「ウオーターキイ(本体に溜まった水分を抜く栓のようなもの)」を押し、息を吹く込み水分(唾)を抜きます。
そして、ピストンと付属する部品を外し、専用のクリーニング用品(クリーニングスワブ)を使ってマウスパイプ、主管抜差管の汚れを取ります。
マウスピースなど水洗いが可能な部品は水洗いを行い、よく乾かしましょう。
・拭き上げ
楽器専用クロスを使って全体を吹き上げます。とくに銀ラッカー塗装のトランペットの方は要注意。手垢が黒ずみの原因につながりますので、こまめに拭きとることをおすすめします。
・グリスを塗る【定期メンテナンス】
主管抜差管と第2抜差管は定期的にグリスを塗るようにしてください。その際は汚れなどをしっかりふき取り、少量を馴染ませます。
つけすぎは厳禁です。加減がわからないという場合は、楽器専門店や有識者の方に教えてもらうようにしましょう。
半年に1回は菅の洗浄を
日々のお手入れをしていても、手の届かないところに唾などの汚れが付着していきます。そのため、半年~1年に1回は「菅内洗浄」を行いましょう。
しかし、この洗浄はトランペットの扱いに慣れていない方にはおすすめできません。
トランペットの構造、音が鳴る仕組みを十分に理解せずに丸洗いしてしまうと、音が出なくなる、錆びるなどのトラブルが発生してしまうからです。
はじめのうちは楽器専門店に持ち込み、洗浄をお任せするようにしてください。楽器店によっては10,000円前後の費用がかかりますが、これも大切なメンテナンスのひとつです。
NGとされる保管、環境とは?
ここではトランペットの保管において「厳禁」とされる保管や環境の例をお伝えします。
人が過ごしにくい環境
楽器を押し入れにしまっているという方は多いかと思います。しかし、お住まいの環境によっては湿気が溜まりやすく、楽器保管には適していないということも。
ちなみに楽器に適した環境は「湿度35%~60%、温度15℃~25℃」とされています。そうです。これは私たち人間も「快適」と感じる環境と同じなのです。
押し入れや物置、納戸に収納する場合は湿度と室温を確認してからしまうようにしましょう。
お手入れをせずに保管
これは厳禁です。最低でも日々のお手入れを済ませた状態で保管するようにしてください。楽器は息を吹きこんで演奏しているため、思いのほか唾が付着しています。
錆びや変色、ニオイの発生にもつながりますので、必ずお手入れをしてから保管してください。
放置
いくらお手入れをした状態で収納したとはいえ、5年、10年と放置していれば楽器の状態は変わっていきます。
「演奏する場所がない……」
という場合でも、一年に一度はトランペットの様子を見てあげてください。そして、できれば演奏する、全体を拭き上げてグリスを縫ってあげるなどのメンテナンスをしてください。
まとめ
いかがでしょうか。今回はトランペットの保管についてまとめてみました。
どの楽器にも共通していること、それは「演奏することが一番のメンテナンス」ということです。
しかし、どうしても保管しなければならない、という場合は本コラムでお伝えした内容を参考にしていただければと思います。
また、
「もう、手放したい」
「もう演奏する予定がない」
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